「国防と人権」モーリタニアン 黒塗りの記録 カツベン二郎さんの映画レビュー(感想・評価)
国防と人権
クリックして本文を読む
本作はノンフィクション映画であり、しかもつい最近の21世紀に起こった実話をベースにしている。
強い国アメリカはテロを絶対に許さないという国防側の立場と如何なる場合でも法の下に人権は護られなくてはならないという司法側の立場との対立の構図となっている。
9.11同時多発テロ実行犯と接触があったイスラム教徒ということのみで罪状もないまま8年間拘留されているモーリタニア人(結局計16年勾留だっけ?)は、実のところ本当にアルカイダの一味であったかは最後までわからないままだが、報復の恐れからテロを根絶やしにするため疑わしいだけでも罰すべきという国防の考え方は米国内では非難と支持の両方であろう。
弁護士役のジョディ・フォスターと軍側代理人役のベネディクト・カンバーバッジがお互いに法律家としての矜持と正義感がアメリカの進むべき方向を必死に修正しようとしているかのように見え、人間として正しくあろうという姿勢には心を打たれる。
観るべきだが、観るとしばらく立ち直れなくなるそんな映画だと思うが、終始奥歯を噛みしめながら観ていたせいか、顎が痛くなった。
コメントする