鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎のレビュー・感想・評価
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なんて丁寧な作品かと。
原作者の水木先生の、おそらく水木先生の作品が好きな方なら皆大切に思っている想いがさりげなく盛り込まれています。普遍的な大切な想い、忌むべき思想が明らかで、観た後、打ちのめされ感、(良い意味ですが)が残ります。エンタメとしても中だるみなく、アクションあり、謎解きありで、楽しめます。印象に残る場面でのコメントが秀逸。もちろん、色々な解釈あるかとおもいますが、心底水木先生を大切に思う製作者の方々が、本当に丁寧に作り上げた作品だと思いました。
あの頃、鬼太郎にハマってた父親たちに!
目玉おやじはなぜあの異形になったのか。
鬼太郎はなぜ人と妖怪に寄り添うのか。
鬼太郎誕生のエピソードを
丁寧にドラマチックに創造した脚本が素晴らしい。
父親になったいま、父親として、
父親だからこそなのか、
いまこんなに鬼太郎で
ワクワク出来るとは思わなかった。
原作とは、ちょっと違う鬼太郎
最初見たときサスペンスものかと思いきや、こういう視点できりこんでくるとは、と思ってびっくりした。
これはこれでありとおもった!
エンディング中もしっかりと物語は続く(劇画風)、ラストはアニメーションでしっかり完結するのもすごかった!
※ゲゲゲの鬼太郎0って言われてるらしいです。
色んな複線回収もしっかりされてるので凄いと思います。
是非とも劇場にてご覧ください!
※パンフレットは売り切れ続出みたいなのであったら買いましょう。
展開が早すぎる。
前提として
・『ゲゲゲの鬼太郎』シリーズはほとんど未視聴。
・原作と思しきものは未読。
・古賀豪監督の他作品は未視聴。
めちゃくちゃ巧い。しかし、情報の多さと展開の早さについていけなかった。
まずは内容から。
鬼太郎関連の秘話を、父(ゲゲ郎)と水木という人間の視点から描くという物語。
聞いた話だと、鬼太郎誕生の物語を拡大解釈したものらしい。公式の二次創作みたいな感じだろうか。違ったらごめんなさい。
舞台は戦後日本。復興に心血を注いでいた時代。
この時代設定がかなり効いてくる。日本人の奥底に眠る心理描写や、地方に伝統として残る因習村の気持ち悪さ、そしてかつて居たとされる妖怪たち。
これら全ての説得力を時代設定だけで補強している。巧い。
次にキャラクター。
主人公の一人である水木は、戦後日本の空気感を一心に纏ったようなキャラクター。何を利用しても生き残って上り詰めてやる、という野心がある。そこには、戦争によるPTSDからの逃避もあるのだろう。生きることを目的としているように見えて、死に直行する危うさを持ち合わせるのが皮肉ではないか。
逆にゲゲ郎は、日本が捨てたものを一心に請け負ったようなキャラクター。幽霊族(妖怪に近い存在)の生き残りという設定が拍車をかけている。行方不明の妻を捜しに来たのも、疎開した人間のようで物悲しい。死人のような生き方だ。
この二人が出会い、最初は反発し合うも、相棒に変化していく。
そして次世代のために"生きること"を選ぶのがいい。"死"を選んだように見えて、次世代に"託す"のがこの作品のミソだと思う。
あと二人の関係性がちょうど良い。二次創作漫画が大量に創られるのも頷ける。俺も読みたいもん。お酒と煙草を交わしながら話し込む様子とか最高じゃん。
逆に言うと、そういったシーンは基本描かれないものと覚悟した方がいい。絶妙に届かない、いじらしさがあるとも言える。
他にヒロインや龍賀一族も居るが、ここでは割愛する。ネタバレを極力避けたい。気になる人はぜひ映画館へ。
