「スパイダーマンによる救済」スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム カイトさんの映画レビュー(感想・評価)
スパイダーマンによる救済
トムホランドを主人公に据えたスパイダーマンホームシリーズの最終章。
本作は予告編から前2シリーズの歴代ヴィラン登場による圧倒的な盛り上がりを見せていた。
正直、マルチバースの展開や歴代キャラの登場により、しっちゃかめっちゃかになるのではと不安を抱いていたが、さすがジョンワッツと言えるストーリー展開で全てのシーンで鳥肌が止まらなかった。
また、歴代ヴィランを救済するというテーマの中で登場させたことは愛に溢れていてとても感動した。この歴代ヴィランの中でもやはり、アルフレッドモリーナ演じるドクターオクトパス、ウィレムデフォー演じるグリーンゴブリンの登場シーンでは自身の思い出と重なる部分があり、感動と興奮が押し寄せてきた。特にウィレムデフォーの演技は圧巻で当時のグリーンゴブリンの狂気がパワーアップしていて本作をキュッと締める役割を担っていた。また、なんと言っても本作の見どころは歴代ピーターの登場シーンであり、このシーンでの劇場のどよめきは今までの人生で体験したことがなく、涙が止まらず、映画を好きになって良かったと思える映画体験となった。このシーンを夢にまで観たファンも多く、見事に期待に応えた本作はスパイダーマンがヴィランを救うだけでなく、長い年月をかけ、全てのスパイダーマンファンを救ったのだといえる。
本作は歴代キャラ登場をメインにするのではなく、歴代キャラの登場によってトムホランドピーターの成長、自立のきっかけとするあくまで補佐的な役割に回したことが本作のストーリーが地に足ついたものとなっている要因となっていると感じた。
MJやネッドとの別れを経て、寂しさが残る中、ピーターが自作したスーツでスイングする様子はMCUで真にスパイダーマンが誕生したことを表していて、本作のどのシーンよりも興奮した。
3作を通じてスパイダーマンの起源を描いたホームシリーズは今後のスパイダーマンにおいても重要な役割を担っていくと思う。