「主人公のクズっぷりが中途半端で、どういう感情を抱いたらいいのか戸惑う」そして僕は途方に暮れる tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)
主人公のクズっぷりが中途半端で、どういう感情を抱いたらいいのか戸惑う
現実から逃げまくる主人公を、「憎めないダメ男」として描こうとしているのか、「本当のクズ」として描こうとしているのかが、よく分からない。ダメっぷり、クズっぷりが、どうも中途半端で、同情することも、反感を抱くこともできないのである。
その点、豊川悦司が演じる父親は、筋金入りのクズっぷりで、彼の話がメインの方が面白かったのではないかとさえ思える。
中途半端だった主人公が、家族、恋人、親友の前で詫びて、それでエンディングかと思ったら、そこから、また色々と話が続いて、少し冗長さを感じてしまった。
結局、家族とはハッピーエンド、恋人や親友とはバッドエンドと、一貫性のないエンディングになるのだが、どうせなら、父親には最後までクズのままでいてもらいたかったし、主人公を途方に暮れさすのなら、家族の和解は必要なかったように思う。
最後の主人公の微笑みは、「面白くなってきやがった」ということなのだろうが、それって、やっぱり、父親と同じ道を歩んでいくということなのだろうか?
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