シン・仮面ライダーのレビュー・感想・評価
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無機質な台詞の言いまわし
7月21日からプライムビデオで観られると言う事で早速視聴。映画館では迷ったあげく観なかったのだが、こうも早く観られるとはね。
全体的にはすっきりしない展開だったね。池松壮亮も浜辺美波も極めて淡々と無機質な台詞の言いまわしのせいかもね。シンたる由縁は、変身ではなく装具を身にまとうと言う設定になっている事かな。
どうして対決シーンではこうも画面を暗くするのか意味が分からなかったり仕組みが凝りすぎたんじゃないかな。感動的なシーンは残念ながら無かったな。
最後の30分だけ面白い
始まりのシーンはグロシーン多めでほかの怪人と戦ったり
仮面ライダー同士の戦いがドラゴンボールでがっかりし
ガンダムで言うところのバーニィのビデオレターぽいシーンとかもある
バイク戦闘も暗くてショッカーライダーの顔見えなくてもったいない
昔のやつのリメイクみたいなものなのにアクションシーンがすごい3D
にたよりすぎてがっかりするバイクシーンは確実にザファーストに負けてる
結局主人公の心情が全く見えないので最後のシーンでもなんも響かない
ほかのシンシリーズのキャラらしき人物がでるので余計新規層は困る内容
私は全然ほかのシリーズみてないのでよくわからないです
希望はそこにある
舞台挨拶の全国最速上映を鑑賞。
庵野秀明監督のシンユニバースも一応は最後となりました。
あの鬱病から持ち直し、好きな作品に監督として携われている事に安堵しております。
今回、シン・ゴジラやシン・ウルトラマンの時のようにストッパー役の樋口真嗣さんがいない。
その為、庵野秀明監督が暴走しています。
私は所謂、平成ライダーからのめり込んだ世代ですが、昭和ライダーも愛しております。
日々、愛読書である村枝賢一先生の仮面ライダーSPIRITSで胸を熱くしております。
私的に仮面ライダー1号に焦点を当てた最も好きな作品は、和智正喜先生の小説「仮面ライダー 1971-1973」です。
初代の「哀愁」と「孤独」を強く感じさせる素晴らしい内容となっています。
そして今作のシン・仮面ライダーもまた石ノ森章太郎先生のテイストが強く、漫画版をベースとした「孤独な仮面ライダー」を見事に表現しておりました。
以下、本作の良かった点と悪かった点を。
【良かった点】
○テンポが良い
シン・ゴジラ、シン・ウルトラマン同様に鑑賞者を飽きさせない為にとてつもなくテンポが良いです。
2時間、全く飽きが来ませんでした。
○リファインデザインが秀逸
デザインに出渕裕氏が参加されているだけあって
私もお気に入りである「仮面ライダー THE FIRST」のような洗練された造形美に惚れ惚れします。
○痛みを伴う戦闘描写
PG12指定にしたのは英断だと思います。
「死と隣り合わせの空気感」をしっかり描写してくれています。
冒頭からの流血シーンも戦いは綺麗事ではなく、純粋な殺し合いなんだと感情に訴えてくる。
吐血シーンや足の破損も隠す事なく、しっかりと描かれている。
仮面ライダーは市民から賛美されるヒーローではない事を思い知らされる。
私が好きな仮面ライダークウガ同様に痛みを伴う戦闘描写に恐ろしくも美しさすら感じる。
CGばかりに頼らず実体のある生身の戦いも良かった。
○敵性オーグとの戦闘
クモオーグから始まり、全ての戦闘シーンが秀逸。
実写とCGが上手く融合しており、「この画を観たかった!」と思っていたシーンばかり!
コウモリオーグ戦のサイクロン号で上昇し、高高度からのライダーキックは堪らない!
鑑賞後にお気に入りになったハチオーグの高速戦闘や
工業地帯での1号vs2号の空中戦闘描写も最高でした。
最も盛り上がったのはWライダーvsショッカーライダー戦ではないでしょうか?
CG主体ではありましたが、閉鎖空間であるトンネル内でのサイクロン号疾走が痺れました!
