「都市伝説」シン・仮面ライダー U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
都市伝説
ライダーキックが超絶カッコイイ。
初見では「おお♪」と声をだしてしまった。
仮面ライダーの造形も大好き。
いちいち絵が決まるオリジナルのデザインに原作者のセンスを感じてしまう。
オープニングアクトが素晴らしく、改造人間とはどういう類のものなのか凄く伝わってくる。
規格外の力に翻弄され、生存本能が故に他者を駆逐する様が描かれていた。石森章太郎原作の陰惨たる空気感を作品全体からも感じられたように思う。
ただ…脚本が雑すぎないか?
編集もアングルも、映画ではなくまるでコミックに準拠してるような感じで…そもそも映画にする気がないのかとも思う。
「仮面ライダー」というタイトルは、今やファンタジーである。監督はファンタジーではなく、令和のこの今現在に、仮面ライダーを存在させたかったのかと思う。
どこかにショッカーという秘密結社があり
政府に特殊対策部隊があり
人知れず、組織と戦いその凶悪な野望を阻止し続けている仮面ライダーが、いると。
物語は脱走から始まる。
組織は刺客を次々と送り込む。
とてもとてもミニマムな世界観で描かれていく。
大々的な侵略戦争やテロをショッカーが起こす事はない。まだその前夜というか、決起にまでは至らないのかと思う。
そんなタイミングで、組織の秘密を知る人間が脱走するのは致命的だ。だから刺客を送る。
ほぼほぼ、その筋から離れない。
ショッカーが大量殺人をするような事もない。
水面下で粛々と牙を研ぎ世界への悪意を増幅させていく、悪の秘密結社ショッカー。
だから、誰もその存在を知らない。
ファンタジーではなくリアリズムを。
現実と紐付ける設定を。
2023年4月3日21時45分
コロナ対策が緩和され、新入社員達がカラオケボックスから、浮かれまくって大挙して出てくる今、現在も、仮面ライダーは、戦い続け、悪意ある野望を尽く粉砕していっているのだ、と。
監督はそんな仮面ライダーを撮りたかったのかもしれない。
強化スーツが洗濯できるとかは欲張りすぎた感もなくはない。
斎藤工の参戦は、シン・ウルトラマンとの関連を想起してしまう。滝と立花(オヤッサン)そう来るかーって感じではあったけどキャスティングは変えても良いように思う。