少なくとも、心理描写はしっかり描いてある。必要な要素が揃っている。しかし刺さらなかった。理由は後述。
因習がまた気持ち悪く、これが少しづつ明らかになっていくにつれて、哭倉村の異常性が倍増していく様は圧巻。ここまで負の要素を掛け算できるのがすごい。しかもヘイトを一点集中できるなんて……構成まで巧いのか。
アクション描写もいい。疾走感と水墨画チックなカッコよさが巧く組み合わさっている。妖術とも合う。
欲を言えば、水木のアクションをもう少し観たかった。あいつ、元戦争兵だぜ? サポートとして戦えるだろ。
屋敷や田舎の雰囲気、後半のおどろおどろしさは凄まじく良い。阿鼻叫喚の地獄絵図も非常に好き。呪いの話だからね、ここまで描いて正解だと思う。
観ている側のカタルシスにもつながって非常に良かった。
良かったところはいっぱいある。人気が出るのもリピーターが生まれるのも納得がいく。
逆に、ここから先は気になったところを挙げていく。実はこっち側に一番書きたいことがある。
ホラー描写。『ゲゲゲの鬼太郎』ということで案外多い。のだが、アニメだからか全然怖くない。仮に子供向けで怖さを抑えたのだとしても、物語の内容が大人向けすぎる。少なくとも私には物足りなかった。主軸はホラーではないから良いのかな。
ゲゲ郎に子供が居ることが判明するシーンがある。本人も知らない背景があるのだが、その演出が不満である。直後の展開を考えても、演出の選択肢として正解ではないと感じた。あのままいくのなら、その空気感をぶち壊す意味合いとして、悪役の言動を分かりやすく見せてほしい。
さて、大きな問題点を書こうと思う。すなわち、"情報量の多さ"と"展開の早さ"だ。
"情報量の多さ"自体は問題ないのだ。伏線回収力がすごいから。全ての要素を落とすことなく拾い尽くしている。もはや神業である。
水木とゲゲ郎の目的は明確だし、敵の目的も分かるし、何を悪としたいのかも分かる。何を見せたいのかも分かる。
俺の中で問題になったのは、そこに"展開の早さ"が加わったからだ。
感情移入したくても展開が早く、キャラクターの心理も次の段階にシフトするのでついていけない。
一つの謎が提示されて、「これは何だろう?アイテムにも見えるけど」とか考える暇もなく物語が進んでしまう。結局、何が鬼太郎関連の謎で何が関係ない謎だったのかも把握できないまま終わってしまう。
こうなってしまった理由は二つあると思う。
一つは、自分が『ゲゲゲの鬼太郎』をほぼ知らないということ。
話題になっていると聞いて、このシリーズに手を出したのだからしょうがない。なので、私みたいな立場の人は、観る前に軽く調べておくことをオススメする。鬼太郎と目玉おやじのことだけでいい。他は後で調べると深みにはまれるはず。
もう一つは、現代の視聴スタイル用に作ってあるということ。つまり、"倍速視聴"回避と"バズり"促進である。
圧倒的な情報量と展開の早さは、近年話題になっていた"倍速視聴"を回避するのにうってつけだ。通常速度が疑似的な"倍速"なので、たとえ映画館にいても退屈はしないのだろう。それと、詰め込める情報量も増やせる。
逆に情報量が増え過ぎたために、このスピードにした可能性もある。どっちみち納得はできる。
情報量が増えると、リピーターや考察動画や解説動画も増える。結果、バズる。それだけ深みがある作品と言えるからだ。
ジャンルも様々なもの(バディ、妖怪、怪談、家族、因習村etc…)を組み合わせているので、疑似的に万人受けするものとなっている。
メリットは多々あるが、余韻がない。劇中の余韻が本当に無い。水木が嗚咽するシーンとか本当に早すぎてびっくりした。
俺は余韻に浸りたいんだ。これはアニメだからとか『鬼太郎』だからとか関係ない。要素と繋がりだけ見せられても俺は感動できない。良いと思えたからこそ感動したかったし興奮したかった。なのにできなかったんだ、スピードが早すぎて。
