「一体、何を見せられているのだろう」シン・仮面ライダー 山の手ロックさんの映画レビュー(感想・評価)
一体、何を見せられているのだろう
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冒頭、バイクに乗った池松壮亮と浜辺美波が、ダンプカーに追走され、挟まれるシーンの疾走感には、これは面白いかもと期待させるものがあった。しかし、浜辺美波がクモオーグに捕まったところに、突然変身した仮面ライダーが現れ、血しぶきだらけの戦闘を経て助けたところに、父親の博士が現れ、聞き慣れない言葉を交えて仮面ライダー誕生の秘密を語るうちに、再びクモオーグが現れ、二人の目の前で博士が殺され…と観ていくうちに、一体、何を見せられているのだろうと思ってしまった。
あくまで仮面ライダーファン、特撮ファン向けに作られた作品なのだろうから、各種オーグメントのビジュアルや、プラーナ、ハビタットといった言葉や概念にも、面白がらなければ付いていけない。
役者陣が映画らしい魅力的な顔ぶれで、予告編やポスタービジュアルから、スタイリッシュな映像を期待していたのが、見込み違いというところか。
実際の主役である浜辺美波は可愛かった。池松壮亮は影が薄く、マスク越しの声が聞き取りづらい。仮面ライダー2号の柄本佑の方が声も通るし、キャラクター的にも面白みがある。
ラスト、死んだ二人の思いを継いで、バイクで橋を疾走する姿を空撮で捉えるカットは後味が良く、エンドロールの子門真人3連発は嬉しかった。
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