「ザッピングシステムから見ればこの主人公もひとつの駒」鳩の撃退法 015🎬さんの映画レビュー(感想・評価)
ザッピングシステムから見ればこの主人公もひとつの駒
むちゃくちゃ面白いかといえば、地味に面白いという表現が最適な作品です。
特にザッピングシステムが好きな人には向いている話かと思います。AさんとBさんの会話の場面にCさんが現れることで、とんでもない方向に話が向かうというような。
原作未読ですが、恐らく、原作は相当面白いんだと思います。
星が3.5に留まったのは、単純に自分がそもそも『鳩』ってどうして作られたんだろう?っていう、主人公曰く「作品には不必要な」疑問を最後まで抱えてしまったからという理由。
あと、カフェ店員兼ドラマーの彼女が持っていたアレ。結局、何かの役に立ったんだっけ?
ざっくりとした内容↓
主人公の津田伸一は過去、直木賞も受賞したことのあるほぼほぼ廃業中の小説家。
過去作でフィクションがフィクションではなかったと誹られ、訴訟騒動に発展。以降、編集者達は彼の新作を待ち望みながらも、触らぬ神に~的な立場で距離を置いている。
そんな津田が久々に小説を書いたという。
ある読書好きの男と、その妻。そして都市伝説化している謎の『倉田』という人物。
様々な人々の姿が立体化された時、津田の編集者の女は呟く。
え?先生、これフィクションじゃなくね?―と。
これ、登場人物が何人もいますが、だいたい何らかの理由でみんな繋がってると思って差し支えありません。
なお、ザッピングシステムっていう表現はしましたが、基本的に津田のナレーションでAさんが動くというような仕組みなので、この手の映画にしては非常にわかりやすいつくりです。
時系列もそこまでぐちゃぐちゃじゃない。なので、某イニャリトゥ監督の作品で悲鳴を上げるようなタイプの方も、気軽に観られると思います。
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観終わってしばらくしてから思いましたが、これ、津田自身が気付いているかどうかはわかりませんが、秀吉にとっては津田の方が自分の人生に偶然に介入してきた『駒』なんですよね。
まあ、何度か観てみたら少し読み解き方も変わるかもです。はい。