ライダーダブルキックが炸裂した時は、泣いてしまいた。
最後、チョウオーグ戦が満身創痍で取っ組み合いなのも泥臭くて好きです。
○CG・VFX
すっかり邦画業界御用達でお馴染みの白組。
かなり粗さもありましたが、それでもファンが観たい映像を見事に表現してくれていたと思います。
CGが批判されるのは覚悟の上だったでしょうが、ライダーの格好良さを追求する為に恐れず表現してくれた事に感謝。
暗所での戦闘もCGの粗さを隠すだけではなくライダーの目を輝かせる事によって美しさを印象付けた。
○相変わらずの情報量
庵野秀明監督作品らしく登場人物の専門用語を交えた説明口調だったり、頭に入って来ない長い単語(プラーナ強制排出補助機構付初期型とか)だったりと視聴者に叩き付ける情報量の波が心地良く感じました。
この点は庵野秀明監督の作風なので合わない人もいるかと思いますが、日本語と云う奥深い言語の文学的美しさを噛み締める事が出来るのは貴重な事。
改造人間をオーグメンテーションと言い替えるのも庵野秀明監督らしい。
○容赦なき原作リスペクト
庵野秀明監督と言えば、原作を愛するが余りに過剰なリスペクト要素を盛り込んで来る事があります。
今作もなかなかにコアなオマージュが見受けられました。
石ノ森章太郎先生の漫画を原作としており、他にもロボット刑事やイナズマンのオマージュも。
○BGM
今作も鷺巣詩郎氏が担当するだろうと思っていましたが、まさかの岩崎琢氏に驚き。
とても静的ながらも耳に残る楽曲でした。
ライダーの心情を表現したかのような楽曲でとても切なさを覚える。
戦闘シーンにおいても場面にマッチしており、観ている我々の感情を否応なしに掻き立てる。
○ロケーション
初代仮面ライダーと言えば美しいロケーション。
時には牧歌的に、時には退廃的に感じさせる情景を背景に命を懸けた死闘を繰り広げる。
それは今作も同様で庵野秀明監督の並々ならぬ情熱を感じた。
湖畔に立つ姿、工業地帯、沈む夕暮れ...
いずれも印象に残る場所ばかりで聖地巡礼に赴きたい気持ちになる。
○ゲスト
多くの方が予想したであろう竹野内豊さんのゲスト出演。
今作は更にシン・ウルトラマンより斎藤工さんも出演。
これは予想外でした!
しかも立花のおやっさんと滝だったとは...
サソリオーグの長澤まさみさんには、笑わせて貰いました。
○ヤマアラシのジレンマ
庵野秀明監督が描く人間関係は、全てヤマアラシのジレンマに集約されています。
それは石ノ森章太郎先生が創造した初代仮面ライダーの人間描写との親和性がマッチしていた。
本郷とルリ子、ルリ子とイチロー、本郷と一文字...
誰しもが、相手を理解したいのに近付けない。
イチローが瞑想状態なのは、他人と関わることを拒絶し、殻に籠った人間として描かれているからではないか?
その象徴として蛹状態にあるチョウオーグだったのでは?
対して本郷は逆だった。
ルリ子をサイクロン号の後ろに乗せて、隣同士になる事で肉体という大きな壁を感じながらも他人と関わり続けようとする人物として描かれていた。
人間の絶妙な距離感を上手く表していた。
○完璧なキャスティング
主演の池松壮亮さんや浜辺美波さんだけではなく、
柄本佑さんや西野七瀬さんなど全員がはまり役でした。
どのキャラクターも好きになりました。
特に一文字隼人役の第2号ライダーである柄本佑さんが一番お気に入りになりました!
○テーマ性
「人類の幸福とは?」「人間に戻れない恐怖と孤独」「愛する者を失った喪失」...