ちゃんちゃんこの件はグッと来たけどな。
この作品の問題点というよりも、現代の変化によるものだし、そもそも俺の推測および感想でしかない。俺がターゲット層から外れていた可能性もある。
だから、この作品は自分の眼で観てほしい。他人の評価とか関係なく観てほしい。ハマる人はハマるのだ。興行収入とノミネートがそれを表している。
それと、この作品は日本人向けだが、外国の人にこそ観てほしい。日本の悪しき・気味悪き部分を如実に描き出しながら、かっこよき(と我らが考えている)部分も強く輝かせている。そしてなにより日本のオタクには、どういうところが刺さるのか分かりやすい造りになっている。
日本文化を勉強したい人にもオススメ。
まぁ色々書いたし、評価は低めにつけたけど、興味を持ったら観てくれ。
面白かったけど、色々と考え込んでしまった上に、ターゲットではないのかもとちょいと悲しくなった。そんな作品。
懐かしい映画だった。
映画を観終わった後に酷く懐かしい感覚を覚えました。
この感じ、そうだ。昔のアニメを見ていた時の子供の頃の感覚だ。
鬼太郎3期のアニメを見ていた頃の自分を思い出した。朝の5時くらいの早朝に鬼太郎のアニメをこっそり見ていたあの頃の感覚を思い出したのだ。
そうだった。昭和のアニメは結構、グロいしえぐいし今思うと子供が観てもええのかコレ?と思うような描写も割とバンバン流れていた。
それでも夢中で観ていた。
怖い怖いと思いながらも夢中で観ていた幼少期を思い出したのだ。
昭和のアニメと令和のアニメの融合。
その化学反応がイイ感じに確変してこの作品が世に出たんだなあと嬉しく思いました。
沙代ちゃんは可愛かったです
小さいころ、テレビでやっていた鬼太郎が大好きでした。
で、この映画も評判が良かったので観にいったのですが、はっきりいってようわからん内容でした。
『犬神家の一族』?
敵妖怪との格闘シーンでは、長ったらしいなと思ったり、「こんなんやったら、なんでもありやん」と必然性をあまり感じなかったりしたところもありました。
「M」は、本当はメタンフェタミン (ヒロポン)のことなのかな?
沙代ちゃんは可愛かったです❤️
追記
本作もやばい村のお話。
古くは横溝先生の『八つ墓村』から数年前の『犬鳴村』『樹海村』『牛首村』、それに『ヴィレッジ 』『唄う六人の女』等々、日本では「村」映画がたくさん作られていますが、どれも穏やかでないものばっかり。
ここらで一発、閉ざされた村を舞台にした爆笑コメディーを撮ったろやないかい! という心意気のある監督が登場することを期待しております😊
鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎
ネタバレは抜きでレビューいたします。
作品はストーリー製もありとても面白かったです。しかし12指定があるように要所でグロシーン、胸糞シーンが登場します。
また戦闘シーンもありますが、迫力があり、最後はストーリーがしっかりつながっているのでとても面白かったです。
鬼太郎本作を知らない人でも楽しめます。
秀逸な胸クソ脚本で描く水木先生の無念
鬼太郎アニメでありながら水木先生のエッセンスが非常に多めの救いのない日本という国の病理が濃度濃い目で描かれた秀作でした。
世間で評判になるのもなるほど納得の作品でした。
とにかく脚本の出来が素晴らしかったです。
日本のムラ社会の不気味さ、現在に連なる強いものたちが全てを奪っていく社会構造、家族の醜さ、それを薙ぎ払う人間以外のものたちによるカタルシス。
自作以降にアクションシーンのレベルアップが加わると、これは本当にキラーコンテンツになってしまうんではないでしょうか。
きっとこの作品の評価と評判から次作もあるでしょう。
今から楽しみです!
