劇場公開日 2021年8月27日

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「忌々しい歴史を忘れないために。今週の教養系映画の本命~対抗」沈黙のレジスタンス ユダヤ孤児を救った芸術家 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0忌々しい歴史を忘れないために。今週の教養系映画の本命~対抗

2021年8月28日
PCから投稿

今年109本目(合計173本目)。
このあと、「ホロコーストの罪人」もみましたが(at. シネリーブル梅田)、個人的な考え方などはまとめてそちらにします(内容趣旨が重複するので)。

 こちらも実話をベースにしたお話。ストーリー的には、「アーニャは、きっと来る」に似たところはありますが、こちらが実話ベースである点が違います。
また、「アーニャは~」は、現在ではVODシステム等でも観られますので(確認済み)、参考までに予習がてらに見ると、だいぶ理解度が違うのではないか…と思います。

また、フランスのマルセル・マルソーが得意としていたのは「パントマイム」。日本語では「無言劇」と訳されるようです。つまり、言葉をつかわずに体の表現だけでものごとを表現する芸術の類型なのですね。

 ※ なにを勘違いしたのか、アコーディオンとパントマイムがごっちゃになってて「いつになったら楽器弾くんだろう…」と思っていたのは私…(ダメダメ過ぎる…)。
(何と勘違いしたのだろう…?似たような作品ありましたっけ…?)

 映画自体、少しずつ侵略されるフランスが舞台になりますので、当時のフランスの状況を知っていないとわかりにくいところが少しあります(映画内でも説明はあるが、最低限しかない)。前日に少し予習しておくだけでも全然違うのではないか…と思います。

 実話ものベースであり、実際にナチスの一連の政策で標的にされたのはユダヤ人がもっとも多くあげられますが、ほか、映画内で記述があるように、宗教論者、障がい者(身体・知的・精神)、共産主義者、ジプシーなども迫害対象に入っています(これらを扱った映画もありますね)。高校世界史まで含めてもそこまで扱わず(主にユダヤ人が迫害されたことしか扱わない)、実は「他にも多くの被害者がいたこと」、また、そもそも「ナチスの迫害政策に関与したのはナチスドイツだけでもない」(この点は、次の「ホロコーストの罪人」にて)点など、ちゃんと抑えなければならない点はあり、日本はそこがどうにもなぁ…というところです(まぁ、ここで指導要領批判したって仕方ないですが…)。

 本映画と「ホロコーストの罪人」(まだ、「アウシュビッツ・レポート」はやっている映画館はあるかな…)は、「2(3)点セット」的な点はどうしても否めず、確かに「重い話題」である点は事実ですが、過去の歴史を否定することはできません。過去の歴史から何を学ぶか、同じことを繰り返さないために、個人が何ができるのか(例えば、正しい知識の習得に努める等)、色々考えさせられる点は多いです。

 全体として「ホロコーストの罪人」と評価が重複する点が多く、同じことを何度も書いても仕方がないので、そちらでまた書きます。

 特にマイナスと思える点はないので、フルスコア採点にしています。

yukispica