「純愛」劇場版 呪術廻戦 0 ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
純愛
原作が連載開始当初から読んでおり、独特な画風に容赦の無いストーリー、呪術や呪具を用いたアクションの見応えの良さに惹かれました。前日譚である0巻は発売と同時に読み、1巻完結でありながらとても読み応えのあるストーリー構成に、呪霊の個性的なデザイン、夏油傑の圧倒的カリスマ感、狗巻棘が現在の虎杖にそっくりなのもまた面白いなと思い何度も繰り返し読んでいました。2020年からはアニメ版の放送が始まり、とんでもないクオリティの映像を繰り広げるMAPPAが担当しているのもあり、最初からフルスロットルなアニメーションに毎週毎週興奮していました。
そんな1期の終了後発表された0巻の映画化、2期への物語にも繋がっていくので何らかの形でアニメ化すると良いのになと思っていましたが、映画にするには丁度いいボリュームだなと公開日まで楽しみに待っていました。
基本的には0巻に忠実な作りで、高専への転入から百鬼夜行までがしっかり描かれます。今作が漫画からアニメになったことによって良いなと思ったのは不気味さが増していたいう点です。元より原作の筆圧が凄いのもあって、冒頭のロッカーに敷き詰められるシーンに狂気を感じていたのですが、声がついて血が流れて崩壊した顔面を見るとその狂気さが強くなっていてゾワゾワしました。
アニメ版からスクリーン用に画角が広がったと監督さんが仰られていたのもあって、とにかくど迫力な戦闘シーンが楽しめます。真希さんの華麗な体術で呪霊を切り裂いていくシーンからグッと心掴まれましたし、棘の呪言の威力もスクリーン越しにビシビシ伝わってきましたし、パンダもゴリラ核が発動し、ドラミングビートまで披露してくれて、ぐわんぐわんと動きまくるカメラワークに気持ちは昂っていきました。勿論夏油の体術と呪術の両立の圧倒的強者感が最高でした。こんなに魅力的な敵なので、憂太との対峙のシーンはとにかく鳥肌が立ちまくるほど興奮していました。憂太の最高にキレッキレの動きからの普段の声とは全然違う圧のある声に惚れ惚れしてしまいました。原作をすでに読破済みなのにまだまだ新鮮な感覚を味わえる、アニメとしての良さがとても良く出ていたファンとしては大満足です。
0巻では描かれていなかった呪術師たちの戦闘シーンがヌルヌルと動くアニメーションで展開されているのが素晴らしかったです。京都校組に、ナナミン、猪野くん、冥さんが呪霊をぶっ倒すファンサービスが最高です。忠実に再現しつつもまだ見ぬシーンを追加してくれたことに感謝です。
里香の描写も素敵で、残酷な死から呪霊として憂太と一緒にいた時間、美しき純愛が織りなすストーリーが最後に向かっていくごとにこっちまで手に汗握るような展開で、「一緒にいた6年間の方が好き」「こっちにまだきちゃダメだよ?」と花澤香菜さんの可愛らしい声も合わさって、原作で見てきたセリフなのに、また違った感動が生まれました。
エンドロール後に原作本編33話での扉絵のようにミゲルと一緒にいる憂太が映され、五条先生がやってきて…という2期に繋がるような終わり方でした。この描写が見れて本当に嬉しい!
製作陣の呪術廻戦への愛がひしひしと伝わる作品でした!105分駆け抜けるように過ぎて行き、0巻を最初に読んだ時の感動を再び掘り起こしてくれたのが今作でした。やはり呪術廻戦は面白い…!唯一の懸念点としては壮大な音楽を使いすぎて序盤まではくどいなと思ってしまったところです。あとエヴァを完全に意識してるなーというセリフがあって、思わず吹き出してしまいました。
King Gnuの主題歌も2曲構成という豪華さで、「一途」はメロディこそとてつもなく早い曲ですが、歌詞に憂太の心情が盛り込まれまくっていて気分も最高潮でした。
公開されたてなのもあって劇場が大混雑していますが、もう一度観に行こうかなと思います。原作ファンなら必見!基礎知識なしでも楽しめる快作!
鑑賞日 12/23
鑑賞時間 24:00〜25:45
座席 R-33