劇場公開日 2021年5月21日

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「社会情勢と向き合い葛藤する真の心を逸早く描く」茜色に焼かれる サスペンス西島さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0社会情勢と向き合い葛藤する真の心を逸早く描く

2021年7月10日
iPhoneアプリから投稿

2021年劇場鑑賞8本目 名作 90点

2021年最優秀主演女優賞は尾野真千子さんだろうなと思えた作品。

この一言に全てが詰まってます。

まず身体を張っています。というのも、そういった描写は間違いなく必要で、それはコロナ禍故経営が上手くいかず、閉めてしまったカフェをいつかまた開きたい。と、残された家族である息子と一緒に今を生きつづけなければいけないから、仕事を選んではいられなかったのです。ほんとうに強い人を演じたなあと思いました。

また、カメラの撮り方も素晴らしくて、カフェで飛沫防止の壁に映る尾野真千子さんや、惚れやすい息子が足欲しさに自転車の練習をしているシーンの撮り方など、石井裕也監督のセンスを感じました。

片山友希の電話番号渡すシーンの一連の表情、石井裕也御用達の赤を取り入れる所、中学の同級生と出会った時に顔が女になる尾野真千子、名シーンが多すぎる。

にしても、コロナ禍背景を描く作品で群を抜いて作品化したのが今作だったと想うし、当時映画館も制限状態で興行が見込めないながらあの時に流したのは大正解だし、製作陣や役者陣、配給元や提供先など苦しい中での数々の支援と情熱があっての今作を池袋で観れたのは財産です。

2021年も半年が過ぎましたが、個人的な邦画ランキングとして4位くらいになりました。(ヤクザと家族、すばらしき世界、まともじゃないのは君も一緒)

是非。

サスペンス西島