「亡き妻の遺言を叶えるためイギリスに旅立つ主人公の物語。シンプルな話かと思ったのですが実はそうでも無いような気がして鑑賞後悶々とする状態が続いています。」コットンテール もりのいぶきさんの映画レビュー(感想・評価)
亡き妻の遺言を叶えるためイギリスに旅立つ主人公の物語。シンプルな話かと思ったのですが実はそうでも無いような気がして鑑賞後悶々とする状態が続いています。
予告やサイトの作品紹介を見て気になった作品です。
イギリス湖水地方。湖に散骨を希望した妻の願いを
叶えるため男は旅に出る。ふむ。
好みの作品かも と気になり鑑賞しました。
…のですが ・_・アレ?
ストーリーの大筋はシンプルらしいので、ならば話自体も
シンプルかと思ったのですが、違ってました。@_@
鑑賞後の時間が経過するほど、そして理解しようとすれば
するほど、分からない点・理解しにくい点が増えてしまい
単純に楽しめる作品では無いかもと途中で気付いた次第です。
鑑賞中~
スクリーンの中で起きている事は、理解できます。
まとめてみると、大体こんな感じかと。
# 妻に先立たれた男が主人公。
# 葬儀の日、住職から妻の遺言状を渡される。
# 中には「イギリスの湖に散骨して欲しい」との希望が。
# しばらく疎遠だった息子夫婦とイギリスに。
# 妻の記憶の中の湖をなんとか探し出し、無事に散骨。
# 主人公と息子との絆が、再び紡がれ始める。
うん。ここだけ読むと良い話な感じかも。 …けれど
そんな単純な展開ではなかった気がしています。・_・;
実際のストーリー展開は
「何故ここでこんな行動に走るのかなぁ」 と、
登場する人物の行動の動機付けが分かり辛く、話が進む
につれて積み重なっていく感じがしました。
背景や動機が分からなかった点を挙げてみると
・この夫婦はどこで出会ったのか。
・何がきっかけで知り合ったのか。
・謙三郎の小説がきっかけなのか。
・奥さんのウサギへの思い入れの理由は何か。
・謙三郎は小説を書き続けていたのか。
etc
結婚後はどうやって生活していたものやら。ましてや
息子が生まれてからの生活となると想像できません。
あ、もうひとつ。・_・;
冒頭の、タコへの執着理由も振り返ると「?」でした。
後の伏線になっているのかと思ったのですが、終わってみれば
そういう訳でも無く。・_・; タコへのこだわりの謎。
(万引きしたのは、金に不自由しているからなのか?)
そして、日本パートから英国パートへの繋がり。
イギリスの湖に散骨して欲しいとの遺言なのですが
そこまでの英国へのこだわる理由が、どうにも理解できません。
奥さんの側には昔家族で旅をした思い出があるようですが
散骨となると、どういう気持ちから願ったものなのか。う~ん。
・自分のアイデンティティは英国にあるわ とか
・もはや日本に未練が無くなったのよ とか
・ラビットをみんなで探しに行ってね とか
もしかすると、タイトルに深い意味があるのだろうか。
なぜ「コットンテール」というタイトルなのか。
「綿のお話 」? いや、「話」じゃなくて「しっぽ」?
「綿のしっぽ」? …うーん。
ここで思い立ち「コットンテール」 で検索。 すると
ピーターラビットのお話に登場するウサギの名前がヒット。
ピーターの三つ子の妹の末っ娘の名前らしい。
へえ…
もしかすると、ピーターラビットのお話を知らないと
この作品の奥にある「深い何か」に気付けないのかも。 うん。
きっとそう 誰かそうだと言って下さい…
脳が活動停止。 ×∇× ヒィ
※なにせ ピーターラビットのお話を殆ど知りません。
数年前に映画になってた作品がありましたがこれも未鑑賞…
と、いうわけで
この作品、鑑賞直後はそれなりに分かった気がしたのに
時間がたつほどに納得感が薄れていくという
とても困ったちゃんな作品なのでした。(現在進行形…)
他の方のレビューを拝見しにいこうかと思います 。
◇あれこれ
■VFX
エンドロールにVFXの単語が出ていました。
この作品のどこにVFX映像が? と思っていたのですが
もしかしたら、最後の場面の「うさぎ」なのでしょうか。
(本物のウサギを使ったものと思っていましたが… はて)
■謙三郎
という名前について。
兄弟がいるような感じでは無かったと思うのですが
一般的には「三男」を意味する「三郎」。兄弟はいるの?
