「道徳心以前に、軽率だからだと思うぞ。」スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム くりあさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5道徳心以前に、軽率だからだと思うぞ。

2022年2月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

親愛なる隣人としてノリが軽く身近なヒーローであることはスパイダーマンの重要な要素ではあるが、今作に限らず、どうも軽率な愚者であることとイコールだと製作陣が考えている節がある。

「大いなる力には大いなる責任が伴う」
この言葉は、個人的な利益のために、世界のあり方が変わるレベルの手段を真っ先に軽率に選択する、その時に思い出すべきではないのか。
どうもスパイダーマン映画では、「自分がやらかしたことの尻拭いをしろ」という意味にしか思えない。

基本的に全編、ピーターパーカーがその時その時の気持ちを優先して、正しいことを言う人を否定し、邪魔し、我を通した結果、周りを巻き込んだ不幸が起き追い詰められているわけで。
スパイダーマンのせいで一般人に被害が出るって、全くもって正しいのだからどうにもならない。
100%の自爆でWomen in refrigeratorされても醒めるだけである。

全体的なストーリーとして、事件の発端から風呂敷のたたみ方まで過不足なくまとまってはいる。
サムライミ版からアメイジング、MCUのスパイダーマン集大成として、また過去作での胸のつかえの解決の場として、うまく集約したとは思う。
そういった部分を評価しての星3.5。

しかしやはり、このタイプのキャラを是とする思想が、本質的に自分には合わない。
奴は、無能な働き者型の、人類の敵にしか見えんのだ。

くりぽん