先生、私の隣に座っていただけませんか?のレビュー・感想・評価
全50件中、1~20件目を表示
サスペンス風修羅場コメディ
漫画家夫婦の妻が夫の浮気に気付き、不倫を題材にした漫画のネームを彼が読むよう仕向けて心理戦を展開する。
「信頼できない語り手」佐和子に、ネームという通常ならフィクションが描き出されることが多いツールを操らせることで、見事に観客を翻弄してくれる。
佐和子の自動車教習所での体験は、連載漫画を想定したネームによって語られる体裁だ。だが、リアルタイムで彼女が教習所に通っていることに加え、第1話に描かれた夫の浮気が事実であるため、俊夫にとっては佐和子の浮気描写が俄然真実味を帯びてくる。
そこから俊夫の、自分のやらかしたことを棚にあげたような疑心暗鬼と足掻きが始まる。
現実に起こっている事の描写と、(ほぼ現実通りであるかのように描かれた)佐和子のネームの内容の描写が交互に繰り返されるうち、「ネームの部分は嘘かも?」という気がしてくる。
新谷先生との浮気話は嘘かなと最初思い、さらに見ているうちに、そもそも新谷先生は実在するのか?いやそもそも俊夫の浮気まで込みで全部漫画でしたって夢オチ的顛末?などと、だまし絵を見せられているような感覚に陥る。
終盤でちゃんと話が出来ました元鞘に戻りますといった雰囲気になり、二人並んで佐和子のネームを原稿に仕上げ出したところで、不穏な違和感に襲われた。浮気相手の千佳の清算が出来てないのに、この空気感はあり得ないでしょ。
でもエンディングの雰囲気が漂っていたせいか、後列のお客さんが一人ここで退席した。
その後の、ラスト数分の展開が本作のキモだった。やっぱり無聊をかこって妻の仕事相手と浮気して、話し合いも出来ないような夫は許されないよね!よかったよかった。
出ていったお客さん、作品の結論を誤解してそうだなあ。
佐和子が、疑念に対して相手をすぐダイレクトに問いたださないのは母親譲りかも知れない。俊夫と千佳が2階でキャッキャウフフしていた時、黙ってテレビを消した母の後ろ姿の恐ろしさ。
佐和子がしばらく帰って来なかった時も本人の携帯に連絡したり通報したりせずおっとりしていたが、もしかして早い段階から俊夫の不倫や佐和子の決心を察していてあの態度だったのか?ちょっと怖い。
よく考えると佐和子の復讐は陰湿だし俊夫は甲斐性がないし、不倫相手は仕事関係だしでなかなかドロドロしそうなシチュエーションだ。
それが、漫画のページをめくるようなサクサクした話運びと、柄本佑の飄々として憎めない雰囲気とくすりと笑わせる演技、浮気者に鉄槌が下る結末によって全く胃もたれしない軽さが生まれ、メンタルに負担のない娯楽作になっている。
静かに優しい復讐を
漫画家の女性が、夫の不倫の漫画を描き、そして自分は教習場の若い先生と心を通わせる・・・という復讐劇。
主演の女優さんの演技のせいか復讐はとても静かに描かれる。
むしろ、そこに不倫なんて無かったかのように。
漫画の世界と現実の世界で、真実はどこにあるのか分からなくなる不安定さ、地に足のついてない浮遊感にドキドキしっぱなしだった。
浮気はしてないよ、と振舞う漫画家の妻
自身の罪を告げ、許されたと思う夫。
このまま終わるのは無難すぎるなぁ・・・と思ってみてたけど、でも、ラストは予想通りの展開で満足でした。
最後の最後に妻が夫に残したものに、優しさを感じずにはいられない。
こういう復讐は新しいなぁ~
先生がカギを握る
タイトルだけ見ると恋愛映画のようなものかなと思っていたけど、ミステリースリラー色が強い恋愛映画なのか?という感じ。
夫の不倫から始まり、妻は嘘か本当かわからない漫画を描き始める。
回想を入れてくるのでさらに惑わされる。回想のシーンが一番恋愛っぽくてワクワクして楽しい。金子大地が車校の教官不倫相手なキャスティングも絶妙にハマっていて好きだった。漫画をこっそり読んで、勝手に翻弄されていく夫の様子がとても面白い。見ている側も翻弄されていく感覚。
妻の不倫相手が家に来たときはそわそわ何が起こるんだろうという感じ
出会った当時は、もとは夫のほうが漫画家、「先生」だったとわかる。
今まで書いていた不倫漫画もフィクションであり、復讐のためにやったことだと明かす。
映画タイトルの「先生」は、夫のことだったのか~!と思わせといて、
最後、妻は消えていて、やっぱりあの漫画はノンフィクションだったとわかったとき、妻まじか....そっちかよ!って裏切られる。
