「【それでも生きていく】」茜色に焼かれる ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
【それでも生きていく】
人生なんて、負けそうになることばっかりだ。
前向きに生きていることがバカらしくなることだって多い。
でも、生きていく。
そう、まあ、頑張るのだ。
(以下ネタバレあり)
物語は、不条理な事故やコロナによるカフェの閉店、イジメ、インチキ、解雇、偏見など様々な障害を散りばめ、それに押しつぶされそうになりながら、生きようとする親子が描かれる。
ただ、確かに、コロナや交通事故など現実と重なる部分はあって、憤りを感じずにいられないが、もう少し踏み込んで考えてみたい気がする作品だと思ったりした。
ケイは、なぜ死んだのか。
本当のところは、分からない。
衝動なのか、絶望なのか、もしかしたら、希望を託したのか。
…分からない…けど、悲しい。
友人や、恋心を抱いていた人が亡くなったら、やっぱり悲しい。
プロローグの陽一の不慮の事故死と対比するように描かれるエピローグのケイの死だが、実は、メッセージとしては同じで、それでも、残されたものは、生きていくのだということではないのか。
純平が到底理解出来ない良子の芝居の意味。
抱える想いは、それぞれで異なっているのだ。
異なっていて当然だ。
叫びたいこと、訴えたいことは、それぞれ違っても、人は生きていくのだ。
今、コロナでもがき苦しんでいる人達にも、コロナが収まっても、きっともがき苦しむことであろう人達にも、そして、何かと闘い抗い続けるであろう全ての人達にも向けた、語りかけ、そして、問いかけるストーリーなのだと思う。
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