人類にとって普遍的なテーマを取り扱っており、
庵野秀明監督らしく哲学的問答が心地良かったです。
今回のショッカーの思想・目的も漫画版と同じであり、半世紀以上前から石ノ森章太郎先生が予知していた状況の中で私達は生きている。
この複雑化した社会に生きる私達も精神が複雑になり、何もかも投げ出したい衝動だったり、相手を攻撃したくなります。
日常に疲弊している人々にとって緑川イチローの、ハビタット世界に全人類の魂を導き、愛する母との再会、暴力の根源である肉体を捨てさせようとする計画を否定出来ない。
ある意味、ショッカーの目指した幸福は正しかったと思ってしまう。
相手の心に寄り添う難しさを痛感。
○マスク
仮面ライダーのマスクには、改造手術の後を隠す意味だったり、涙を隠す意味があります。
今作では生存の為に暴力を厭わない好戦的になるように感情をコントロールする機能がありました。
そんな忌むべき象徴たるマスクが、最終決戦でイチローにルリ子の願いを伝える役割を与えた事に感無量。
○ラストシーン
本郷とイチローの対比は見事でした。
同じく不条理の暴力で愛すべき人を失った。
しかし力への渇望と使い道は違った。
チョウオーグ戦は絶対量が違うプラーナを消費させる耐久戦。
最後の格好良さや派手さを捨てた取っ組み合いは、不条理の中で最善の道を探す両者らしくて良い描写だと思う。
ここでの本郷の台詞「僕は他人がわからない。だからわかるように変わりたい!」が凄く胸に響きました。
世界を変えるより、自身を変えていく。
実はこれこそが今の世の中に大切な事のように思えました。
石ノ森章太郎先生の漫画版と同じく本郷は命を落とす。
しかし魂がマスクに宿り、一文字と語り合いながら物語が終わる。
孤高ではあるが、孤独ではない。
仮面ライダーは不滅である事を表現した希望あるラストシーンで私は泣きました。
【悪かった点】
○CG・VFX
良かった点にも書いたので矛盾はしておりますが、
もう少し頑張って欲しかった部分がありました。
白組も機械の描写は素晴らしいのですが、生物の表現については課題を残します。
しかしそんなに酷くは無かったのでそこまでマイナス点ではないです。
日本はゲーム等、フルCGならばアメリカ以上のクオリティを表現できますが、実写映画だと難しい部分もありますね。
○台詞が聞き取りづらい
所々、台詞が聞き辛かったです。
庵野秀明監督作品としては毎度のことながら日常では使わない単語、専門用語を交えた会話劇をするので俳優の皆様にもなかなかにキツい。
滑舌が悪いと言うより、早口過ぎて口が回らない状態。
俳優の皆様、お疲れ様でした。
【最後に...】
鑑賞後は様々な気持ちが沸き上がって来ました。
繰り返しになりますが、仮面ライダーだからこそ感じられる哀愁、苦悩、孤独、退廃...
他の等身大ヒーローには無い文学的な、破滅的な美学を仮面ライダーは持っています。
ゴジラ、ウルトラマン同様にあの戦争を体験し、
戦後を生き抜いて来た先人達だからこそ持ち得た思想や哲学、ヒーローへの願いが仮面ライダーに込められている。
このシン・仮面ライダーも同じです。
庵野秀明監督を始め、作品に携わった全てのキャスト・スタッフの皆様に感謝します。
赤いマフラーを靡かせて疾走する仮面ライダー。
その姿は、やはり孤独である。
しかし不思議と希望を抱かせてくれる。
初仮面ライダー
暗い、グロい、単調
ショッカーなら人類抹殺計画を前面にうちださにゃあ
旧1号ライダーと旧2号ライダーのデザインが好きなので
怪人含む造形はお見事。
最後に新1号形態になる論理もハマった。
美波ちゃんの無機質な演技もグー。
七瀬まるも長澤まさみも楽しんで演技していたと思う。
なんですがヤシオリ作戦の時もそうだったけど
CGが意外とプア。
偽ライダーとの夜間バイクバトルもイマイチで
ここは実写での戦闘を見たかったですね。
興行を考えると我々原典世代以外も動員する必要があり
ここはゴジラ、ウルトラマンもバランスに苦慮した跡が
うかがえ、本作もそこを考えるとこの展開は致し方なし。
70点
11
シネマサンシャイン池袋 20230325
パンフ購入
追伸 イチロー兄さん っていうからキカイダーも
出てくるのか?!と思ったらロボット刑事が
出てきた。
庵野さんのコダワリ
平成以後のライダーと大して変わらんくらい酷い、あんなん上映するなら初代ライダーの映画3作品を連続でリバイバル上映して欲しい
石ノ森漫画版のオマージュが多く、特撮版の再現はほぼ皆無に近い。
ハッキリ言って本編ファンは観ない方がいい。
特撮的には本物のミニチュアを使用したり爆発なんかもCGが無く、アクションは役者が実際にスーツを着て行うというマニアとしてはとても嬉しい要素がてんこ盛り。
アクションの方はかなり批判されているが初代ライダーが大好きな自分としてはあの安っぽい演出が最高だと思う。(まぁアクション監督等は可哀想だと思うけど…苦笑)
キャストもシンシリーズ3作品のキャストを継続したりして世界観が繋がっているのではと考察したくなる醍醐味である。
だが赦せない点としては先ず大量発生型バッタオーグとの戦いがCGになった事、あんなに暗くて分からにくい上にくそ雑なCGを何十分も観せられてかなりイライラした。
ストーリーの方も庵野の石ノ森漫画版こそ原点という勘違いによる漫画版オマージュが酷すぎる、特撮版が原点だから特撮版のオマージュをしろよ。
あと東映の粗大ゴミこと白倉伸一郎が関わっているからかもしれんが勧善懲悪で無いのが理解出来ん、仮面ライダーは勧善懲悪を売りにしているんだからそこしっかり取り入れろよ、これじゃあ看板ぶら下げてるだけであるクソ作品の平成令和ライダーとぶっちゃけ変わらん。
良い点はキカイダー、ロボット刑事、イナズマン等の石ノ森作品要素を取り入れてオマージュしてるのがいい。
でKはショッカーの一員にする必要がないと思う、あとはショッカーの創設者が知らん富豪のハゲ親父なのとTHE FIRSTみたいなライダーの設定なのと改造手術のシーンが雑すぎるなど文句が沢山あるけどキリがないからここで抑える。
まぁストーリーはあれだが特撮や石ノ森作品オマージュとしては優れていたので評価は高いかな?
