シン・仮面ライダーのレビュー・感想・評価
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もっとシンプルで良くない
出だしがすごく良くて、戦闘員を一撃で撲殺するリアルさに期待値爆上がりだったのだけど…
戦闘シーンの多くがCGで、リアル感とどんどんかけ離れていくと同時にワクワク感が萎んでいきました。
ショッカーライダーとの戦いは、もはやノーコメント。
ラストは最強の敵とWライダーがド派手な死闘を繰り広げて勝利!するというシンプルな形が良かったな。
「ショッカー万歳」と叫びながら爆発するという感じでスッキリしたかった。
ラスボスがイカデビルだったら感動したかも。
浜辺美波ファンはどうぞ
公開初日のレイトショーは、密にならない程度に席が埋まり、注目度の高さが窺える。
制作発表があってからずーっと公開を楽しみにしていたものの、過度な期待をせずに鑑賞したが、
正直なところ
(゚⊿゚)ツマンネ
なにこれ・・・。
ちょっと庵野さんよ・・・!
ガッカリだぜ・・・。
随所にオリジナルに対してのリスペクトは感じるけど、ハッキリ言ってこれは酷すぎる。
見せ場であるはずのアクションシーンも、CGだかVFXだかがとにかくチープすぎて見るに堪えない。
キャスティングもイマイチしっくりこない。
庵野作品でよくお見掛けする俳優さんが多いのは別にいい。
しかし、なんで池松壮亮が本郷猛?
申し訳ないけど、とても頭脳明晰で高い身体能力を持っているようには見えないし、かかとの高いブーツを履いていても一文字隼人役の江本佑との身長差が、どうにもバランスが悪い。
加えて、顔の表情だけでなく内面的にも陰キャラ全開で、なんだか碇シンジとダブって見える。そう思った人はいないだろうか。
また、変形するサイクロン号それ自体はいいが、6本出しのマフラーの形状が気に入らないのと、フロントカウルがエヴァ弐号機に見えるのがなんだかなぁ。
ま、これも庵野流なんだろうけど。
ともあれ本作は庵野監督のシン・シリーズの中では、唯一のハズレだ(キッパリ)
救いは浜辺美波ちゃんが、クールでツンデレな緑川ルリ子を頑張って演じていたことと、ぶっ飛んだ長澤まさみを思いがけなく見れたこと、そしてエンディングで『レッツゴー‼︎ライダーキック』がフルコーラス流れたことぐらい。
とりあえず浜辺美波ファンはそれなりに楽しめると思うので、気が向いたらどうぞ。
現場からは以上です。
いい加減にしろw
わかってましたがゴジラ.ウルトラマンと比べサイズ小っさスケール小っさストーリー小っさ。wライダーと素顔の森山未来が二時間ただ戦ってくれてた方が良かった。まぁ大画面でのライダーが見れたので良き良きかな。それなら期待しないけどライオン丸や赤影とかミラーマンとかやってください大画面だけでチケット代惜しくないからw
完全大人向け映画?
私は『シン・』シリーズについても、庵野秀明さんの作風やらなんやらも全く知らない人間です。
仮面ライダーについても、平成のライダーは「......子ども向けじゃないの???」と思うくらい設定を理解できずにいて、昭和のライダーを観ながら「大人になったら作りの安さに笑ってしまうけど、哀愁か何かすら感じるくらいになって楽しめる」と思っています。
そんな私が今回この作品を鑑賞したのは、友人に誘われたからでした。
で、ようやく本題に入ります。
期待と不安を半々くらいで観始めたのですが......(以下、ネタバレ)。
今の時代は、こういった作品がウケるのでしょうか?
冒頭から、少なくとも私にはグロテスクに感じるくらいの血を使った演出(人間とそうではない敵を分けるためのもの?)に、気分が悪くなりました。
台詞も、カタカナの用語や小難しい背景や理論かなんかを並び立てて、雰囲気で察するしかない状況。
ライダー2号があっさり味方になったけど、ルリルリは結局何をしたの?
