「乙骨のオリジン」劇場版 呪術廻戦 0 葵須さんの映画レビュー(感想・評価)
乙骨のオリジン
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乙骨は当初人に迷惑をかけてしまう力により、自殺したかった。しかし五条悟により一人は寂しいということに気づかされる。そうして呪術高専に入学することになったが、真希との会話で周りに迷惑をかけたくないという受身的な姿勢では駄目で、自分から周りを一杯助けていったら、自信とか人脈とかはついてくるということを諭される。そして仲間を傷つける夏油との戦いを経て、皆を守るためから、皆の敵を殺すに変化していく。その一貫して周りとのやりとりを通して少しずつ前進していくストーリー性がよい。登場キャラには狗巻棘も同じように自分の過去にその力で苦しんでいるし、真希は逆に何も力がないことで苦しんでいる。こういう設定は、今何かに苦しんでいる視聴者を勇気づけるものだと思う。
見どころは乙骨が覚醒した後の夏油とのタイマン戦闘シーン。ここで作画に力が入る。刀とヌンチャクによる格闘戦に始まり、最後は能力を使ったそれぞれの最高の技を使った攻撃のぶつかりあいとなる。
ウィークポイントは、乙骨は天才肌過ぎて戦闘レベルの急上昇に少しレベル上がり過ぎではないかと思ってしまうところ、乙骨の人間臭さから離れた殺す宣言やニュートラルにリカちゃんをあやつりだすところに若干のサイコパスさが見えるところ(夏油からも自己中と言われているように、そういうキャラなのかもしれないが)。もう一つは乙骨の声の演技が緒方恵美によるものなのだが、エヴァのシンジと変わらない演技に感じられ、見る前の乙骨への印象がもう少し感情表現の少ない伏黒恵的な性格を予想していたために少し違和感を感じたところだ。あと、劇中曲の『一途』がかっこ良かった。
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