クローブヒッチ・キラーのレビュー・感想・評価
全29件中、1~20件目を表示
青年期ならではの心理模様が活きた出色のミステリー
予期せぬ拾い物などと言うと作り手に失礼だろうか。国際的な映画賞だとか興行的ヒットに恵まれているわけでもないのに、本作はしっとり落ち着いた中に抜きんでた視座と語り口を持つ。これが単なる怖がらせ系のホラーならば殺人犯の凶行をそのまま描けば良いわけだが、しかし物語の舞台となるのは、少し目線に変化球を加えた、かつて連続殺人が起こった”10年後”。教会を中心として惨劇の記憶を乗り越えてきた小さな街で、一人の青年が日常のふとした糸口から思いがけない疑心へと陥っていく。いまだ逮捕されぬままの殺人犯をめぐるミステリーでありながら、風変わりな少女とのボーイ・ミーツ・ガール的な側面を持ち、そして何より重要なのは、年頃の主人公が親から精神的に巣立っていく心理模様が寓話的に活かされている点だろう。『コップ・カー』『スパイダーマン・ホームカミング』の脚本家クリストファー・フォードの筆致や役者陣の演技も秀逸な作品だ。
抑揚がないな
悪くはないんだが盛り上がりというか見せ場というか、おおーっとなる瞬間がなくて心に残らない。忘れた頃にあ、これ見てないわとまた見ちゃうタイプの映画な気がする。そして何だよ見たよとなって見るたびに腹が立ってだんだん嫌いになってしまう。チャーリー・プラマーくんの薄ぼんやりした演技は最高。それに比べてお父さん役が何とも中途半端。最後説得する場面に深みがないんだよ。ホントに無実の人の演技しちゃってるでしょ、違う違うあなたはやってんのよ、それを押し隠してやってないかのように息子を説得する。これホアキン・フェニックスとかディカプリオだったら余裕でできるでしょ。三流役者しかキャストできなかった制作陣にも非があるね。
地味たけど盛り上がる
映画を観る速度にレビューが追いついていなくて本作も観たのは少し前だ。なので細部を忘れてしまい語れないのが残念だが、面白かったことは間違いない。
特に終盤の、扉の向こうからタイラーが登場するところからはかなり面白い。
こんな感じに展開するかなという予想をほんの少しずらしてくるところがいい。ありがちで退屈な展開をギリギリでかわす。本当に映画をよく観る人には斬新に見えることだろう。
タイラーを演じたチャーリー・プラマーが良かったね。何かに憂いている雰囲気がいい。
「荒野にて」と似たような演技ではあったけれど、タイラーという役には合っていた。
あとは、捜査について書いているレビューがチラホラあるけれど、アメリカ南部の田舎町の警察がまともに捜査なんかするわけない。
非白人は一人もいなくて、キリスト教徒じゃないたけで迫害じみたことをするような地域だよ?
クローブヒッチキラーはどう考えても地元民だが、地元警察はそうは考えない。町にそんな残虐な殺人者など存在するわけがない、他所からきた流れ者の犯行に違いないと考える。だからまともに捜査なんかしない。
最後に被害にあった女性は警察に行っただろうが、それはクローブヒッチキラーだね、もう町にはいないから大丈夫、命が助かって良かったね、ハイ終わり。こんなものだろう。
もっと極端に言ってしまえば、殺人なんて起きるはずがないと考えるわけで、事故っぽく見えるなら事故。なのだ。
心理サスペンスとして観るべきところはある・・・と思います。
父親が連続殺人犯では?と疑った少年の苦悩を描く物語。
地味ながら良く練られた佳作だと思います。
「疑惑」と「父親を信じたいという気持ち」、「父親の説得力のある言い訳」と「不気味さ」、これらの描き方が秀逸で、鑑賞者の私も主人公と同じ息苦しさを味わうことが出来ました。
父権そして教会の権威が強いアメリカの田舎、その田舎で「変態」扱いされパージされる主人公、そして異端者の少女。これらの設定も物語を引き立てていて抜かりなく感じます。
ただ、極めて地味です。また、良くも悪くも抑揚がなく淡々と進む展開は、映画全体の印象を薄めてしまい、高い評価を難しくしてしまいました。
心理サスペンスとしては良く出来ていると思うので、興味がある方はお試しください。
こわい、こわい、アイラブユー。
ストーリーが進むにつれて、だんだん明らかになる真実。
真実?
