「ヘンタイ讃歌」クローブヒッチ・キラー kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
ヘンタイ讃歌
これもアメリカの闇なのか、保守的でポルノを許さないほど信仰心の厚い町。16歳のテイラーが父親ドンのトラックを拝借して女の子とデートしたとき、車の中からポルノ写真が一枚見つかったというだけで「ヘンタイ」扱いされる。この町ではテイラーが生まれる前に10名の被害者を出した連続殺人事件により、毎年慰霊祭が行われていた。未解決のままの「クローブヒッチ(巻き結び)事件」だ。
自分がヘンタイ扱いされたため、父親の趣味である工具置き場ともなっていた小屋に潜入し、さらに如何わしい写真を見つけてしまう。そこで熱心に新聞記事を読む、5股疑惑もある「アバズレ」女のキャシーに協力を依頼し、父親ドナルドを独自調査するようになった。
ある時、家の地下室を発見し、さらなる疑惑の証拠写真や被害者のIDカードを発見するも、父親からキャンプという懐柔策により、伯父が犯人だとして納得させられる。しかし、そのドナルドのヘンタイ趣味が燃やされることによって、10年以上抑えてきた欲望がメラメラと・・・
犯罪は犯罪!親だからといって許せるものじゃない!という、元はファザコンだったテイラーが父の罪を暴こうとする物語。過去の罪を憎むだけじゃなく、反宗教的な行動にも出る。そして皆が改宗させようとするキャシーとも仲良くなるのだった。
実は裏ではこんなことしてました~というどんでん返しの構造はこうしたスリリングな作品には向かないんじゃないか?と感じたり、キャシーの復讐心がイマイチ弱かったりで、どうもスッキリしなかった。残された家族のことも考えると最善策だったかもしれないけど、他の遺族の思いも晴れないんじゃないか・・・と、結末には納得できなかった。ううむ。