「全てのスパイダーマンファンに」スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム night UKさんの映画レビュー(感想・評価)
全てのスパイダーマンファンに
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ストーリーや戦闘シーンの良さ、鮮やかさは前作ファー・フロム・ホームの方が勝ってたと思うが、マルチバースを題材にして、これだけのキャストを組み込んでここまで仕上げてきたことには素直に感服する。
ファンサービスにはほんとに文句なしの一言。「あれが欲しかった」、「あそこ拾われてないのはー…」というのが全く無いに等しいくらいなのに、ここまでブレずに1つの作品に仕立て上げたその腕前。すべてのスパイダーマン好きに堂々と胸を張って見てもらいたい一品だ。
スパイダーマンという作品で、この20年の間にまさかの3度もリブートされてきて、そういうわけではないはずなのに「初代は3作目で打ち切られちゃったのか?」「次作も2作目までか…」と、誰しも思う部分があったのではないか?、そのわだかまりみたいなのが今作でことごとく昇華、浄化されていくのがとてつもなく心地良い。嬉しいの一言。
大いなる責任も、敵たちの改心も、MJの救出(救済)も、それぞれの背景、能力、人間関係の共通点とズレが最高に面白い。どれもが愛すべき、そしてドラマチックなそれぞれのスパイディを作り上げ、そして完成させている。
トムホピーターは初っ端からハイテクで、頼れる大人たちがたくさんいて、フレッシュで、何なら成り立ちから省略されているので、コメディ的な良さを感じつつも、どこか物足りない所があるような気がしていたが、今作でメイおばさんを失って、ハイテクなスーツも、経歴も全て失って、ようやくいい意味で影のある我らのスパイダーマンとして始まったようだ。
申し分ない作品にも関わらず、すでに次回作こそ待ち遠しい気持ちでいっぱいだ。
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