それだけで終わるわけではなく、最後編集者の人が来て、「先生」としては今でも尊敬してることがわかる終わり方で。「夫」としての彼は捨てたけど。
最後の最後まで面白いストーリーでした。雰囲気も好き。
黒木華のあの謎めいたしたたかな感じがぴったり。
三本の指に入るくらいには好きな作品です。
大いに笑える前半と巧妙に仕組まれた脚本
前半は柄本佑演じる夫の俊夫の狼狽えっぷりにとにかく笑った。へたなコメディなんかよりよっぽど笑った。
事実だからこそ妻の佐和子に問えないギリギリ感が絶妙なのである。自分は浮気をしているのに妻の「疑惑」に対して慌てる覚悟のなさも面白い。
佐和子が書く漫画と現実がクロスしていく中盤以後の展開もいい。映画ならではの表現といえる。
漫画の内容が実際の人物に置き換わっていく始まりから、徐々にその境界は曖昧になっていく。後半はもう事実なのか漫画なのか判別が出来ないほどに。
漫画の内容が事実だとは誰も一言も言っていない。最後までフィクションかどうか書いている佐和子以外には分からない。
この事実はエンディングを面白くする。つまり、私達が見た、佐和子が教習所の先生と出ていってしまうラストは漫画の内容でしかないかもしれないのだ。
どこまでが現実で、どこからがフィクションかもしれない漫画なのか分からない。最後までずっと現実なのかもしれないし、最初からずっと漫画なのかもしれない。そんな現実と虚構が入り混じった脚本は巧妙。
もう何年も漫画を書いていない俊夫に対して、尊敬しているからこそ作画を任せ復帰させたいという俊夫に対する愛情かもしれないし、出ていったあとの自分を強制的に見せることで苦しみを与えようとする復讐なのかもしれない。
どちらともとれる物語は、タイトルになっている「先生」が本当は誰を指すのかで変わってくるが、これまた曖昧なままだ。
結局、答えのないラストに向けて観ている私達も翻弄されたわけだが、そこが面白い。
俊夫を演じた柄本佑の慌てぶりは最高。
佐和子を演じた黒木華の、明らかに現実であるパートでの感情が読めない演技もいい。
何か不満を抱えていることは確かだが、その原因が浮気によるものなのか漫画を書かないことなのか定かではない不穏さが絶妙。
まあ普通に考えたら浮気が理由だろうが、たとえ僅かだとしても絶対にそうだと言い切れないところがいい。
凄く好きな作品のはずだった
不倫は許さなくていいと思っているので、最後の終わり方が嫌いなわけではないんだけど
その直前に佐和子ちゃんの見事な復讐と、
感動できなくなった夫の心を動かし(しかも自分に対してというのがまた良い)再び「先生」にしたことへ夫に対する揺るがない愛を感じて、感激、すっきり、最高と思っていたので
最後の最後にまた主人公の気持ちが見えなくなってしまったように感じた。
このお話だと、私は↑ここで終わっていた方が好きだった。そうだったらかなり好きだった。
主人公も結局不倫していたのでは、何だか復讐の意味が軽くなってしまう気がする。
許さない決断をするのであれば、もうすっぱり関係を断つ方が良かった。再びペンを握らせてから終わりにする→自分の爪痕を永遠に残してやるという風に捉えられた。
これからもFAXのやり取りで共同の作品を作っていくというのが、主人公が何を求めているのか分からない。引き続きメガネのお兄さんとの関係を見せつけて復讐継続ということなのか…それとも、やっぱり先生としての夫への尊敬や愛情からの複雑な行動なのか。
恐ろしくもあり、面白かった
漫画で見せていくという新たな手法、演出が面白かった。
そしてラストは「不倫の恨みは深い」と改めて思いました。
徹底的にやってやったんだなと。
教習所の先生との出来事はフェイクで、旦那を許して終わるんかと思いましたが、見事に騙されました。
不倫してる事実を問い詰め…というよくあるそれではなく、新たな方法での復讐。徹底的に。
恐ろしいなとも思いましたが、それくらいの恨みなんですよね。
ちょっと想像と違っていた
終盤まできて、なんだかもっとスリリングなの期待してしまっていたなぁとほのぼのとした展開に飽きがきてしまっているとき、最後にちょっと刺激的な展開きた。けど、全体評価がひっくり返るほどのものじゃなかったなぁという感じだった。不倫ものなのにどこか爽やかさを感じてしまう作品。それはそれでなかなか珍しさはあるんだけれど、個人的には昼ドラのようなドロドロした内容の方が観たかった。しかもそれを黒木華さんがやってたら面白い映像だったんじゃないかと勝手な妄想をしてしまう。
インスパイア
