「法律の必要性」モーリタニアン 黒塗りの記録 bluecinemaさんの映画レビュー(感想・評価)
法律の必要性
「CIAはすでにテロ容疑者にこうした尋問を行っていたことを認め、テロに関する「唯一無二の、その他の方法では入手不可能な」情報を得るためには有用なテクニックだと主張してきた。しかし報告書を見ると、こうした手法が有効だった事例はほとんどなく、CIAは関係当局に事実を隠蔽するような報告を行っていた疑いがある。」
グアンタナモはまさに法外な拷問を行うために意図的に作られた収容所だ。グアンタナモ収容所に14年間拘束されたモーリタニア人、モハメドゥ・スラヒ。そのうち2年間は過酷な拷問の連続で死にかけていたという。2年間にわたって壮絶な拷問を繰り返されたら...正常な状態ではなくなってしまうことは容易に想像ができる。そこまでして自白強要することになんの意味があるのか。大昔の出来事のように感じるが2015年にようやく祖国に帰れたというから驚きだ。
「私はアメリカは正義の国だと信じていた。まさか裁判もなく8年も拘留されるとは思わなかった。
アメリカが私を恐怖で支配するだなんて。やってもいない罪でせめられ続けた。だが許そうと思う。許したい。それが私の神アラーの思し召しだから」
悲惨な経験をしたとは思うが最後は祖国に帰る事ができた。立場によって人間は何かの役割を担っているが、どんな状況に置かれても自分の正義を貫いて生きる事は短命になりそうでいて、実は生き延びる秘訣なのかもしれない。
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