サムジンカンパニー1995のレビュー・感想・評価
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大企業による環境汚染の実話を喜劇化する韓国映画のバイタリティー
韓国で起きた工場排水汚染問題の実話に基づくストーリーで、登場するのが大企業の「サムジン電子」と聞き、サムスン電子のことかと早合点したが、正しくは斗山グループという日本ではあまり馴染のない複合企業体を構成する「斗山電子」が1991年に起こした事件に着想を得たという。
高卒の女性社員はどれだけ能力があろうが貢献しようが昇進できず、男性社員の補助とお茶くみしかさせてもらえない職場……とまあ、韓国に限らずかつての日本企業でも当たり前のように見られた光景(今でも?)。高卒組仲良しトリオのうちの1人が、自社工場がフェノールという汚染物質を大量に川に排出しているのを目撃し、上に報告するものの、検査結果の数値をごまかして隠蔽しようとしているらしい……というわけで、3人組は解雇の危険も顧みず、素人探偵よろしく真の検査データを見つけ出し、汚染問題の真犯人は誰かを探り、さらには裏で進行中の巨大な陰謀に迫っていく。
実話ベースということで、当然健康被害者も大勢出したと思われるが、それをコメディタッチで劇映画化してしまうのが韓国映画のバイタリティーか。日本で似たような企画を立てたとしても、主要人物の1人か2人はルックスの良い人気女優を起用し、恋愛要素も適当に足して若年層の動員を狙うマイルドな作風になりそうだが、本作は色気もほぼゼロ。そのぶん、彼女たちがひどく差別的な待遇に甘んじながらも本当に会社を大切に思っていて、内部告発によって会社を正し、誇りを持てる職場にするんだという熱い思いがしっかり伝わる。隠蔽の犯人探しも、二転三転どころか、四転も五転もして陰謀につながっていく物語構成がコテコテで、それがまた韓流らしさを醸している。
男女格差の是正がなかなか進まない今の日本で、不本意な境遇にありながらもがんばっている女性たちの励みになり、また男性たちの意識改革にも一役買ってくれることを大いに期待したい快作だ。
面白かった
・ショムニみたいな会社の末端が会社を救うみたいな話で面白かった。展開がややこしくて、水質検査を結局どこがやったのか、書類は結局ちゃんとあったのか、ポン部長は何であの眼鏡の子にあんなに肩入れしてたのか、どういう人だったのかとかあたりが何か理解が追い付かず混乱したけど、最終的にはハッピーエンドで良かった。
一言「なんじゃ、こりゃーーー!!」。
大企業「サムジンカンパニー」に勤める、高卒女子。
制服着用・仕事は好みのコーヒーを覚えるなど雑用ばかり。
そんな女子が、会社の工場が有害物質を流しているのを知ったらどうする?。
そんな三人組、「ショムニ」的話かなと思ったら。
これが斜め上を行くストーリー展開。
あちこちに犯人を見つけるヒントが撒かれていて。
それを見つけて、解決!。
かと思ったらまだまだ悪いやつがいて、それをずっと追いかける。
時にコミカルなんだけど、ちょっとシリアスで。
もう目が離せない。
企業の隠蔽工作をどう暴くか。もう探偵どころじゃない、秘密工作員か⁈。
そんな彼女たちと、それをバックアップする人。
たい焼きの尻尾最後まで餡が詰まっているような(例が・・・)。
こういうところ、韓国映画うまいんだよなあ。
圧巻。韓国映画は苦手な方におすすめです。わかりやすいので。
女子は元気でるよね❣️
会社の不正を告発するも、上層部の圧力に抑えつけられる。 良い人だと...
【”一寸の虫にも五分の魂” 大企業に属する高卒女子社員たちの、自社の水質汚染問題隠蔽や自社売却に対し立ち向かう姿に勇気を貰う作品。】
ー 1995年、ソウルに本社を置く大企業で雑用係に甘んじていた3人の高卒女子社員、イ(コ・アソン)、チョン(イ・ソム)、シム(パク・ヘス)は有能だが、高卒と言う理由で重要な仕事を任せてもらえない。
自社の工場が有害化学物質フェノールを雨の日に大量に川に流している事を知ったイたちは、事態の真相究明に乗り出すが、役員や彼らの息が掛かったモノ達の権謀術数に翻弄され、何度も心が折れかける。
それでも、3人は、不正究明を諦めなかった。
そして、明らかになった、矢鱈に簡単な英語を連発する社長主導の”Bear Hug"の実態・・。-
◆感想<Caution ! 内容に触れています。>
・1995年って、韓国では(日本でも??)あんなセクハラがまかり通っていたのかな・・。
妊娠したから、寿退社って・・。
・1995年と言えば、冒頭出てくるが、金泳三大統領が「グローバル元年」を提唱した年。
けれど、ソウルでは英語習得熱が高まっていた事は知らなかったなあ・・。
TOEIC600点で、「代理」に昇進って・・。
そもそも「代理」って、”主任”位なのかなあ・・。謎である。
・サムジンカンパニーと言う名前から、サム〇ン電子かと思ったら、違った。
けれど、汚水流出事件は、実話だそうである。
・心に響いたのは、真相究明に走り回る高卒女子社員イ、チョン、シムが、何度も挫折しかけながらも、不屈の根性と、高卒女子社員ネットワークで真相に迫るシーンである。
コミカル要素を交えながらも、ハラハラドキドキしながら、引き込まれたよ。
推理サスペンス要素タップリである。
<国際化が進む1995年の韓国大企業で、高卒女子社員が、自社の水質汚染問題隠蔽の真相究明に奔走する姿。
何度も挫折しながらも、不屈の根性と友情で、諦める事無く、真相に近づいていく姿。
そして、辿り着いた、更なる社員の事を何も考えていない矢鱈に簡単な英語を連発する、愚かしきトップが自ら”Bear Hug"を推し進めていた実態。
高卒女子社員イ、チョン、シムのラストの姿が、実に爽快で、格好良いと思った作品。
韓国映画は、重いテーマをコミカルに描く手法も長けていると思った作品でもある。>
一夜漬け逆襲劇。
個人的にはパク・ヘスが見れて満足なんだけど。最近の韓国映画としては、相当面白い部類に入る「お仕事エンターテイメント」だったと思うんですが、イケメンが主役じゃないと、こんなにも人が入らないのかと。何故にガラガラ?ウソでしょ?これ、結構オモロい!
