「スパイダーマンたちを救済するかのような映画だ。」スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム トトトさんの映画レビュー(感想・評価)
スパイダーマンたちを救済するかのような映画だ。
スターウォーズシリーズも過去作のキャラを出演させておじさん接待映画の様を呈してきた。
過去のファンたちを喜ばせる一方で新しいキャラたちの新しい冒険は?という意見も散見される。
今作スパイダーマンに関しても同じことが言えるかな?
と、思いつつもやっぱりトビースパイディが人生のバイブルである人間としては感涙してしまう。
100点満点です。
トビースパイディのインパクトが強く、アメイジングが公開された時も見向きもせず結局鑑賞したのは数年後。
フレッシュで元気なトムホスパイディも好きだけど、やっぱりトビーが好きだなぁという感想が心のどこかに引っかかっていた昨今。
今作を見て抱いた感想は結論「もう皆んな好き、それでいい」
スパイダーマンシリーズといえば、
ヒーロー業とプライベート(恋人や学業、時にはアルバイトも?)を両立できない、頼れる者も少ないヒーロー。
自分達が突然特殊能力を得てもこういう失敗するだろうなぁという等身大の親愛なる隣人。
そんな元、ただの人が苦悩しながら「成長するヒーロー」それがスパイダーマンというのが個人的な感想でした。
そしてそこには必ず側にピーターを見守る人々が。
亡き叔父さんの言葉であったり、共に生活をする叔母さんであったり、救えなかった恋人だったり、父のような師匠のようなヒーローだったり。
今作ではそんなピーターを側で見守る人が「全ての人を救える訳ではない」彼らにとってシリーズ最大の苦しみを誰よりも理解している彼自身(ピーターたち)であるのだと思います。
最も若く、青いトムホスパイディを見守る先輩スパイディ達。
自分達が苦悩してきたからこそ、同じ轍を踏ませないと復讐という麻薬を止めるトビー。自分と同じ失う苦しみを感じさせまいとMJを救うアンドリュー。
皆んながトムホを見守る様な構図でしたが、
これまでそれぞれのスパイダーマン達との戦いで、結果として死という終わりしか選択出来なかったヴィランたちを、そしてスパイディたちを救ったのも紛れもなくトムホスパイディだったのだと思います。
これまで未完に終わった歴代のシリーズをマルチバースという魔法で締めくくり、
ストーリーもスパイディたちの無念も晴らし、解消する。
素晴らしい完結だったと思います。