「市川崑ならどう撮るか」バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版 じきょうさんの映画レビュー(感想・評価)
市川崑ならどう撮るか
瀬戸内海の孤島で起きる猟奇的事件と言えば金田一耕助だが、シャーロック・ホームズの舞台になるとは思いませんでしたよ。
「パスガヴィルの犬」と言えば子供のときに読んだきりで、リンを体に纏って光る犬の描写があったように思いました(別の話かも)。なかなかのホラーだったように思いましたがあっているかなあ?
初めに褒める
ディーンフジオカや岩田剛典、西村まさ彦、稲森いずみなど、とてもうまい役者が揃っていて圧巻!
ヒロインの新木優子も、花を添えていた。
イケメンと美人が出ていても、みんな芸達者で良かった。
ところが最近は俳優不足なのか同じような俳優が出すぎているとおもう。ここでも、出てくる主要な人物に有名俳優を使うから、犯人も意外性が無くなっている。例えば椎名桔平を執事とか広末涼子をリフォーム屋とかにすれば、この人達なんかあるって思うでしょ。役が意外すぎるから。
最初の粕壁家の当主(西村まさ彦)が死ぬシーンは、それをモニター越しに見ていた獅子雄達がいるから犯人不在の上事件性がないと普通は判断されるはずだが、狂犬病なんて日本に存在しない病気を持ってくれば他殺って話になる。ここは、せっかくの密室トリックなのだから工夫して欲しかったな。
ドローンを使った魔犬よりリンで光る魔犬の方がよほど不気味。ドローンは音でわかりそうなもだし。
新木優子はいいねえ。長いまつ毛と大きな目、ナイススタイル。
市川崑の映画で言う、浅野ゆう子、大原麗子(獄門島)、桜田淳子(病院坂)、中井貴惠(女王蜂)、岸本加世子(悪霊島)みたいな役回りですかね。島田陽子を忘れていた。
やっぱり何となくスタジオで撮ってるのって思うくらいスケールが小さいと思うのは何故かなあ。テレビでいいでしょというのが視聴後の感想。
Wikiで見ると、原作では火を吹く魔犬の描写があり、口にリンを塗っていると記述されています。
原作はもっとおどろおどろしい雰囲気をまとった伝奇的な面を持っていたのですね。こっちの方がよかったなあと思いますね