ハチオーグを倒す時にかなりの高所から登場したり、コウモリオーグにはけっこうあっさり勝てたりしたけど、チョウオーグにはかなりの苦戦。
サソリオーグに至っては人間で倒せるほどの能力で、オーグ内のパワーバランスや、仮面ライダーの能力の高さ設定かなんかはどうなっているの?
カマキリとカメレオンを組み合わせたオーグの兄ちゃんは、ルリルリを仕留めてからマントの類を投げ捨てていたけど、2号との闘いでは透明要素を駆使しなくても良かったの?
昔を美化する老害の発想でしかないのでしょうけど、【組み合わせたら面白そうな動物&道具の設定に、全身タイツとちょいと凝った被り物の衣装】といったものを観慣れた立場としては、“怪人”というより“武装兵器”というかなんというかの敵の見た目にも......でした。
圧倒的な存在感の森山未來さんや、ツンデレではないけど心のバランスを良い感じに魅せてくれた浜辺美波さんがいなければ、ライダー二人では持ちません。
冒頭に書いたように私は無知なので、庵野秀明監督作品に関する小ネタの類は一切わからなかったのも、あまり盛り上がらなかった原因かもしれませんが.......。
最後に余談ですが、仮面ライダーの仮面、他の人も装置できて映像も観られるなんて、フルフェイス型のVRゴーグルみたいだけど、ああいったものは商品化される事はないんですかね(既にある?)?
文句なし
特撮を庵野なりに映画化したと割り切ればセリフ、シーンの構図やらに全て納得がいく。
観れて大変満足しました。
そして自分も今までちょっと諦めてた事に再び挑戦してみようというポジティブな気持ちを貰えた、感謝。
結局「人類補完計画」
やさしい本郷猛はいいのだが、がショッカー打倒を決意する動機が薄すぎる。
コウモリ怪人をオミットしてもうちょっと導入部分を厚くすれば良いのに。
また、ラスボスの目的が結局「人類補完計画」なのはいかがなものかと。
庵野監督こそエヴァを卒業したほうがいいな。
期待はずれでした。
期待感があっただけに辛口です。
「庵野秀明らしい」は褒め言葉ではないです。シン・ゴジラの様な新しい試みも感じませんでした。デザインはTHE FIRSTより発展は感じられません。ストーリーは冒頭30分だけは凄いと期待がありましたが、残り1時間半はグダクダ。最後はキャシャーンを思い出しました。CGもさすがに今の時代は当たり前なので観る人には驚きはえられません。
役者は豪華ですが無駄遣いで世界観と合ってませんでした。唯一非現実な美しさがある浜辺美波は庵野秀明ワールドにはまってました。
評価が出来るのは映画だけではない漫画や玩具などの展開の多さでしょうか…しかし主軸の映画がこれだと今後は売上に響くのではないでしょうか。
世界に通用するコンテンツである仮面ライダーの可能性を潰してしまったように思いました。
他の方が「賛否両論あると思う」書いていますが、その時点で良作ではありません。
庵野秀明はアニメで勝負するべきだと思います。
劇伴を堪能、そしてオッサンの特権
今回も空席目立つ昭島のMOVIXへ。シネマシティがほぼ満員で良席残ってなかったんで。ホームにしようかな。
64年生まれの私はウルトラマンも仮面ライダーも戦隊物もスターウォーズもガンダムもそのスタートに立ち会えているのだ。そして最近思うんだが、いい劇伴は頭に残ってるなあと。今作も戦闘シーンにリミックスされたオリジナルの劇伴が流れる、そこで体温が上がるのを確認した。
庵野秀明によるシンではシン・ウルトラマンは全く響かなかったが本作はスッと入ってきた。どちらも複数の敵との戦いが続く構成なれど、主人公たちが変化していく経過がきちんと描かれたからだ。そして一文字隼人のキャラが(わかりやすいネタフリもありつつ)変わっていく。ポスターの「継承」の意味が明らかにされる。
