「それは世界を救うビジネス」クーリエ 最高機密の運び屋 Masuzohさんの映画レビュー(感想・評価)
それは世界を救うビジネス
クーリエ
小口の荷物や書類を海外発送するための「国際宅配便」
航空便を使用した配送サービスの一種
本来は外交官業務の一環で
外交文書を本国と各国の大使館・公使館等の間
あるいは大使館・公使館相互間などで運搬する業務のこと
1960年第初頭の米ソ冷戦がピークに達し
米国の若き大統領ジョン・F・ケネディ
ソ連の脳筋書記長ニキータ・フルシチョフ
宇宙・核兵器開発の過熱と共に両勢力の核戦争への
カウントダウンは始まっていると言われた時期は
スパイの応酬だったようです
そんな情勢下でソ連の高官オレグは
フルシチョフの暴走を危惧し核戦争を回避する
ため内部文書をアメリカへリーク
アメリカはイギリス諜報機関を経由し
オレグの情報を得る手段として
何も知らない英国人ビジネスマン
グレヴィルに真相を知らせぬまま仕事として
カフスボタンを目印にオレグに接触させます
グレヴィルとオレグは予想以上に馬が合い
グレヴィルは真相を知らぬまま最初の仕事で
外される予定でしたがうっかり知ってしまい
最初は怒りますが自分のした事の重要性
オレグの亡命の可能性などを心配し
「仕事」を継続することになります
奥さんに(前科のある)浮気を疑われてもやめません
しかしその情報により
ソ連の核兵器開発は遅れている事などが
判明していきます
(世界の諜報活動史上最も有益な情報だったと
言われているそうです)
そんな間にソ連はキューバにミサイル基地を設置
した事をアメリカ政府が察知
互いに銃を向けている状態の一触即発状態
両国の緊張感はピークに達する中
最後の仕事でグレヴィルはオレグの亡命も
手伝う事になりますがKGBに計画はバレて
おりオレグもグレヴィルも投獄されてしまいます
グレヴィルは獄中で自分のしてきた事に
後悔があったのかなかったのか
ただ希望は捨てずに
本質的な情報への関与の否定を貫き
オレグの事も漏らしません
半年後に(真相を知った)妻との接見が
認められキューバ危機が回避された事だけ知らされ
オレグが望んだ事が実現した事を知り
同じく獄中にあったオレグにそれを
大声で伝えるのでした
オレグは処刑されますが
グレヴィルは人質交換によりイギリスへ
その後帰ってこられるのでした
その後アメリカとソ連の間には
ホットラインが結ばれたのです
カンバーバッジ特有の変わり者キャラが
徐々に首を突っ込んでいったグレヴィルの
微妙な気持ちを上手に表現していたと思います
スパイものといっても007のような
決して派手さはありませんが
60年代のクレムリンの雰囲気など
よく世界観が出ているビジュアルで
入り込むことが出来ました
こうした冷戦下の話はWWⅡに比べると
少ないですがこれから増えてくるのかも
しれませんね