「もうこれ以上ない映画」スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム いたるさんの映画レビュー(感想・評価)
もうこれ以上ない映画
「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」観ました!
マーベル・シネマティック・ユニバース27作品目。
フェーズ4の劇場4作品目。
MCU版スパイダーマン3作品目にして、ホームシリーズ完結作。
今作は前作ラストのシーンから始まります。
予告編でもあるように、スパイダーマンの正体がピーター・パーカーだと世間にバレるとこからのスタート。
正体がバレたことで周りにも様々な影響が出て来ることに。
なんとかみんなの記憶からスパイダーマンの正体がピーター・パーカーだということを消してもらえないかを、共に宇宙でサノスと戦ったドクター・ストレンジに掛け合うことに。
それがまさかの展開へと転じていく。
ピーターの今後の運命は。
過去2作同様に親友ネッドと恋人MJは続投し、仲の良い3人組は継続です。
またMCUからのゲストはドクター・ストレンジ。
そして目玉はなんといってもMCU合流前に公開されたスパイダーマン映画2シリーズからのスーパーヴィラン軍団!
2002年に1作品目が公開され3まで製作されたサム・ライミ版スパイダーマンからグリーン・ゴブリン、ドクター・オクトパス、サンドマン。
2014年に1作品目が公開され2まで製作されたマーク・ウェブ版スパイダーマンからリザード、エレクトロ。
今回のスパイダーマンでは、前作で言われたけど結局何もなかったマルチバースの世界が遂に描かれる。
もう過去作ヴィランだけでスパイダーマンファンからはお祭りですが、マーベルファンからしても今後の可能性に期待が大きくなります。
ホームシリーズでは、
1作品目はソニーからマーベルに帰ってきたホームカミング。アイアンマンに憧れ、ヒーローになりたいピーターが描かれた。
2作品目は当時マーベルから撤退とも言われていたファー・フロム・ホーム。アイアンマン亡き後、ニック・フューリーに導かれ、ヒーローとして認められるも、まだ子どもでいたいヒーローとしての葛藤を抱くピーターが描かれた。
そして今作では、高校3年生となったピーターがついに自立をする青春3部作最終作ノー・ウェイ・ホームとなった。
過去2シリーズでは、
サム・ライミ版ではトビー・マグワイア演じるピーター・パーカーが、マーク・ウェブ版ではアンドリュー・ガーフィールド演じるピーター・パーカーが、どちらも高校の途中で蜘蛛に噛まれ、ベン叔父さんとの辛い別れを経て、高校を卒業し、その後も描かれている。
ベン叔父さんとの別れにて、「大いなる力には、大いなる責任が伴う」と告げられ、ヒーローへと成長していく。
ただMCUのトム・ホランド演じるピーター・パーカーには、蜘蛛に噛まれるシーンはなく、ベン叔父さんとの別れもなく、当然大いなる責任も感じず、いまだ高校生。
ヒーローに憧れ、決別し、ヒーローとなったはいいが、やはりスパイダーマンとしては違った。
またトビーピーターにもアンドリューピーターにも同じように恋人も親友もいたが、共に正体は明かさず、また親友には殺されそうになり、他に頼れる仲間もいなかった。
しかし、トムホピーターには、恋人と親友どころかメイおばさんにすら正体はバレ、親友には殺されかけないどころか一番の協力者で、アベンジャーズという仲間もいるという手厚い層。
これも皆が知ってるスパイダーマンではなかった。
誰もスパイダーマンの正体を知らない、人知れずヒーロー活動を続けることこそが、皆が知っているピーター・パーカーであり、親愛なる隣人スパイダーマンである。
そう今回の目的であるスパイダーマンの正体がピーター・パーカーということを忘れさせて欲しいという願いは奇しくも皆が待っていたスパイダーマンの幕開けでもあった。
タイトルであるノー・ウェイ・ホームから察するように帰る場所がなくなったと思うかもしれないが、これはスパイダーマンとして再出発の物語である。
また、マルチバースで過去2シリーズからヴィランを同俳優で起用という思い切った手法が取られたことにより、ソニーでもマーベルでもどちらでもある映画となり、ホームの垣根がなくなったのではないだろうか。
今後ホームから脱却したスパイダーマンは新たな物語が始まると言われているが、一体どうMCUに絡んで来るのか。
ここから先は完全ネタバレでいきます。
フェーズ4に関する話、ヴェノムについても触れていきます。
まずなんといってもヴィランしか出ないのか、そんなはずないだろと。
予告編のサンドマン・エレクトロ・リザードの3人に対して、スパイディ1人に対する構図がおかしい、絶対後2人スパイディいるだろと。
でもあんだけアンドリュー否定するし、どうなんだろ、いやなんやかんや出るだろと。
出るだろ思うてたのに、出てきた瞬間は感動!