主役3人はじめ全体に役者は良かったかと言える。池松壮亮はそのシリアスさが嵌っていたし、浜辺美波は高飛車なキャラと笑わないクールな顔が美しかった。ただ二人ともヒールが高すぎて気になっちゃった。柄本佑のはねたキャラ、セリフがアニメっぽかったかも。西野七瀬も悪くはない、ただ長澤まさみが印象に残りすぎた(笑)。あとお兄ちゃんのボスにはもう少し踊りが入るかと期待してしまった。
そしてラストの政府の男たちの名乗りがビンビン応えるのはオッサン世代の特権カモ。
監督の実写作品らしい仕上がり
監督が常々話していたテレビ初期の暗い画面で何だかわからないが凄いアクションしているというイメージはギリギリ見えるレベルで再現されており、映画全体から受ける印象が上手くソレに近しい感じになってました。
また近年物足りなさを感じていたバイクのスピード感疾走感とも満足出来る演出で、初期仮面ライダー感を増幅させています。
あとライダー意匠の重要なキーワードである涙を物語上の設定に落とし込み、あえて役者さんの演技で体現させることで、その意味を知る者にとってグッとくるシーンに仕上がっていた部分、そしてやはり原作ラストシーンの解釈とそれに至るシークエンスの美しさに初期仮面ライダーや原作への監督の想いが詰まっていたと感じました。
反面、画面の暗さや暴力描写、原作設定や石ノ森作品のオマージュの数々は自分のような初期ライダーを知るものにとっては理解できかつ納得の要素だが、果たしてそれ以外の一般層や後続世代に対してはどう感じるか?ともすれば敷居の高さとなるのではないか?とどうしても気になる所であり、さらに元々ゴジラやウルトラマンに比べ題材的に狭いターゲットと言わざるを得ない仮面ライダーは、興行成績的にどうなるか不安視しながらも注視していきたいと思います。
まあシンシリーズとしてのスパイスを効かせて最近のファンへのフックもアザとく仕込んであるところや、ややウェッティとも言える要素も「らしさ」があり、総じて庵野監督の実写作品らしいと私は感じました。
冒頭10分大興奮
冒頭10分がマジでやばかった。
アクションもカッコよかったしライダーキックをこんなにもカッコよく見せるのすごい。
ただ、終始どういう気持ちで見たらいいか分からなかった。
原作やリアルタイム世代のファンを喜ばせるための敢えてのチープさなのか、真面目にやっててこういう絵になってるのか分からなかった。
庵野監督がいろんなところで言ってるけど邦画作んのってほんとしんどいんだなーって思いました。
誰か庵野さんにめちゃくちゃ金出すか、海外で撮らせてあげて欲しい。
いい意味で 大人になってしまったライダー好きの人が見る映画かな
あっという間の約2時間
引き込まれてた
かっこ良かった
CGの違和感なんて どうでいい気になるよね
ジャンプとキック
バイクアクション
幼いころサイクロンのマフラーを排気管だと思わずジェットノズルだと思っていたから 本作品のサイクロンは 合格だった
でも 見終わった直後の感想は なにか物足りなかったけどそれは違った tvのシリーズを知っているからそう思えたんだ
原作マンガとtvの一文字登場あたりまでを原作とし映画にしている本作品
良くを言えば 継承する一文字のキャラをあと少しの説明があればもっと最後にぐっといけたかな
変形するのは 改造された肉体と バイクとヘルメットだけ
それなら わかる!だよね
登場人物のセリフがわざとらしいと感じていたけど 本音の時だけセリフが自然 だと感じて あーそうか自分以外とコミ取る時人は演じてるもね
バイクに対しての一文字の セリフ
が刺さる 同意だよ
浜辺美波愛と旧作へのノスタルジーの詰まった、庵野さんの「僕の考えた仮面ライダー」!
