劇場公開日 2021年9月23日

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「MI6のジェームズ!ボンドじゃないのか?!」クーリエ 最高機密の運び屋 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0MI6のジェームズ!ボンドじゃないのか?!

2021年9月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 007のことばっかり考えていたら、CIAの女性エミリー(=ヘレン)の名前がレイチェル・ブロスナンに見えてしまった。あれ?ピアース・ブロスナンの娘なのか?と、気が気でなくなったのですが、“ハ”の字がついてました・・・(汗) それにしてもCIAはちょっとお粗末。ピッグス湾の失敗(『グッド・シェパード』参照)のあとは亡命幇助も失敗か?などと、やっぱりスパイはMI6だよな~などと、ますます007が楽しみに。

 ラブ&ピースのマークも見えたりして、反戦・反核のテーマもある骨太のスパイ実話。キューバ危機なんてのは東西冷戦の象徴のような事件でもあり、アメリカ大統領ケネディとソ連フルシチョフとの対立だけかと思っていたら、もう水面下ではスパイの攻防戦、それにソ連国内では粛清、処刑が頻繁に・・・。この作品を鑑賞するために『13デイズ』を復習してみたのですが、比較するだけで面白い。

 どちらもいきなりの核ミサイル配置から始まってますが、立場は違えど、核戦争、第三次世界大戦を阻止するために動いていたというもの。この作品ではフルシチョフの気が触れたような映像もありましたが、アメリカ空軍だって戦争をやりたくてしょうがない幹部がいたことで話をこじらせている。そして、カンパーバッチ演ずるウィンがペンコフスキーから核弾頭ミサイル配備の資料を受け取ったことで、ソ連の意図が明確になる様子が描かれている。アドレーとゾリンの対決もアーカイブ映像だったのでびっくりです。

 そして、俳優魂を感じるほどのカンパーバッチの激やせぶりやペンコフスキーが裏切らないことを信じる男心に心打たれます。彼らの行為がなければ核戦争が起こっていたかもしれないのだ。互いの家族を思いやり、仕事が終われば生涯の親友として生きていたかもしれないのに・・・ということで感涙。演技力はさすが。去年の『ワイルド・ローズ』でも感動させてくれた嫁さんも良かった。また見よっと。

 すごく良かったものの減点材料はあった。アメリカの非が「トルコに核配備」してるひと言のみだったこと。核施設が見つかっただけで先制攻撃しろ!というタカ派の言葉なんかもあればよかったな。被爆国である日本にも核配備せよというバカな意見もあることだし・・・もっと反核テーマが欲しいところ。

kossy
everglazeさんのコメント
2021年9月30日

ある日突然、そんな世界に放り込まれる…ことなんて、あったとしても全力で逃げそうです。

everglaze
カールⅢ世さんのコメント
2021年9月28日

オレグ・ペンゴフスキーがウィンに「亡命したらモンタナで暮らしたい」って言ってましたね。生き残ったウィンが言っていたなら事実でしょうね。亡命が成功して、モンタナで余生を過ごして欲しかったですね。ペンゴフスキーとグレヴィル・ウィンはすっかりブラザーズでしたね。

カールⅢ世
talismanさんのコメント
2021年9月27日

最初のバレエはシンデレラでした!見たいですね!舞台は映ってなかったような。ロシア(ソ連)はやはりバレエかと思いつつ、ウィンにとってはドキドキものでバレエを味わう余裕なかったと思いました。

talisman
talismanさんのコメント
2021年9月27日

kossyさん、読み応えあるレビュー!二人の間の家族ぐるみの友情と信頼に心打たれました。男気のある二人でした。

talisman