なにが真実なのか、その想像力をかきたされるのが凄い。
結局、そういうこと?
え?どういうこと?
みたいな?
結局、この子もズルいわけだ。
ズルさを学んだってことだよね。
あの程度の写真で変態よばわり
というような価値観の街がつらい
あのようなことをそこまでしてやりたいという嗜好の持ち主が身内かどうかというのはそんなに珍しくないが、素直な息子は結局あまり表情がなかったのが印象的
ラスト、静かに怖い
父親がおかしいってわかってるのに、主人公と同じでつい信じようとしてしまう。
主人公もその彼女も精神力半端ない。
もうこのまま終わってくれたらいいけど、いろいろ怖い終わりかたした。
家族全員が怖い。
静かに父親を見つめる主人公の瞳が訴えてる。
車イスのおじさんも不気味だし、母親も何故か怖い。彼女もいつ裏切るかわからない。
永久に怖いと余韻を残す。
疑惑の父へ向ける息子の目
熱心なカトリックで地域の住民からの信頼も厚い愛する父が、未解決連続殺人事件の犯人なのではないかと、ひょんなことから疑念を持ってしまった息子が真実を探っていく姿が、葛藤や父への想いを丁寧に描き、まるで小説のようなタッチで綴られていくサスペンス映画になっていました。
次第に真相が明らかになっていく展開はミステリー好きとしてはワクワクしながら楽しめた一方で、要素予想外の結末に驚き、クライマックスで父とタイラーが対峙した際の父の行動がもう…。
ネタバレ見ずに楽しんでほしい作品です。
困ってるチャーリープライマー♡
「荒野にて」でハートをズッキュンされたチャーリー・プライマーが、また困った状況に!!
彼は困った感じがイイ〜♡
ストーリーもテンポ良く、楽しめました。
ある人が、お布団の上でジタバタする場面は爆笑です!!
変態って褒め言葉だと思ってた。
少し前だがボンテージファッションとかソフトSMなんて言葉が軽々しく飛び交っていた時代があった。大概は本格的なフェチとは違い、表面的で詳しい事をひけらかす様な感覚だった。
自身ファッションアイコン的にベティペイジの写真やら自伝やら魅了された。
そんな流れから、男性は変態なんて言われたら褒め言葉みたいな風潮もあったと思う。
当時は喜んじゃうからあえて言わない様にしていた。
そんな時代を経験したからなのか、それっぽい写真だけで学校中大騒ぎなんてちょっとビックリしたったが、保守的な地域って設定なのかと納得もした。
閉鎖的な地域での事件ってよくある設定ではあるが、ザセルとかブルーベルベット並みのオーバー気味な狂気に満ちた表現は見応えがあったし、行き過ぎちゃった人の頭の中は興味深い。
心の闇を描くのと対照的に、真っ直ぐで強さを持った息子が清々しかった。
変態哀歌
最近多い犯人が早めにわかっちゃう系。
息子の葛藤と判断が話の軸なんだけど、、、、
マイノリティ好きな私は途中からお父さんが哀れに思えてそれどころではなかった。宗教的にガチガチなお土地柄じゃなく、LAやNYだったら同好の士がいて犯罪までに至らず「紳士の嗜み」で済んだ悲しい話し。
優秀な息子が居て良かったと言うオチ。
父の意外な一面は少年を大人にする
中学生の頃、父親が隠していた洋モノのポルノビデオを見つけたことがある。しかも無修正。父のことは真面目なカタブツと思っていたからひどくショックを受けたことを覚えている。でも、父も一人の男なんだなと認識したし、同じ男として共感してしまったことも事実。それを自分が見つけてしまったことは内緒にしたまま父は亡くなった。それでよかったと思う。
そんな思春期時代の記憶を思い出した本作。それくらいの年齢の子どもは父親の存在ってまだまだ大きいし、逆らえなかったりする。そんな絶対な存在の父が連続殺人犯なんじゃないかという不安やドキドキが伝わってきた。父親の秘密がわかった後もキチンとドキドキする展開が残ってて、ラストもなかなか秀逸。緊張感が最後まで持続する素晴らしい脚本だった。
サスペンスとしてだけでなく、少年の成長物語としても面白い。父親の意外な一面を知るって、少年を大人にするんだな。洋モノポルノを見つけた話と一緒にはできないけど!