庵野さん、浜辺美波ちゃんのこと、好き過ぎ(笑)。
久々に封切り初日に映画を観てきた。
人より早く映画を観ることにはほとんど関心がないが、
あまりに出演者が番宣とかで「ネタバレ厳禁」みたいなことを言うので、
いちおうネタバレを踏む前に観ておこうかな、と。
僕自身はそれほど庵野ファンということはなくて、『シン・ゴジラ』には某映画サイトで3・5点、『シン・ウルトラマン』にはここで3点と星をつけているくらいで、とくに詰め込み過ぎの情報量と早回し感があまり性に合わない感じだったのだが、今回は「三部作」のなかでは一番素直に楽しめたと思う。
同時に「三部作」のなかでは一番破綻しているともいえるが、それはそれで庵野さんらしいと思った。
とはいえ、どこまでを「ネタバレ」と判断するかは、結構難しいな。
ラストに関しては、まあ完全なネタバレ禁止案件だろう。
てか蝶オーグが出てきて以降の展開は、「ネタバレ」表示にしない限りは触れていけない気がする。
じゃあ、バトル要素の新機軸とかは?
あれもたぶん完全に予備知識無しで観たら、俺みたいなタイプの観客はきっと腹を抱えて大爆笑すると思うので、あまりバラしてはいけない気がする。
三●●●の『●●●● 三●の●の●●●』みたいな(ヒント出しすぎか?)
でもライダーの基本性能考えたらまあ、ああなるよね。
ていうか、ずっと庵野さんが「ホントは仮面ライダーがバトルしたらこうなるよね??」って何十年も脳内で悶々と考え続けてきたかと思うと、ほほえましい。
大筋に関係ないことに関してなら、たぶん触れてもいいんだろう。
浜辺ちゃんが、一生懸命かっこよさそうに演じていてもどこか運動神経が悪そうで、決め顔で歩いているのに首が左右にずっと揺れちゃっているのが愛くるしくて死にそうとか、
池松くんがほぼずっとプルプルプルプル、チワワかポメラニアンみたいに震えてて、これが池松くんなりの演技プランなのかと思って観ていたら、彼の一人称視点のキャメラまでずっとフルフル震えてて、どうやら監督にやらされてたらしいと気づいて苦笑いとか、
顔出しで出てくる男の改造人間は全員どちらかというと「クセ顔メン」なのに対して、女性の怪人は全員すこぶるつきの美人ぞろい、人間サイドも二人とも超イケメンって意図的な配置のバランスが面白いとか。
ただし、誰がなんの役をやっているかは、予備知識無しで観に行ったほうがいっそう愉しめるかもしれない。
なかでもサソリオーグは、おそらく彼女の芸歴史上もっともぶっ飛んだファニーな演技を強いられていて、僕はエンドクレジットを見るまで、実は誰だかまったくわかっていなかった。
あと、言われないと誰だか絶対に認識できそうにない配役がニ、三人いて、とくに某「殿」はクレジットで出演を確認してなお誰の役か僕には見当がつかず、パンフを観てはじめて、なるほどアイツがそうだったのかと。
― ― ― ―
というわけで、話の大筋については、このあとも敢えて触れないようにしたい。
けっこうびっくりする人は多いと思うし、ぜひ早めに映画館でご自身の目で、庵野さんの考えた大ネタを確認されればよいと思う。
ただ、言っておきたいことがいくつかある。
まずは、この映画は何はともあれ「浜辺美波を愛でる」映画だということだ。
庵野監督は緑川ルリ子というキャラクターをとにかく偏愛していて、
それを演じている浜辺美波ちゃんのことも大好き。
映画の大半の部分は、もうそれでなんとなく出来上がっている。
それも彼女の内面ってよりは、彼女の容姿と、佇まいと、オーラをひたすら追い続けている感じ。どこか、フィギュア愛に近いような。
大昔に庵野さんが『キューティーハニー』で、サトエリに同じような感じで執着していたことを思い出す。
一方で、全体の雰囲気というのは、どこか70年代のフィルムで撮られた映画やドラマの生っぽい質感をなぞっているようなところがある。
