「現代社会への勇気ある問題提起」隔たる世界の2人 カイトさんの映画レビュー(感想・評価)
現代社会への勇気ある問題提起
クリックして本文を読む
1人の黒人男性が一夜を共にした女性宅を出ると警官に詰め寄られ、不条理に殺害される。死後、目を覚ますと同じ日にループしてしまうという強いテーマ性とSFがかけ合わさった本作。
全編を通してアメリカ社会に根深く残る人種差別に対してダイレクトにメッセージを
残していると感じた。
何をどうしても殺されてしまう主人公の苦悩の末に導かれた対話という答えに現代社会の課題アプローチとして納得感のあるものだと感じだが、現実はそれほど甘くなかった。
主人公がただ家に帰りたいだけなのに対して相手はただ殺したいだけというひどくシンプルで救いようのない構図でアメリカ社会に蔓延る差別意識の根深さを鮮明に表していると感じた。
最後の主人公の意地でも家に帰るという意思表示はこれまで虐げられてきた人々の狼煙と捉えることができ、結末は現実に託すという作品のスタンスに思わず唸った。
コメントする