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エイト・ハンドレッド 戦場の英雄たちのレビュー・感想・評価
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見敵必殺を叩き込まれる軍隊の狂気とヒロイズム
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ストーリーのベースとなる「四行倉庫の戦い」については全くの無知。倉庫を間に挟んでの天国と地獄の構図はまさにドラマチック。
特筆すべきは、抗日映画に付き物の、野蛮かつ暴力的な日本軍描写が皆無な点。誇りと名誉をかけて戦いを挑む日本軍大佐役の中泉英雄が儲け役。
それどころか、同じ中国人ながら国民党と共産党との緊張関係や、それに準じた兵士間の摩擦が根底に描かれるのが興味深い。『フューリー』でも見られた、敵も味方も関係なく、見敵必殺精神を叩き込まれる軍隊の狂気が描かれる。
群像劇だけあって登場人物が多く、顔と名前を覚えられるのかと思うも、観ていくうちにその懸念は無くなる。もっとも、主要人物は次々と戦死してしまうからだが…
これでもかとヒロイックな描写を詰め込んでいるあたりは戦史物かつ中国映画のお約束とも言えるが、その分2時間30分にも及ぶランニングタイムが冗長。一番カタルシスが上がってもおかしくないはずのクライマックスが一番尻すぼみに感じたのも、それまでの阿鼻叫喚の戦闘シーンが多すぎた反動ゆえかも。
本国中国では、コロナ禍の影響以外にも、国民党(中華民国)の国旗を死守するシーンが問題になって上映が幾度となく延期になったとか。
やはり国家間のデリケート事情はそう簡単に癒えるものではないのか。
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