企業の悪事隠蔽を告発する流れからの、企業乗っ取り阻止のストーリーは、部分部分は既視感はあるけれど、尺を気にせず楽しめたのは、女子三人の行動に強く共感してしまうからでしょうか。
「ご都合主義」と「世の中そんなに甘く無い」のシビアリティを混ぜこぜにした、韓国お得意の脚本なんでリアリティは二の次です。場面場面のカッコ良さが全て。
女子三人が活躍しているラストが清々しくて良かったけど、何にしても。もっと人、入っても良いと思います。他の韓国映画と比較してもw
やりすぎ感は有るが面白かった
1995年の韓国ソウルで、大企業サムジン電子に勤める高卒の女性社員たちは、すぐれた実務能力を持っていても、任されるのはお茶くみや書類整理など雑用やサポート業務ばかりだった。しかし、会社の新たな方針で、TOEIC600点を超えたら「代理」という肩書を与えられることになった。ジャヨンも英語を勉強して昇進を狙っている高卒女性社員のひとりだが、ある時、彼女は会社の工場からの汚染水が川に流出し魚が死んでるのを目撃した。その証拠を会社は隠ぺいしようとしていたが、ジャヨン、ユナ、ボラムを中心に、解雇の危険も顧みず、真相解明に奔走するという話。
誰が黒幕か、上司の誰を信じれば良いのか、なかなか面白かった。
あそこまで会社の命令に背いて正義を持って動ける人が多く居るのかは疑問だが、そこは事実に脚色を加えたところだろう。メガネのボラム役パク・ヘスが不思議女子のようで可愛かった。
思ったのと違ったけど。
ある意味斬新な映画
ジェンダー問題を扱ったストーリーかと思ってたらどんどん社会問題の方にシフトしていき、犯人は誰なのかというミステリー要素もあり、最後は勧善懲悪的に終わり、観ていて飽きずスカッとしました。
社会問題やジェンダーを扱っているけどコメディ要素もあり娯楽映画でもあり、ジェンダーや社会問題を扱う映画の進化系をみた気がします。
あとどうでもいいですが、酔った常務がバーで口に含んだ酒をグラスに戻すシーンがありますが、ああいうところがコメディに行きすぎず、リアルで映画が引き締まると思いました。
軽い
本当に1995年に撮った感じですかね。
やっぱり、いいなぁパク・ヘス
これはサム◯ン電子のことかなー?って思ったら、全く関係なかったです。(笑)似てるだけでした名前。でも、出来事は事実をベースにしているってことですね。それと、90年台の韓国企業内の女性の立ち位置、環境も描いてます。うまい具合に混ぜ合わせてますね。
今見れば、わぁ〜こんな扱いなのかぁ〜って思ってましたが、いやいや、バブル弾けるまでの日本だって(いや、今もあるのかな?)お茶汲み、コピー、小間遣いを女性がやっていました。思いっきりの既視感です。そんな女性たちが大志を達成するためのショムニなジャイキリストーリー。社会派っぽいのですが、いい塩梅でエンタメ性が濃くって良い意味で気楽に見れます。
結局、今でもニュースになる政界や企業の各問題は「隠蔽」や「偽造」が多いですよね。韓国はよく賄賂の話を聞きますから、日本よりひどいのかなぁ?なぁんて思っちゃいがちですが・・・いえいえ、我が国、いやいや世界的にルールを破らない程度に「隠蔽」「偽造」なんて蔓延っていると思いますよ。某国の元マリオ首相の「偽証答弁の件」なんて腰砕けますよね。本当に保身のため、金のためには人間はずる賢く慣れますよね。それを理解する=大人の対応・・・なんていうのでしょうが。ま、ふざけるな!!!ですよね。
そんな大人の対応だらけな世の中にドロップキックな映画です。日頃、さまざまな不条理にムカムカしている方はスカッとするんじゃないでしょうか?
ストーリーとしてはウルトラCもありつつも、そんなに「えぇぇ嘘〜ん」な展開ではないので最後までどうなるどうなる?って楽しめます。故に「地味め」に映るかもしれません。僕としては家内制手工業的なクライマックスではなく、もっとこう、ダイナミックなハゲタカっぽいエッセンスも入れて欲しかったなぁ。わかりますけどね、その展開は。しかし、ちょっとね感動展開に引っ張りすぎたような気がします。それと、この敵対構図は上手ですが、僕としては納得できませんねー、面白さが減ってる気がします。韓国の方々は喜ぶのかもしれませんが。
ですが、キャラクターそれぞれが立っていて、ちょっとした戦隊モノ。得意技で活躍する姿はスカッと感が重なっていきます。しっかりホロリもあります。そんな3人の中で締めてくれるのはパク・ヘスでしたね。「スウィング・キッズ」の名演が記憶に新しいのですが、いやいやこの役はこの方でBESTでしょうね。一番バラエティ感が必要な役柄ですから。
良作です。
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