特にハードボイルド系の青春もの、刑事もの、旅ものあたりのテイストがノスタルジックに再現されている印象。逆に「特撮」らしいチャチさやぺらっとした感じは希薄だ。
日本らしい錦秋のパノラマや凍てつく冬景色のなかで、パワードスーツの強化人間同士が血みどろの闘いを繰り広げる違和の感覚は、おそらく庵野さんがわざと狙ったものだ。
『シン・ゴジラ』や『シン・ウルトラマン』では、あまり映像上で旧作へのノスタルジーを感じさせる部分がなかったことを考えると、これは新機軸といってもいい。
庵野にとって『仮面ライダー』は、リファインしきってしまうと大切な何かが喪われるコンテンツだったのかもしれないし、彼にとって最もノスタルジックな感情と結びついた特撮だったのかもしれない。前二作ではやらなかった、エンドクレジットで●●●三連発ってのも今回やってるくらいだし。
でも、この「浜辺美波ちゃんのプロモーションビデオ」みたいな側面と「70年代フィルムっぽい質感とテイスト」という側面は、意外に途中から食い合わせが悪くなる。
まだ前半の、浜辺ちゃんが無表情でクールな演技を強いられていたあいだは統一感もあったのだが、中盤でルリ子が若干「デレ」てきてからは、なんかすげえ妙な空気感が漂ってくるんだよね……。
「70年代ドラマ」に、部分的に「ラノベ」が混ぜてあるかのような……(笑)。
とくにレターのシーンはもうこそばゆくて、ついくねくね身もだえしてしまった。
それここでやったらかなりきっついぞ。って庵野さんもわかってるだろうに。
でも、やりたくてやりたくて仕方なかったんだろうな。
なので最初に書いたとおり、「三部作」のなかではこれが一番、劇映画として破綻しているという気もする。浜辺ちゃんに執着しすぎて、作品のテイストとか全体の割り振りとかのバランスを少なからず逸してしまっているのだ。
でも、僕はそのことに対して否定的かというと、実はそんなこともない。
むしろ、これでいいと思う。
『シン・ゴジラ』や『シン・ウルトラマン』での庵野は、少し他人行儀というか、一歩引いたところから知的に映画を構築していて、どこか低体温で冷徹な印象があった。樋口監督が間に入っていることももちろんあるだろうけど、血肉の通った劇映画というよりは、壮大な「俺の考えるゴジラ/ウルトラマン」の研究発表を延々見せられているような感じがした。
その点、監督自身の妄執や偏愛が色濃く反映されている本作には、まさに「庵野」の個人的嗜好や臭気が刻印されているといっていい。
そして僕は、そういう映画がきらいではない。
― ― ― ―
もう一点、強調しておきたいことがある。
それは、本作が徹頭徹尾、「バディムーヴィー」だということだ。
とにかく2人がセットで出てくる。
いつも前から後ろから、2人が並んで歩くショットばかり。
最初、本郷猛のバディは緑川ルリ子だが、
話の展開にしたがって、バディの構成はいろいろにすげ変えられてゆく。
(お話の都合上、2号ライダーをどこかで出すわけだから当然だが)
サポート役の特殊機関の2人も、『メン・イン・ブラック』よろしく常にコンビだ。
常にツーマンセルで動くヒーローサイドに対して、ショッカー怪人は基本、単独行動だ。
だからこそ、能力は高くとも皆、一敗地に塗れるわけなんだけど……。
とはいえ、カメレオンはクモに半ば同性愛的な忠誠心をいだいているし、「ヒロミとルリ子」「緑川兄妹」といった、「過去の旧バディ」という要素も存在する。
それに合わせて、ショッカーの秘密基地もたいていはシンメトリーで構築され、真ん中で待ち構える敵に対してバックショットの二人が並んで向かってゆくショットが多用される。
徹底したシンメトリーへのこだわりで出来ている映画としては、グリーナウェイの『ZOO』やクローネンバーグの『戦慄の絆』、オゾンの『2重螺旋の恋人』、キューブリックやウェス・アンダーソンの諸作品あたりが有名かと思うが、本作も(とくにバトルシーンの始まりは)左右対称構図を強く意識している。パンフでスティールカットを確認するとちょっとびっくりするくらい。
