「充実した映画体験」シン・仮面ライダー ヨークさんの映画レビュー(感想・評価)
充実した映画体験
子供の頃にウルトラマンはほとんど見てなかったけれど「シン・ウルトラマン」は面白かった。
同じく、仮面ライダーもほとんど見ていなかった。
そういう意味でフラットに映画を観られた。
よく分からない設定で、とにかく敵を倒していく。
思っていたよりも血飛沫が飛ぶ。倒す、というより殺す。相手が人間でなくとも殺しているということを印象付ける演出。
と思えば何百人が一瞬で泡と消える場面があった。
どうしてそんなに人を殺すのだろう。
劇中の会話で、苦しみの無いハビタット世界へ全人類を送るのが目的らしいと分かった。
なるほど、それは良いかもしれない。苦しみが多い現代だから求める人はある程度いそう。でも信仰宗教みたいだなぁとも思う。
ルリ子は言っていた。幸せと辛いは線一本の違いだと。だから辛いことのすぐそばに幸せはあると。
もちろん、あまりの辛さにそっと逃げ出したくなるけど、高ければ高い壁の方が登ったとき気持ちいいもんなと自分をごまかしながら苦楽を抱えながら生きていくしかない。
でもそれには努力が必要で、そんな苦労をせずにハビタット世界へどうぞと彼らは囁く。それを強制するならやはり彼らは悪なんだろう。
そんなことを考えつつスクリーンを見ていたけれど、どうにも睡魔が襲ってきた。仮面ライダーが命をかけて戦っているのに。自分は睡魔にすら勝てないのかと。だがどうにも瞼が重い。これが地球の重力か…
気がつくと敵の仮面ライダーが味方になっていた。
そしていろんな人の想いを背負ってこれからも戦うらしい。
それを見て、自分も勇気をもらって力が溢れてきたということは全くなく、こんな訳の分からない散文をレビューサイトに投稿する始末。どうして他の映画にしなかったのか。
でも、こういう辛い経験があるからこそ素晴らしい映画に出会えた時の幸せがあるんだよね、ルリ子さん。