「思春期ってやつは…」うみべの女の子 mvlvさんの映画レビュー(感想・評価)
思春期ってやつは…
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猿のように交わる中学生。そこに愛はなく、その瞬間にだけは相手に求められているという生身の欲求を感じ、自分の存在感を確かめるかのような性欲の発散行為である。
普通の女の子だった主人公、悪い先輩に憧れてしまったが為に嫌なことをされ、その記憶の上書きをするかのように前に自分を好きだと言った男の子と深い仲になっていく。お互いの体だけを求め合う関係性も初めは居心地が良かったが、感情は思うようにコントロール出来ず、嫉妬からすれ違いを生じ疎遠になってしまうが、自分の気持ちに気がついてしまった彼女の想いはもう止められなくなっていた。一方、相手の男の子も過去の呪いの決着をつける時が近づいていた。
と、記憶を整理しつつクライマックス前まであらすじを書いてみたが、このストーリーはあって無いようなものだと思う。特別な夢を描くことも許され無い田舎の中学生が思春期に何か生きている証を残そうともがきながら多感なこの時期を乗り越える成長の記録である。多くの人が経験し、通過してきた、この世にいくつもあるストーリーのひとつである。
結局、友達と同じ高校に進学した女の子と多分ある場所に行っているであろう男の子も、その後は日常の景色の一部となって人生を送るのであろう。
特別なような普通なような、今時の田舎の中学生の記録映画でした。
そうそう、死のうと思っていた男の子、ある出会いをきっかけにコロッと考えを改める訳だが、男などそんなもんである。
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