【ヒントを読み解く/伝統的なアメリカの白人社会】
サスペンス・スリラー作品という位置付けだが、サスペンス感もスリラー感も抑え気味で、実は、そこが重要な点ではないのだと気付かされる。
これは、アメリカの田舎の白人カトリック信者が大半を占める伝統的なコミュニティの話しだ。
作品に有色人種は出てこない。
伝統的なカトリック信仰が優位で、意にそぐわないものは異端扱い。
ボーイ・スカウトをコアにした男性が集うことの多い男性中心コミュニティ。
家庭は典型的な父権主義。
そして、仲間内の恥は隠ぺいするが、これは臭いものにはフタをするというのとは異なり、当事者はずっと社会の重要な一員であり続けるのだ。
多くの種類があるロープの結び方は、コミュニティを縛りつける掟のメタファでもある。
明らかになる性癖・幼児性。
暴かれる真実。
対象が、ある一定以上の年齢の女性とだったり、太った独身女性であることも、この歪んだ男尊女卑の社会を表しているのだろう。
しかし、真実は、また隠され、表沙汰になることはない。
こうして、アメリカの田舎の伝統的白人コミュニティはやってきたのだ。
そして、これからも変わることはない。
過剰なサスペンス感だったり、スリラー感は極力排除され、こうしたことを考える作品なのだと思う。
保身とはホラー紛いの人間の業の行き着く先・・・なのか?
サイコ殺人ホラーかな?と思いきや違いました。これはそれよりも怖い「人間の業」のお話でした。「保身」、「保守」のために受け継がれる「業」です。やはり人間って怖い。
期待を裏切る展開では有りますが、僕は想像もできない「保守の世界」「敬虔な信者の世界」ではこのような展開は考えられるのかもしれません。守るべきものが明確にある場合、何をしてもいいや!って感覚になるんでしょうね。命より何よりも「あるべき今を守る」・・・あれ?どこぞの国の某運動会の開催是非の話と似てるなぁ。平気で「虚意発言してました」って言った某国の元首相みたいだなぁ。
そう、人間の「保身」が一番恐ろしい。自分が大事。自分の生活が、家族が一番大事。それ以外はどーでもいい。行き着く先がこの世界なんでしょうね、本作で描かれる世界。嘘をつき、丸めこめ、見て見ぬ風呂をする世界・・・数人の犠牲の上で保たれる平和・・・意味あるのかな?なんてことを提示する作品です。想定とは違うお話ですが、楽しめました・・・・・・。
が!!!!この作り方はどうなんだろう?
物語としては面白いのに、この全体的なテンポの悪さは何だろう?
再現ドラマやりすぎなんじゃぁないかなぁ?もっとゾクゾクポイントを絞った方が良かったんじゃないかな?親子関係に。どう考えても父親の頭の中はクレイジー。もっと「守るための狂気」を見せてほしかった。具体的なのは性癖描写だけなんだもんなぁ。そこに気持ち悪さ怖さを求めても、お話の主題がそこじゃないから、チグハグしてて拡散してるんですよね。どうにもそこが好きになれなかったんです。犯人探しやラスト近くの「カチッ」は読めてしまうので、人間の業のお話なんだから、もっともっとヒタヒタと怖がらせてほしかったですね。
で、これはしょうがないのですが・・・この思春期ものって僕は苦手ですね。やっぱ。16歳チェリーボーイの浅はかさとか、安易さとかが邪魔して乗れないのです。残念すぎる感じが。イライラしちゃう。あぁ、おじさんなのです、僕は。
それと、キャシーの気持ちも理解に苦しみますし、「え?それバレるでしょ?」みたいな種明かしが揃っていてちょい気分盛り上がらないんです。
ただ、なかなか無い切り口の映画ですね。
近年最高のサスペンス・スリラー
タイラーとドンのやりとり途中までよかったです。
ラストは、何だかもやもやしました。
カッシの協力は、素晴らしいです。お母さんのことがあるのに強いですね!
ストーリーもよくとても分かりやすかったです。
全29件中、1~20件目を表示