これは、本作が何よりもまず「バディムーヴィー」であることを、視覚的にも強調したいがための仕掛けだ。
人がこの世の悪に立ち向かう時。
人が自分の弱さに立ち向かう時。
必ず支え合う友、頼りになる相棒が必要なのだ。
― ― ― ―
その他、観ていて適当に考えたことなどを箇条書きでつらつらと。
●本作の「怪人」たちは、旧作のテイストを引き継ぎつつも、明らかにアメコミ及びアメコミ映画の「ヴィラン」の影響を色濃く受けている。軽口の叩き方や妙に気取った感じ、ぶっ飛んだファンキーさなど、いかにもって感じだ。
●一方「正義」のサイドは昭和感を強く遺しているが、旧作の藤岡弘のようなマッチョな強さではなく、むしろショーケンと水谷豊の『傷天』コンビみたいな、弱さを包含する若者(タートルのセーター着た学生運動くずれの反抗期青年みたいな)をイメージさせる。
●語り口については、徹底した早回しと膨大な説明台詞で全編を押し切っていた『シン・ゴジラ』『シン・ウルトラマン』と違って、妥当なテンポと適度の情報量に抑制されていて、こちらのほうが僕は断然好きだ。
●ただその分、移動したと思ったら敵アジトの深奥に、といったワープっぽい展開が多く、テンポ感はふつうになったかわりに、「徹底的に余分な要素を排した」「ひたすら重要シーンばかりが続いていく」省エネ進行が顕著である。ちょっとRPGの、廊下を歩いてたら敵遭遇でいきなり部屋で対峙してバトル開始、みたいなノリ。
●登場人物に関しても、本当に物語を回すのに必要なキーパーソンしか出てこない。さらにいえば、この映画には某オーグの力で操られる街の人々以外、一般大衆がほとんど登場しない。そのおかげで「余分なシーン」は一切カットできているが、「世界を悪から守る」ために戦っているはずの話で、「世界の実体が見えない」不思議な感覚がある。何を守って戦っているのかの部分に、ぽっかり虚ろな闇がひろがっているかのような。
●本作には、2人がバイクで関東一円をずっと移動していく「ロードムーヴィー」としての側面もある。単にロケ地があちこちにバラけているだけとも言えるが、富士山が山梨側からも富士宮側からも撮られているし、木更津の海岸でシギ・チドリが集まる夕景とか、あと瀬戸内と思しき海上の道やコンビナートも出てきて、旅情をさそう。
●設定で印象的なのは、仮面ライダーの仮面が、自分で着脱するヘルメット状のもので、首筋からおくれ毛が出ていたりすることだ。バトル同様、リアル路線の行きつく先ということなのだろうが、けっこう生々しい。あと、赤いマフラーにもきちんとした理由付けが出てくるが、子分に籠絡するたびにルリ子がいそいそと巻くので、ちょっと奴隷につける首輪(社畜のネクタイ)みたいにも思えた(笑)。
●音楽では、商店街だかのシーンで唐突にかかった『阿修羅のごとく』のテーマ曲(トルコの軍楽らしい)に大爆笑。あれ、インパクト只事じゃないな。
●冒頭の「暴力談義」はウクライナを意識しているだろうし、コウモリの話は間違いなくコロナ禍と関係があるし、感情操作系の話は昨今の新興宗教ネタと関連があるだろう。何十年も前から庵野さんは「撮りたい仮面ライダー」を温めていたはずだが、ここ3年くらいの世界と日本の激動は、さらに監督のなかの「正義と悪」の概念を深化させたに違いない。
●サポートメンバーのふたりが役名を口にしていないことにはずっと気づいていて、きっとアレだぞ、アレが来るぞ(前作のやつ)と思って観てたんだけど、全然そんなことはなかった(笑)。
●ラストの趣向については、とにかく一文字の決めぜりふどおり、こうすれば「スッキリ」いくのにってずっと思ってたんだろうなあ、庵野さん。
柄本佑くん『シン・ゴジラ』を観て「これだけいろんな人が出てるのになんで僕はいないんだろう」って思ったって言ってたけど、すっげえいい役もらえたじゃない。なんか、本当におめでとう!