あとプラークの意味がよく分からん。
ビジュアルと雰囲気は最高。アクションは……
クモオーグを倒すライダーキックの演出は本当によかった。元祖ライダーキックがCGを使ってアレンジされていて、技術の進歩を感じさせる。
仮面ライダーのデザインも最高。まさか最後に新2号が出るとは……
あとヒロイン役の浜辺美波が最高に美人だった。顔の造形が良すぎる。誇張抜きでどの角度から見ても美人というすごい顔の造形の整い方。
そしてバイク。こんなにバイクに乗る仮面ライダーは久しぶりに見たかもしれない。なんか仮面ライダーとは関係なく、製作者のバイク愛を感じるくらいだ。
2号のセリフが本当に印象的
「バイクはいい、孤独を感じられる」
反面、アクションは最初のクモオーグ戦がピークかな…暗くてなにやってるかわからんのが多かった。最終決戦のチープなプロレスはちょっと情けない。
アクションさえよければもっと良かったなと、色々もったいない作品だと思う。
賛否両論あるのは理解できる しかし、、、
ネットでは賛否両論が渦巻いていたのは分かった上でいざ鑑賞。
大人向けというか、完全に原作マンガも読んでるコアなファン向け。だから内容も分かる人には分かるし、分からない人には話が飛び飛びに見えて分かりづらいのは仕方ないかと思う。
私はかなり仮面ライダーが好きなこともあって思わずニヤリとしてしまう場面が多々あって非常に面白かったし、色んな答え合わせ(というか一つの解釈)が観られて楽しかった。
ただ、ルリ子さんも改造人間になってたのはびっくりした。原作では本郷は改造人間になったことで力の加減ができなくなってしまい。そのため普通の人間であるルリ子さんを抱きしめることが出来なくなる。それが人間では無くなってしまったことに悩むヒーローという一面を強調してたのだが、今回は恋人同士では無く同志なので、まぁこれもあり。
最後におやっさんがカッコよすぎ!
序盤が最大の見せ場
序盤のクモオーグ戦はすごく良かったです。
CGと実写アクションのバランスが絶妙で、今後の展開にワクワクさせられました。
まぁ序盤が最大の見せ場だったんですけどね。
シンウルトラマンもそうですけど、怪人出し過ぎ。
おかげで一戦一戦がすげー薄味だし軽い。
しかも一文字が出てきて仲間にまでなるし、展開が忙しいことこの上なし。
いや一文字はすごく好きですよ?
何だったら主役一文字でやり直してほしいぐらい。
アクション面はCGが安っぽく、トンネルシーンは暗すぎ。
クライマックスは演出としては面白いけど、盛り上がるかは別。
庵野監督は一番拘りの無いシンゴジラが一番成功して、拘りが強ければ強いほど失敗していく。
誰も止める人がいないんだろうか。
次回作一文字が主役なら観ます。
一体何を見せられているんだ…。何とももどかしい作品。
庵野秀明の実写映画って実は今まで観たことなかったが、今作を観てホントこの人色々上手くないなぁ、と。
説明セリフの多さとやたらとカタカナが出てくる脚本、全編を覆う厭世っぽい拗ねた感覚、唐突で意味を成さない場面転換に取り敢えずシーンとシーンを繋いだだけの拙い編集と、これらが起因してこの手の作品としては驚くほどテンションが上がってこない。
何より、これ本郷猛が主役だよね?って確認したくなるくらい、本郷猛のキャラクターが薄い。テレビ版よりは石ノ森漫画の原作にオマージュを置いた脚本ではあるのだが、映画の2/3は緑川ルリ子が物語を引っ張っていくし、後半はどちらかといえば見せ場は一文字隼と敵役の緑川イチローにドラマの比重が割かれているし…。何よりも驚くのはそこそこの実力ある役者を使っている割には彼らの演技がもれなく、ひどく間が抜けて見える事だ。これだけの役者を使ってドラマが立ち上がって来ないとは…この監督は演技指導をしたのだろうか?。映像にこだわるあまり「監督とは?」という根本的な問題を露呈しているのでは?。その映像もこれだけCGが高度に発達したアクション映画が各国で作られているなか、質感や重量が薄弱で、未だに「これはCGですぜ」 と開き直ったかのような拙さ。とにかく全編「何を見せられているんだ?!」という何とももどかしい一作。
盛り上がらなかったけど