しかもアンドリューの出てき方、マスクしてても、あっアンドリューピーターだって分かる!
トビーピーターの出てき方も、よく分かる!
彼ら2人がスパイディスーツ来て動くだけで感動しかない。
2人がトムホピーターの前に現れる姿もカッコいい!
そして自分たちのこれまでの行いと償い、そして葛藤して成長してきた話をするのは最高過ぎる!
トムホピーターと共に3人スイングはヤバすぎる!
3人で薬の開発や掛け合い、ラストのハグは最高!
ウェブが体内から出るトビーピーターへの質問攻めなど、観てる側は全員知ってるのにな!
ネッドの親友に関する話聞くのも面白いし、これはいずれヴィランになる前触れか。
ヴィランのそれぞれの関係性も面白い。
サム・ライミ版では、ノーマンとドック・オクが知り合いなのとか、サンドマンが2人共死んだとか言うの。
マーク・ウェブ版では、コナーズ博士がバーコード頭ってマックスのこと知ってたり、ただマックスはそんなに有名じゃないのに感だけ思ったが。
コナーズ博士ともなれば、マックスが腕利きの技師だと認知はしていたのか。
他にもサンドマンは改心した後だったり、ノーマンはいまだにゴブリンとの二重人格に苦しんでいたり。
スパイディたちとの戦いでは、それぞれのスパイディがそれぞれのユニバースのヴィランと戦ったと思えば、別のユニバースとも戦うなど夢の共演が一生続く。
戦いではそれぞれのキャラに救済があって良い!
まずアンドリューピーターは今回落下するMJを救い、あの時救えなかったグウェンの二の舞にならなかったと感極まっているのが良い!
助けた後に「大丈夫?」って聞いたら逆に聞き返されるくらい感極まるのは皆一緒。
トビーピーターも救えなかったノーマンを救うことができた。
ドック・オクもアームの支配から解放され、本来の心を取り戻した。
その後のトビーピーターとドック・オクとの会話も良いし、トビーピーターは大人になってもまだ親愛なる隣人なんだと彼らの物語は終わってなかったんだと感じた。
アンドリューピーターもマックスと仲直りし、黒人のスパイダーマンがいることを願うあたり、マイルズ・モラレスの伏線かな。
アンドリューピーターに関しては、MCU合流になったことから打ち切りになってしまい、余計嬉しかったな。
全員が生きて自分たちの世界へと帰っていったラスト。
今後彼らの作品がまた作られると嬉しいが、これで終わり、どうなったんやろと想像するのも楽しい。
何はともあれ最高のキャラが勢揃いし、スパイディファンには最高の作品だった。
これ以上の映画はとうぶん出ない気がした。
スター・ウォーズ フォースの覚醒、スカイウォーカーの夜明け、エンドゲーム並の衝撃を受けた。
スパイダーバースのようにアニメではなく、実写で3人それも全員がオリジナルスパイディなのは豪華すぎる。
どんな裏での交渉がいつから行われていたのか。
主人公のトムホピーターがついに高校を卒業し、青春が終わった。
またメイおばさんとの別れを経て、怒りに打ちひしがれるが先代の先輩たちに止められ、成長した。
「大いなる力には、大いなる責任が伴う」はメイおばさんから授けられ、どこまでも目の前の一人を救うこと。
それが例え皆の記憶からいなくなっても。
こうしてピーター・パーカーは世界中から忘れ去られ、恋人も親友もいなくなり、アベンジャーズの仲間もおらず、たった一人今日もニューヨークの街を守る親愛なる隣人スパイダーマンとして人知れず活動していくこととなった。
まさしくこれまで通りのスパイダーマンであり、真のヒーローとして次はどうMCUと関わっていくかが楽しみになってきた。
またフェーズ4では、
ワンダヴィジョンにて、X-MEN版クイックシルバーの登場。
ロキにて、あらゆる時間軸のロキの登場と時間軸を守る存在の登場。
ホークアイにて、Netflixデアデビルからのキングピンの登場。
そして今作での過去2シリーズの登場。またデアデビルも登場した。
さらに先に公開された「ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ」からヴェノムの登場も。
そしてドクター・ストレンジ新作。
また今作のラストでの歴史改変。
今後のマーベル世界が広がったフェーズ4。