鳩の撃退法のレビュー・感想・評価
全243件中、221~240件目を表示
小説家の想像力が展開図を広げてくれる
おそらく原作がよく出来ているからだろうと思うが、本作品はよく出来ている。場面は2つに別れていて、ひとつは藤原竜也が演じた主人公津田伸一が実際に体験した場面、もう一つは津田が想像する場面である。観客は津田の更に後ろに立って、安全な位置からこのサスペンスを楽しむのだが、ときには津田に感情移入して痛い思いをしたり迷ったりする。恐怖に戦いたりもする。これは面白い。
藤原竜也はいつもどおりの演技だが、その自分自身さえ突き放したような淡々とした語り口が本作品にとてもよくマッチしていた。相変わらず上手い役者だ。
風間俊介は役に合わせてまったく違う演技をする。今回は肚が据わっていながらも、どこかに迷いを秘めている複雑な役柄である。台詞外の意味を伝えられる演技をする貴重な役者だと思う。
その他の役者陣も概ね好演。坂井真紀の加奈子ママは水商売の人らしい覚悟を感じさせてくれる。編集者の鵜飼なほみを演じた土屋太鳳は、豪快にカップ焼きそばを食べるシーンと、やけに大きく見える胸がゆさゆさと揺れるシーンが印象的だった。主人公のカウンターパートとしての彼女の存在が、小説が成立するかどうかの危うい瀬戸際をうまく表現する。
立体的で多重構造の作品だが、津田の小説家らしい想像力が、展開図をわかりやすく広げてくれる。トヨエツが演じた倉田健次郎の哲学が、作品に深みを与えていた。
原作を読んだ人を裏切らない!
というより、映画でクリアにしてくれてありがとうと言いたい。
映画の中でもいろんな場面が展開されて現在と過去を行ったり来たりしますが、原作はさらにあっちこっち行っててわけわからん感じなのです。だけども読み物としては絶妙におもしろいのです。
なので原作を読んだ者からすると、あーここはあの場面ね、この人こんな感じか、ふむふむなるほどね〜こういうことか〜とか楽しみながら観ることができました。
逆にこの映画が初見の人はどうだろう?宣伝で「謎解きエンター〜」を全面に打ち出しているけれど、そういう見方もありなのかな…
私は原作を読んだ時に謎解きとか全く考えてなくて、ただただ読んでておもしろくて最終的には余韻に浸って楽しんでいた感じなのですが、そういう意味では、津田とヒデヨシのラストシーンが腑に落ちて、とても心地良かったです。
個人的には岩松さんと竜也くんの掛け合いのシーンがいっぱいあって嬉しかったのと、太鳳ちゃんと竜也くんの相性もいいなと思って、また違う作品でも共演してほしいなと思いました。
あと、子分やってた浜野さんもよかったな〜
現実の話?小説の話?
小説の映画版と聞いて観に行きました。
小説は読んでないのですが藤原竜也さん主演という事で楽しみにしてました。
冒頭の場面から途中途中、竜也さんの説明みたいな場面に変わり「??現在の話?小説の話?」と訳が分からなくなる所があり、少々この映画は外れだったんかな…とか思ってました。
…が!!
話が進む程のめり込んで観てしまう展開で面白い!
話が進めば意味が分からなかった所もつじつまが合っていって「なるほど(๑°ㅁ°๑)‼」と納得出来る話でした。
藤原竜也さん…この人はほんとどんな役も出来る人ですね。今回はフィクションとノンフィクションの役をされてましたがさすがだな〜♪って思いました!
豊川悦司さん、リリーさん…圧倒的な貫禄です!
西野七瀬ちゃん…最近よく見かけますね(笑)可愛かったです。
風間俊介くん…主役に近い役柄だったような…重要な存在でした!
映画だと時間の関係があり結構端折られてそうなので小説が読んでみたくなりました(笑)
小説家の人って常にフィクションとノンフィクションの狭間で生活されてるのかな〜、どっちの話か分からなくなる事ないのかな〜?…なんて思える面白い作品でした!
ストーリーが形成されるまでが辛抱
作家の脳内に潜入。
感想
予想以上に楽しめました。
物語
脚本が素晴らしいです!序盤は劇中小説と津田の物語が長めの映像で行き来するので終始理解できず混乱して眠気に襲われましたが、中盤からの伏線回収と終盤の解決編のまとめ方が爽快で圧倒されました。その上でラストは観客に任せるスタイルをとっていて津田伸一という1人の作家に振り回されている感覚に陥り楽しかったです。津田のナレーションで語られる劇中小説の語りは観客に語りかけて来る様でまるで読み聞かせを受けている様な気持ちになりました。この効果により映画を観ているというよりも小説を読んでいるという気分になりました。
演技
実力派俳優さんばかりで安心して観れました。皆さん素晴らしかったです。特に津田という掴み所のない人間を見事演じられた藤原竜也さんが素晴らしいと感じました。安定の藤原竜也節も見せてくれて満足です。
総評
期待以上の満足度に驚いた。ミステリーとして脚本がとても秀逸。この映画を撃退どころかもう一度保護したい気持ちになりました。
パズルのピースがはまる時の快感‼️
普段この手の映画は観ないのだが、音楽担当の堀込高樹氏(KIRINJI)のファンなので、初日初回に鑑賞。
予備知識ゼロで観て正解、凄く楽しめた。
終盤近くまで虚構と現実、過去と現在が入り乱れる展開。主演の藤原竜也さんはじめキャストは演技巧者揃いなので飽きずに観られるが、「これ本当に伏線回収できるのか?」と心配になる。
心配無用。とっ散らかっていたパズルのピースがある瞬間「パーン!」と音を立てて一気にはまる。その時の快感と高揚感を200%増しにしてくれるのが、堀込氏の音楽。やはり天才。
終盤に連続で流れる超有名曲のカバーと、エンドロールの主題歌、どちらも「超」のつく格好良さ。これだけでも観る価値あり。
ただ若干音楽に集中しすぎて細部を見落としていると思うので、あと数回復習が必要かも。
役者陣では風間俊介くんの存在感がピカイチ。健次郎の時から只者ではなかったけれど、本当に彼が画面に出てくるだけで引き込まれるような魅力がある。彼もまた天才。
ちょっと期待外れ
個人的にはあまり得意ではない
観終わった後の爽快感
小説作法と映画作法
身近な事件を小説に
全243件中、221~240件目を表示