ストレートに「情」に訴える物語
時は戦争の記憶がまだ生々しかった昭和31年。舞台は外界から孤絶したような山奥の哭倉村。一代で製薬会社を興し巨万の富を築いた龍賀家当主、 時貞が死ぬところから物語が始まります。本作の脚本の設定は横溝正史原作市川崑監督の「犬神家の一族(1976)」をそっくり借りています。
- 自分の影響力を後の世まで残したいという時貞の欲望
- 莫大な資産を少しでも多く引き継ぎたいという子どもたちの欲望
- 古い因習に縛られず新しい生き方をしたいという孫たちの欲望
- 龍賀製薬社長である克典に取り入って昇進を目論む帝国血液銀行のサラリーマン、水木の欲望
人間たちの欲望渦巻く哭倉村。そこに幽霊族の生き残りである「ゲゲ郎」がやってきます。彼の目的は行方知れずとなった妻を探すこと、彼の行動原理は「夫婦の情」と「親子の情」。欲望に支配された人間たちとは対照的に描かれます。戦争の帰還兵でもある水木は「ゲゲ郎」とのやり取りを通して正気を取り戻していきます。
徐々に住処を奪われ、人間たちに狩られて数を減らした幽霊族たちの姿を見て、かつて人類と同時代に存在していた旧人類であるネアンデルタール人のことを思い出しました。ネアンデルタール人はホモ・サピエンスより大きな脳と身体を持ちながら姿を消して行きました。我々の存在は、幽霊族やネアンデルタール人にとっては「災厄」だったようです。
欲望に振り回され正気を失う人間の姿と虐げられし弱き者たちの声なき声。そんな漫画が描ける漫画家は今後出てくるはずがありません。こんなにストレートに情に訴える物語はもはや、人類が主人公では描けません。
見事なまでに世界観が一致じゃ!鬼太郎っ
史上初、水木プロの監修を受けずに製作された鬼太郎らしいね
ラスト、水木ファンならば、鳥肌が立ち身の毛がよ立つくらい感動するよ🥺
水木ファンの端くれですが
古賀豪監督に拍手喝采させてください👏
全体的に中途半端な感じ
アニメシリーズ未視聴。
「全体的にオール3」といった感じ。
ミステリー色・ホラー感ともに弱めで、全体的なストーリーに破綻はないもののそのまま流れていってしまった印象。
アクションはアングルや色合いなどの工夫が見られたが、そもそもの技の地味さも相まって、迫力不足は否めない。
原作者をオマージュした人物が主人公という構成の妙は感じたが、ほかに特筆すべき長所は感じられなかった。
本作品というより、このシリーズ自体が劇場版とあまり相性が良くないのかも…と思ってしまった。
p.s.あれ?目玉おやじって鬼太郎自身のじゃなかったっけ??
最後どうなったのかよくわからず…
話題になっていたため鑑賞しました。
昭和の描かれ方が変に美化されておらず、好感が持てます。ゴジラ−1.0(綺麗過ぎ)で不足に感じていたものが埋め合わされたように感じました。
たいへん面白かったのですが、終盤どうなったのか分かりにくく、味わいきれない部分がありました。
想像を超えて面白かった! 内容もしらず、見たけど人間の欲深さや愚か...
想像を超えて面白かった!
内容もしらず、見たけど人間の欲深さや愚かなところ。水木とお父さんとのタッグ
話もしっかりされてて見てよかった!!
アニメーションでも面白く、一族のドロドロした感じとホラーサスペンス感もあった
とてもベーシックな良作
過去にアニメ(3期)を見たことがあり、漫画のゲゲゲの鬼太郎も読んだことがある人間です。
なんというか無駄が少なく、非常にまとまった良作。
横溝的なドロドロしたお家騒動と妖怪の話が詰め込まれているが、乱雑な印象は受けない。ストーリーラインがとてもシンプルなのでとてもわかりやすい展開。
血液銀行の水木とゲゲゲの鬼太郎の親父の交流がメインだと思うが、仲良くなるのがやや早急かなという気もするがそのへんもなんというか想像の余地があると言える。
創作をする人たちに受けているというのも納得できる。
映画のお話はオリジナルなので、鬼太郎本人をなんとなく知っていて、目玉の親父がいるというのを知っていれば鬼太郎シリーズを詳しく知らなくても楽しめる出来になっている。強いて言うなら「鬼太郎誕生」というこの映画の原作ではないが関係がある漫画を読んでおくと映画試聴後ある程度のなるほど感がある。
個人的には、アニメ映画であまりにも動きが凄すぎると何が起きてるかわからんとなりがちだけど、このくらいの動きがちょうどいい。アクションもかっこよかった。
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