もしかしたら、大江健三郎から名前を引っ張ったのかなぁ
そんな事を想像しました。
(日英合作だったので、日本人の作家として有名かな? と)
■うさぎ
” ピーターラビット ”は、名前を知っている程度で、どんな内容
のお話なのかは分かっておりません。
(皿やカップの絵柄になっている印象くらいかなぁ)
うさぎ自体は、昔話や童話に良く登場する気がします。
・不思議の国のアリス
(パーティーに遅刻しそうなウサギ) 急げ急げ
・ウサギとカメ
(昼寝してしまい競争に負ける教訓ウサギ) ZZz
・カチカチ山
(お婆さんの敵討ちで狸に火をつけるウサギ) うーむ
・因幡の白ウサギ
(ワニを騙そうとして皮を剥がれるウサギ) きゃー
・セーラームーン
(月に代わってお仕置きするウサギ) お団子アタマ
※昔話でも童話でも無いけど まあいいか ・_・;
良い役も悪役も、どちらもありますね。
それだけ暮らしに身近な動物ということなのでしょうか。
◇最後に(妄想編)
英国と日本を舞台にしたこの作品。
イギリスの湖に帰りたい妻。
自己中心でタコを万引きする夫。
タイトルは「コットンテール」。
キーワードは「ピーターラビット」。
そうか このお話は
「コットンテール」が「ピーターラビット」の世界から日
本に異世界転生し、明子として生まれ変わる。
そこで出会った謙三郎と恋に落ちる話ではないのか。
謙三郎も「万引き家族」の世界から抜け出してこの世界に転生。
なぜか日本で出会った明子を愛してしまう。
前世の記憶が戻った明子。元の世界に帰るために英国の湖水地方
に散骨して欲しいと希望。(きっと違う)
哀しみと郷愁の余りに万引きせずにはいられない謙三郎。(涙)
って こんなのどうでしょう … うーん 怒られそうな気が…。
◇最後に(本物)
本人を知っている訳ではないので想像するしかないですが
実際に家族に謙三郎(リリー・フランキー)がいたら、かなり
鬱陶しい毎日だろうなぁ と。(褒めてます)
それくらい、リリー・フランキーに存在感がありました。
主人公は彼しか居ないだろうなという気がします。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
こんにちは。
おもしろいレビュー、するするサクサク読みました😊
クセ強い兼三郎でしたね。明子にとっては長男のようだったかもなぁ、と思います。
そしてその妻が大大大好きな夫。
なんだかリリーさんぴったり!でしたね。
共感ありがとうございました。もりのいぶきさんの妄想が面白過ぎです。色々んん?となりますよね。2人は多分お節介な友人が引き合わせたんだろうと思いましたが、初対面の初デートが寿司屋は無いですよね。他にもちょっとおかしなところがあって、脚本の詰めが甘いんだろうなと感じました。でもキャスティングは凄く合っていると思いましたし出演者の演技も良かったです。
こんばんは♪
複数のハテナ??私も同じように感じました。
ヨーロッパで「コットンテール」とは、広い意味で「ウサギ」を意味するのだそうです。
監督も、ピーターラビットの妹という固有名詞ではなく、言葉として美しいから付けたと仰っている記事を読みました。
そしてヨーロッパでウサギって
「再生の象徴」と言われているんですって。
それをトシの奥さん=女性が最初に見つける。。ってのもポイントかな?って思いました。
若き日の2人のお寿司屋さんのシーン。明子さん「はじめまして」って言っていたような??
誰かの紹介?で、あれが初めて2人が出会ったって事なのかな?って解釈してました。そして兼三郎が一目惚れして結婚した?
兼三郎は作家を挫折し英語教師になり、細々と暮らしていたが、明子の介護が大変で無職になった?
だけど、ど〜してもタコパクがわかりません('◉⌓◉’)
明子さんのイギリスへのこだわりは、自身の幼少期の家族との楽しい思い出が、あの湖で過ごした頃だけだったのかな?厳格な父はあの時だけは楽しそうだったとか言ってたよ〜な??
夫と息子はお互い不器用でコミニュケーションが取れていない。一緒に旅させる事で関係を再生して欲しいという最後の願いだったのかな?とかとか、私は脳内変換して観ていました。
だけど、仰るように、シンプルなお話しに感じたけど、色々後からんん??ってなりますよねw
長々とすみません。
個人的な感想で的外れだったらごめんなさいm(__)m
リリーさん&多江さん
「ぐるりのこと」とかぶりました。
私のレビューをお読み頂いているので、私の考えはあの通りです。
二人の寿司屋の出会いが謎?
ショートケーキは明子が好きだった?
タコは、最初売ってくれといっていたので金が無いわけではなく、売ってもらえなかったから万引き。タコへの執着理由は不明?(最初の出会いで寿司屋でタコ食べてた?)
あとはレビューに書いたようにイギリスへの思い込み等の掘り下げが不足だと思います。
共感ありがとうございます。
ショートケーキだけは何かの伏線だろうと思いましたが・・ピーターラビットは駆除寸前でビビるウサギの話で、結構乱暴な感じです。実写映画(未見)では対決モノみたいでしたが、続編(未見)も有る!