シン・浜辺美波
ONE PIECE FILM REDをシャンクス主軸の話でめっちゃ楽しみ!と思って観たらFILM ADO だった時と同じ感覚になった。
それと庵野さん、もうエヴァにだけは乗らんといて下さい。
『シン・』シリーズの最終作にして、一筋縄ではいかない作品。 テレビ版のリブートではなく、 【石ノ森章太郎版】だと今さらながら気づいた。
いろいろな要素が含まれていて、
かなり評価が別れる作品になったかと思います。
いろいろ書くと、
ネタバレになっちゃいそうなので手短に…
個人的には
ストーリーは、良かったかと思います。
ベルトの色も
本郷猛は、[白]
一文字隼人は、[赤]
といったように、随所に庵野秀明監督のこだわりを感じられます。
あとキャストについて言えば、
たとえば
藤岡弘、さんの「本郷猛」と
池松壮亮さんの「本郷猛」は、
名前は一緒だけど、
出自やいろいろなエピソードが加えられており、全く別人物だということをお伝えしたいです。
仮面ライダーといえば、
テレビ版のイメージが、もの凄く強いですが、
石ノ森章太郎版のマンガを読む機会があり、気づきました。
庵野秀明監督は、石ノ森章太郎スピリッツ(と言うのかな?)を目指していたのだな。
と思いました。
終わり方も、似ているしね。
評価としては
『シン・ウルトラマン』よりは、上。
『シン・ゴジラ』には、及ばず。かな
庵野秀明の作品てだけでくそみたいな映画やった
原作漫画と仮面ライダーのテレビシリーズにモチーフだけは忠実に再現。漫画の顔に模様があるとかスーツにヘルメット。テレビシリーズの髪の毛出てるとか旧1号旧2号新2号のカラーリングだけは
それ以外は石ノ森章太郎の思想が何一つ反映されず
映画開始すぐ血塗れでアマゾンズを期待させつつ、
1号と2号の戦いはドラゴンボールの戦いそのもので、
それ以外の戦いも仮面ライダーの戦いでは無く、何の映画見せられてるの??やし
ショッカーライダーとの戦いだけはまだ見応えあったけど、他の戦いシーンほんましょーもないし
本郷猛が死ぬとかほんま無い作品
もったいない
昭和ライダーど真ん中の世代としてはこのゆるい感じが心地よかった★4
本郷と一文字のキャラ設定も原作オマージュしてて★4
演者の方々も素晴らしく特にルリルリの表情や言い回しは凄い女優さんだなと★5
でしたが
CGがぬるい★2
冒頭の戦闘シーンや蝙蝠の処ぬるすぎて笑ってしまった
造形がぬるい★2
蜘蛛、蜂類と蠍蝙蝠等との差
出入り自由★2
敵のアジトに出入り自由ってどうなの?
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