「昔のヒーロー物を無理矢理現代風にしようとして失敗したような映画だった。」シン・仮面ライダー Push6700さんの映画レビュー(感想・評価)
昔のヒーロー物を無理矢理現代風にしようとして失敗したような映画だった。
すごく期待していたけれど、思っていたのと違っていた。
違っていても面白ければいいんだけど、そういうわけでもなかった。
なんか仮面ライダーがかっこ悪い。
仮面ライダーはかっこよさが全てなのにかっこ悪いのではしょうがない。
ピンチになってもいいけど、強さを演出するためのものくらいな感じで、強さを強調して重ねていってもらわないとよくない。
それから悩んだり苦しんだりというのもよくない。
あまり自分の周りのことで悩んだり苦しんだりしないでほしかった。
もう最後の方は浜辺美波さんを守るためだけに戦っているみたいになっていた。
気持ちはわかるけど、守るのは浜辺美波じゃなくて地球の平和だと思う。
女性一人守るためだけのヒーローなんていらない。
でも浜辺美波さんはよかった。
役の内容は改造人間だかなんだかよくわからない役で、弱いくせになんで一人でショッカーにつっかかっていくのかよくわからなかったけれど、キャラはよかった。
浜辺さんは『咲 阿知賀編』の頃から思っていたけど、笑ったり泣いたりしない方がいい。
ひたすらツンケンしている方がいいと思う。
浜辺さんはいろんな役をやっていて、個人的にもいろいろ見てきたけど、『咲 阿知賀編』の宮永照みたいな役はなかったような気がする。
イメージが悪くなってCMの仕事も来なくなるかもしれないけど、また宮永照みたいなキャラの役を見れてよかった。
あとショッカーが何をやりたいのかよくわからなかった。
やっぱりショッカーは世界征服を企む悪の秘密結社がいい。
わけのわからない宗教団体みたいのでは困る。
それに怪人は世界征服のための手先であって本体ではないし、仮面ライダーと戦うためにいるみたいになっていたのが納得いかなかった。
裏切った仮面ライダーなど無視して世界征服作戦を実行して、仮面ライダーが邪魔しにくるからしかたなく戦うみたいにしてもらわないと、こっちもかっこ悪い感じになってよくないと思う。
ショッカーの怪人もおかしかった。
基本的に仮面を被っているだけみたいな人が多かったけど、それでは怖くないし、気持ち悪くないし、強そうにも見えない。
コウモリオーグは仮面被ってなくてよかったけど、顔はどう見ても豚にしか見えなかった。
サソリオーグの長澤まさみさんは、出てきてすぐ公安みたいな人にやられてしまって超無駄使い。
西野七瀬さんのハチオーグは演技が超下手で、人間だか怪人だかなんだかよくわかない生き物みたいになっていて、こっちも公安みたいな人に銃で倒された。
特殊な弾丸なんだろうけど銃で倒せるなら仮面ライダーいらないし、公安に知られてるならショッカーは秘密結社ではない単なるテロ組織で、政府が戦えばいいと思った。
こういうヒーロー物って、昔は政治的なテーマの物が多くて、現在は個人的なテーマのものが多くなったと読んだことがあるけど、昔のヒーロー物を無理矢理現代風にしようとして失敗したような映画だった。