「※途中からネタバレ考察あり!」鳩の撃退法 サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)
※途中からネタバレ考察あり!
2021年9月10日 映画館にて2回目の鑑賞
レビューを残りわずかまで書いていたのにも関わらず、あまりの眠たさに寝落ちしてしまい、起きたら全て消えて朝からショックだったサプライズです。もう1回書きます...トホホ
8月公開作品...いや、ここ5ヶ月で1番楽しみにしていた映画。予告を見て映画癖にグサッと刺さりまして、何度も見返しては期待に胸をふくらませていました。
こんなに楽しみにするのは「騙し絵の牙」ぶり。どことなく雰囲気が似ているし、5文字&意味不明なタイトル、そして配給が松竹。何かと共通点が多い2つなので、やっぱりこの手の映画が好きなんだなとしみじみ感じます。という訳で、早速公開日に鑑賞。騙し絵の牙のように期待を裏切られるようにならない事を願って...。
これ...めっちゃくちゃ面白いじゃん!!!
予想を遥かに超える出来。予告詐欺なし!
これだよこれ!超超超楽しいです!!!
3年ぶりに新作を書くことになった小説家の津田伸一(藤原竜也)。担当編集者の鳥飼なほみ(土屋太鳳)は彼の新作を読んでいたが、その話が妙に現実味があり疑問を持ち始める...。
まず、演者の凄まじさ。
豪華すぎるキャストだと言うことは見る前から分かっていたものの、ただただ使っただけではなく皆ちゃんと爪痕を残している。相変わらずの藤原竜也、サバサバした性格がお似合いの西野七瀬、変態教祖から裏社会の人間へと変身した豊川悦司、記憶に残るリリーフランキー...などなど俳優たちの活躍を見るというだけでも価値がある。
そして、脚本の巧妙さ。
緻密な設計で少しずつ面白さが際立っていき、後半30分なんてそういうことだったのか!の連続で、もう楽しくて仕方ない。何気ないシーンも伏線となり、要らないシーンがひとつも無い。ピースがカチッとハマった時の爽快感がたまらない。
音楽もまたいい。
一気に世界観に引き込まれ、今から何かが起こるぞと音楽がアラームを鳴らしてくれて、より一層映画に深みが出て面白さが増す。主題歌も雰囲気にピッタリで心地いい余韻。
予告でもあったようにこの物語の終止符は映画を見た〈あなた〉が決める。考察に考察を重ね津田のように最適な話へと作り替える。恐らく、苦手な人はかなり苦手だと思う。でも、好きな人はめちゃくちゃハマる映画だと思う。そんな攻めた映画。
この映画は明確な事が1つしか無く、どこからホント〈現実〉でどこからウソ〈小説〉なのか全く読めない。その唯一の明確な事というのはこの物語の主人公・津田伸一の存在、それだけである。
最初から最後まで訳が分からず、解決したと思いきやまた新たに疑問が浮かぶような、そんな不思議な作品なのだ。見終わった後もずっと考えてしまい、もう一度見たくなるし小説も読みたくなる。
誰かと語りたくなる作品。
でも、好き嫌いハッキリ分かれる映画だと思うので容易にオススメできない。今年の映画なら、「ジェントルメン」と「騙し絵の牙」が好きな人は多分ハマると思う。
絶対もう1回見に行くし、小説も多分読むと思うので一旦★4.5にさせて下さい。もしかしたら、これより上がるかも?と言うか、気持ち的にはもう★4.5以上あるんですけどね笑笑
そのくらい、個人的には大ハマりの最高傑作でした。あー、ネタバレありのレビューも別で投稿したい...
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という訳で行って参りました、2回目。
なんと1回目よりも2回目の方が面白い。
ネタが分かっているからこそ見えてくる視点と新たな考え。見え方が180度変わり、より深いところまで読み解くことが出来た。
次はこうなる、と分かっていると今の話が嘘か本当か見極めやすく、2回目でようやくこの映画がしっかりと楽しめる。もう1回見ようか迷っている方は必ず見てください。期待以上ですから!!!
ネタバレはしたくない主義...なんですけど今回に至ってはさせて下さい。ネタバレ注意を出していませんが、ここから先は内容に触れますので未鑑賞の方は見ない方がいいかと思います。
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注意しましたからね?大丈夫ですか?笑
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はい、ということで自分なりの考えをまとめていきたいと思います。
まず、どこまでが本当でどこからが嘘か。
「本当」の事であれば、津田自身が見たかもしくは新聞などで世に出回っている情報がどちらかでしょう。津田が知るはずもなく、報道されるはずもないことは「本当」ではなく「嘘」だと考えられます。
よって、本当であると予想できることは
・津田伸一は幸地秀吉にカフェで出会ったこと
・幸地秀吉は幼い娘と妻がいること
・爺さんに3万を借りたこと
・ピーターパンの本を買ったこと
・加賀まりこから3万を返してもらったこと
・晴山を無人駅まで送ったこと
・無人駅で晴山は見知らぬ車に乗ったこと
・津田が秀吉に再会したこと
これらは現実だと言えるでしょう。
偽札事件に関してはなんとも言えないなと。
津田は秀吉がバイトから「前借りで3万を貸してほしい」と電話でお願いされたことも、倉田から「今日届くものを預かっていて欲しい」とお願いされたことも知らない為、偽札の出先が分かりません。あくまでもこれは津田の小説の中の話。現実で起こっている話だとは断定出来ません。
新聞に関しても疑問が浮かびます。
かなこ先輩が見せた新聞は「男女の遺体発見」と書かれていますが、津田が見た新聞は「一家三人失踪」と書かれています。秀吉はラストシーンに登場するため、生きていました。よって、「遺体発見」では無いことが明らかになります。つまり、かなこ先輩の存在が危うくなる訳です。しかし、かなこ先輩がいないとしたらバーテンで働く津田も嘘になる訳ですから、秀吉と再会することも不可能となります。頭がこんがらがってきました笑
正直言いますと、自分もまだ明確な答えが出ていません(すいません...)。しばらく考えて答えが出たら追記したいと思います。それでは、また。