「大いなる痛みにて大いなる使命を見出だす」スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム ばーどさんの映画レビュー(感想・評価)
大いなる痛みにて大いなる使命を見出だす
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まあすごい。
ただ、すごいと思うのはあくまで今までのスパイダーマンシリーズ、アベンジャーズシリーズを観てきた人だけ。
筆者はそっちだから、鳥肌が本当に何回もたった。
やっぱりスパイダーマンはこうじゃないと。
そう、最後のMJとの別れ。
大いなる力には大いなる責任が伴う。
それこそヒーローの証、そう描いてきたのがスパイダーマン。
ホームカミングになってから、タッチが軽くて、正直、スパイダーマンの持つ「正義とは何か」というテーマ性が薄らぎ、つまらんなあと思っていた。
しかし、本作で気づいた。結局、本シリーズは、オリジナルの旧作スパイダーマンが一作品でやったことを、三部作で、しかも壮大なゲストを揃え集大成としてやったんだなと。
最後にメイの墓に立つピーターは、明らかに大人へと成長していた。
痛みを知らない者が弱者の痛みなどわかるはずもない。
心をズタズタに引き裂かれた、もしくは常に痛みを抱えている者こそ、ヒーローたる資格があるのだと思う。
常に自分が傷ついているからこそ、常に痛みがわかるし、常に人に優しくできる。
「僕もそうだよ」と語りかけれる。
結局スパイダーマンの物語は、若者が傷つき、その想いを他者への優しさに転化し、ヒーローへと変貌を遂げる過程なのだと、改めて認識した。
少々大変だが、ぜひこれまでのシリーズを全て観て挑んでほしい。
改めてヒーローとは何か、ということを認識させてくれるから。
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