良い意味でも悪い意味でも庵野ワールド
血しぶき。
温故知新
オープニングのタイヤにしびれている余韻もなく、懐かしいバイクチェイスに突入。それだけでもうニヤニヤしてしまった。びっくりするくらいなビジュアルのオーグ達に沸き、びっくりするくらい懐かしスタイルのダブルライダーに沸騰。
シンっぽい血しぶきも、独特なライダーの赤色と緑色も、ありがとうございます、っていう感じでした。ルリルリ、サソリオーグ、ハチオーグはかわいくて目を離せない魅力いっぱい。特にハチオーグが光ってました。
ストーリーはライダースタイルを維持しつつ、しっかり庵野監督の作品になっていて、さすがでした。マニア垂涎の作品になってます。
なんでこんなに面白く撮れるのか、本当にすごい。
シンシリーズは思いがけない俳優さんの見たことない個性を引き出すようで今回もいろいろ魅せていただきました。
「真の安らぎはこの世になく」を読んでの鑑賞は味わい深く、1度目より2度目、3度目と観るたびに違うところで楽しめる。
シン・仮面ライダー2号も観たい。
やっぱりもう一度観ようか。
本物のアクション
『シン・ゴジラ』を監督し、『シン・ウルトラマン』を総監修した庵野秀明監督が、昭和の子供向けSFヒーロードラマを、またも映画にリメイクした本作ですが、前2作を遥かに優る、濃密で強烈な思い入れと入れ込みが感じられる作品です。
オープニング冒頭から注釈なしで、台詞のないバイオレンスアクションシーンが次々と展開し、短いカットを小刻みに細かくつないで、いきなり早いテンポで小気味よく物語が進みます。ジェットコースターのように、観客が息つく暇なく一気に物語に引き込まれていくのは、アメコミ映画のようです。
が、ひと段落した後は物語の背景や経緯を説明するシーンになり、急にテンポが間怠くなってしまいます。ロジカルにストーリーを進行しようとして理屈っぽくなり、軽快だったテンポが滞り、観客を冷静に戻してしまうのは如何にも惜しい。よく意味は分からないがとにかくワクワクさせていた陶酔感を一気に冷ましてしまい毀損してしまいました。元来奇想天外でイロジカルな設定なのだから、科学的に辻褄を合わせようとする意義は不要で、観客に一切論理的思考にさせないように突っ走るべきでしょう。
また登場人物が少人数に限定され、而も単純に正義か悪かに峻別できるシンプルな人物設定の一方で、各人のキャラクターは凝りに凝った扮装と暴力性を持ち、各々の人物(怪人?)が非常に濃密に描写されて強烈な印象を観客に与えてくれました。
ただ、そもそもが子供向けのSFアクションである原点を忠実に遵守したがために、敢えて広大で深遠な世界性は加味されず、ストーリーが展開する時空間は極めて狭い領域に設定されています。大人感覚としては、映画としてのスケール感がこじんまりとした感は禁じ得ません。この点はやや不満が残ります。
原作のTVドラマの基本線を守って即物的にストーリーが進んでいきますが、ラスト30分辺りから、急に人間的な情感が盛り込まれ世界観が変質し、役者の演技が肌に纏わりつくような湿潤さに覆われてきました。長回しや寄せアップも増える。そして迎えるラストの池松壮亮扮する仮面ライダーと森山未來扮するチョウオーグのアクションシーン長回しは、2時間の本作の中で唯一の手持ちカメラで撮られたために、混沌とした躍動感と緊張感に満ち、久々に見応えのあるアクション映像でした。やはりVFXを使わず人間同士が生の肉体と肉体をぶつけ合うと、スクリーンにも高い熱量の迫力、互いのギラギラとした感情の昂ぶりがモロに伝播してきて、観客の潜在的闘争心を鷲掴みにして掻き立てます。庵野監督の、アクションへの徹底したこだわりと執着が強く感じられるシーンでした。
『シン・ゴジラ』『シン・ウルトラマン』が明るい画調のヒューマンドラマだったのに対し、本作は終始暗い画調で人間性が薄く無機質的に演出されたのも、庵野監督の本作への思いの深さの証左だと思います。
それは、エンドロールでのクレジットで、少なくとも5つ以上に名を連ねていたことからも改めて実感します。
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