「冒頭バトルは007ばり。PG12ならではの描写」シン・仮面ライダー テレビウォッチャーつばめさんの映画レビュー(感想・評価)
冒頭バトルは007ばり。PG12ならではの描写
冒頭のバイクでのチェイスシーンは007のような緊迫感。血しぶきが飛び、生々しい打撃音がするバトルはPG12ならではの描写です。
音楽と効果音は作品を通じてすばらしいものでした。
怪人役のうち、クモオーグの大森南朋は顔が分かりませんでした。
コウモリオーグの手塚とおるは凝ったメイクとムカつく表情が素晴らしく、ハチオーグの西野七瀬は敵のヒロイン役として輝いていました。
サソリオーグの長澤まさみは仮面ライダーではなくなぜか人間(当局の組織)の急襲であっという間に殺されます。死に際には、妙にセクシーな声を出させられていて、シン・ウルトラマンでの、巨大化時の下からのカメラワークに続く庵野秀明のセクハラ案件だなと思いました。また、シン・ウルトラマンで共演していた竹野内豊と斎藤工が当局の人間として本作品に出演する中、敵の怪人役として起用するのは、俳優の使い回しがひどすぎるのではないかと感じます。
本郷奏多のカメレオンオーグもコウモリ同様にムカつく演技がすばらしかったです。
仮面ライダー2号が出てきて即、敵の組織を裏切りますが、それならば最初から味方として出てきてもいいんじゃないでしょうか。展開が早過ぎます。
最後、森山未來演ずるボス、緑川イチローと仮面ライダー1号2号が戦う前に、同能力の10人ぐらいのライダーと戦うシーンは、なぜそんなに数的不利なのに勝てるのか疑問に思います。
ボス戦でも、当初は仮面ライダーに対して圧倒的な能力差を有し、かつボスによるクリティカルな攻撃を2人に与えた後に負けてしまう(打撃からの組んず解れつの泥仕合を経て)のか、不自然極まりません。
もっと設定を自然にしてほしいです。
松坂桃李が声を担当する、状況監視をするだけのロボットKも不要なのではないかと思いました。
でも、池松壮亮と柄本佑の仮面ライダー、浜辺美波の緑川ルリ子は終始カッコよい。
映像はとにかくカッコいいのです。
庵野秀明監督には、脚本は他人に任せて映像監督として、桂正和のウイングマンをR18で手がけてほしいと思いました。