ネタ的にはとても面白い。
ラストなんかは飛び上がる程、驚く。
ただ…映像的には食い足りなく、韓国でリメイクしてくんないかなあ。記憶に残る名作になるかもしれない。
ラスト以降の時間軸を思うと地獄絵図しか思い浮かばず…漫画家であるからこその復讐の仕方に唸るし、こんなにも業が深いのかと身の毛がよだつ。
最後まで見てよかった。
2次元と3次元、空想と現実を行ったりきたりする構成も面白くて、このシーン、このカットは果たしてどちら側の話なのだろうかと推察しながら見る事になる。
騙されないぞと思いながらも騙してほしいと期待するような感覚。
話の展開は好きだったのだけど…演出が好みに合わなかった。もっとなんか色々とエピソードぶっ込んで、掻き乱して欲しかったなぁ。
黒木華さんがとてもあどけない外見で…その内面との差に恐れ慄くのだけれど、まぁ女性側から見たら会心の一撃でもあるのだろう。
毎回送られてくるネーム。
メシの種で、描くのが仕事ではあるけれど、想像を絶する程の罰だなぁ…怖い怖い。
脚本構成が面白い
「ブラックスワン」系の構成。
漫画家さんとのコラボと聞いて商業色強めな各企業のPR映画だと思っていましたが、視聴すると驚くほどちゃんと面白かった。
脚本だけが面白いわけでもなく、照明の使い方、映像の撮り方も意味を持たせた丁寧な作品。
ゴーンガール
漫画というアイテムを最大限にうまく取り入れた作品。漫画の内容がどこまで真実なのかあえて最後までわからないようにしてるのもお見事。
自分の浮気を漫画のネームを使って告白する夫に妻は今更遅すぎると言い放つ。しかし、その場を立ち去ろうとする夫に仕事のパートナーとしてそばにいて欲しいという妻。ここで映画の題名の意味がはじめてわかる。
安易に夫を許さず微妙に距離を置いておく妻。夫は時がたてば元さやに戻れると淡い期待を抱き、観客もこれがいい落としどころかなと納得する。
しかし、本当の結末はそうはいかなかった。そもそもここまでの展開で納得というのがまさに落とし穴だった。妻はいずれ時間がたてば許してくれるだろうなどと、今の時代はそんなに甘くないよとこの作品は述べている。
本作の夫婦は元々漫画家である夫に妻がアシスタントとしてついていた。それが今は立場が逆転している状態なのが本作のみそ。すなわち社会における男女の地位の逆転を示唆している。
女性の地位が向上した現代で淡い期待を抱くなよという最後の痛烈なメッセージが男たちには突き刺さるのだ。
いやあ、お見事!
これぞ復讐
自身の不倫の漫画をとしお先生に漫画を描かせることで本当の復讐になったんだなと思いました。
としお先生としては仕事はできたけど、複雑な気持ちだよね。
そう思わせるのが本当の復讐なのかもしれない。
現実の漫画の世界を上手くリンクした作品
何だろぉ~なぁ〜笑面白いと言われればそうだし怖いなぁ~っと言われれば怖いし😱私は、まだまだピチピチの19歳大人でも子供でもないが、浮気・不倫は、人間の中で1番恐ろしいじゃ無いかと思う位に興味がそそられる作品でした。笑まず、奈緒さんが大抜擢すぎる役柄過ぎて可愛い通り越してエロい笑マジで、編集部の人間と駆け落ちして不倫って本当にあるんってぐらいに恐ろしいと言うかまず、漫画家通しの結婚って存在するのかなって疑問ではありました。後教習所の先生がここまで恋愛に発展しますかね笑笑
なんか凄い作品観たな~最初から佐和子先生は、許してないと言うかずっとずっと復讐するためにこの漫画のネームを作って考えてたんかな笑怖すぎやろぉ⁉️
いやそりゃさ不倫してたのを告白しなかったとしおさんも悪いけどさ、ここまでするかね笑お母さんもあの重い空気によく平然を装い(?)娘の不倫許せるなぁ笑恐ろしい親子😱てかてかとしおさんもさ自分がまず不倫しちゃったんだから必要以上に佐和子さん追いかけ無くて良くない?世のクズ男共は、こうも気持ち悪いんですかぁ!って言いたくなるは、自分が愛して結婚した相手とちゃうかぁ!言いたなるは😅
この映画のカメラワークが素晴らしいかったです。
ミラー越しに人を写す演出やなんといってもこの漫画家といテーマを崩す事無くストーリーに織り交ぜたのは、圧巻ですね。現実か妄想かこれは、佐和子の夢か、はたまたとしおの空想か、ネームという漫画の途中段階が全てを完成させるキーパーツになるとは、、って感じで上手いなぁ〜って思いました。
約2時間でしたが、飽きずに観れました。ダメ夫ダメ妻に見せるとこれどうなるんだろうね笑
是非ご覧下さい。笑 奈緒さん今後も活躍応援してます!
斬新な設定 深彫はない
作中の漫画を通して現実に起きる出来事を、夫がいなかった時や、妻の心の描写まで知っていくが、それがフィクションなのか分からないという、ミスリードてんこ盛りな映画で能動的に見れました。
ザッツ・エンタテインメント的映画でした。映像や演技も超一級品で素晴らしかったです。
ただ脚本に重きを置きすぎる反面、各キャラクターの深彫はできてないというか、あくまで作品のためのキャラクターという印象が強かったです。そのためリアリティはほぼないです。ラストで妻を除く登場人物全員で食事をする場面は、引くぐらい予定調和でした。
浮気男への復讐劇だとどうしても「ゴーン・ガール」と比べてしまいました。
話としてはあちらの方がエンターテイメント映画として秀逸だったかなと感じました。
どれが漫画の中でどれが事実なのか
クライマックスで何度か泣いたけど、あれ?これは漫画の中の出来事だった…と疲れました。
最後許されて円満なのかと思って見てたら…恐ろしやでした。でもなんだかんだで旦那も仕事が手に入り、不倫相手が編集者でそばにいて、奥さんにも新しい彼氏がっていうある意味ハッピーエンドなのかもと思いました。
静かにストーリーは進んで行くけど、心の中の動きが伝わってきて面白かったです。
編集者の行動が意味不明すぎ
評判が良かったので、視聴。
評価の高さは、「悪が制裁される」からでしょうか。
でもどうにも乗れませんでした。
編集者は結局何をどうしたいのかが見えなかったので、違う方向性のオチだろうと思っていたんです。
結局、ただ厚かましく変な性格なだけだったってことでしょうか?
あまりにも「度胸が据わってる」ため、不倫は、実は現実ではないのだと勘違いしながら見てしまいました。
「編集長には経緯をすべて話している」ことから、編集者にもなんらかの制裁は下るでしょうし、現実にリンクしたストーリー……妻が浮気相手と幸せに暮らしている……を作画する羽目になった夫はザマミロなはずなんですが、編集者の性格がイマイチよくわからなかったため、見終わったあと「???」で、全然スッキリしませんでした。
母親の態度にあった違和感は回収できたんですけど、編集者の行動がさっぱりわからない。
見直したら、納得できるんでしょうか?
それにしても、金子大地君は、なぜにこうも年上キラー役なんでしょう(笑)
漫画の内容は、リアルか虚構か
予告編を観てから、配信を楽しみにしていた。
期待以上の面白さ❣️
妻は不倫に気付いているのか、教習所の夫と浮気しているのか、うろたえる夫に柄本佑がどハマり。妻演じる黒木華 の意味深な表情。
漫画と現実をシンクロさせた仕掛けが面白い。どこまでが漫画なのか、リアルなのか、夫と一緒に視聴者も騙される。
⚠️以下、結末のネタバレがあるので、未視聴の方は読まないで下さい⚠️
妻は夫の裏切りを許さなかった。
夫に嫉妬させたのも、夫を許すように見えたのも全ては復讐のため。
夫はこれからも妻が他の夫と幸せになるネームを見せられ、妻の才能を見せつけられながら、生活のために漫画を描きつづける。浮気相手の編集(罪の証)と共に仕事を強いられる。復讐はこれからも続く。
否認は罪深い
認めて謝るのがせめてもの償いなのに、、
妻からすれば否認してる犯罪者と一緒
自分を守ることだけで反省もないと見なす訳です
そう、もう遅いんですよ、、
女の人って特になのかな
プツンと切れたら切れたまま
不可逆なんです
佐和子だからこれができるのであって
現実ではプツンしたまま腹の底は隠したまま
暮らしている妻たちがいますね、、
最後は佐和子の仕上げ、夫にペン入れさせておだてて
夫の目が覚めるとそんな平和な世界は戻ってこないと知る
逃げられない連載と妻が定期的に送ってくる
幸せであろう2人の目を背けられないペン入れをするという禊ぎ
先生を連れて帰ってきた佐和子に何も言わず
お母さんが娘の味方なのがよくわかった
不倫しておいて妻の不倫の心配を不倫相手に話すデリカシーのなさ
そりゃ電話切るわ
全50件中、1~20件目を表示