劇場公開日 2021年12月31日

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「等身大の青春」明け方の若者たち 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0等身大の青春

2022年6月23日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

「あるある、そうそう、だよねー」と、溜息の出る。
共感たっぷりの若者たちでした。

主人公の僕(北村匠海)
飲み会で一目惚れした彼女(黒島結菜)
積極的な彼女は、年上で大人。
後になって考えれば、上手くリードされていたね、僕。

就職の内定をもらった大学3年の冬。
夢いっぱいで入社した大手印刷会社。
入ってみれば配属された総務課は、なんでも屋で雑用係のような部署。

そんな頃、彼女に一大事が!!
一大事・・・と言うより、彼女は訳ありの○○女。

北村匠海が後半になって、演技が上手いと思った。
無理やり誘われてホテルへ。
風俗嬢(佐津川愛美)に、泣きながら彼女の裏切りを話す所。
共感力がハンパない!!
流石、売れっ子!!
較べてみると黒島結菜は色鉛筆の4色位。
北村匠海は24色の色鉛筆。
描く絵の発色がケタ違いです。

理想のようには行かない青春。
夢を見ても、叶うとは限らない。

果実は苦くて硬かったけれど、
いつか実は熟して、大きな果実を実らせる。

まだ27歳。
新しい恋も、
打ち込む仕事もきっとある。
明け方の空は、まだ明け始めたばかり・・・。

琥珀糖
R41さんのコメント
2024年5月27日

おはようございます。
コメントありがとうございます。
邦画が新しくなったというのは私の勝手な感覚です。
小説を表現することが多いとは思いますが、最近の映画に感じる違いは、小説が新しくなったのか、それとも邦画の表現方法が新しくなったのかを考えていました。
以前見た三浦しおんさんの小説を映画にした「光」(2017)では、どんな風に切り取っても共感できないという壁を感じました。つまり共感は必要なのかということです。
それが時代的なものなのか、それともほかに何か感じるべき点があるのかあるのか?
あの作品からそんなことを考えていました。
私は予備知識を一切持たずに作品を見るのですが、最近手にしていたのはどれも新しいものばかりでしたが、そのほとんどがテーマが明確だったり、何を伝えたいのかはっきりしていたり、謎を問いかけていたりと、作品と対話できるような仕掛けがあります。
それが面白く、いったいいつからそうなったんだろうと探っていました。
映画は多義的です。どこに共感するのかも人次第です。ですが、多くの人材とお金と時間を費やして作られたものには、必ず作り手の主張があるはずです。すべての登場人物たちの動機などはそこに集約されるはずです。そこを見極めるのが私の鑑賞の楽しみ方です。
私の視点はただそんなところにあっただけなので、実際変わったのかどうかはわかりませんが、より面白くするための工夫は続けられているのでしょう。

R41
R41さんのコメント
2024年5月26日

スピンオフの彼女は、明け方を想うもよかったです。
「ゆれる」見ました。
私が狙っていた作品でした。作品の良し悪しではなく大体2020年ごろから進化した邦画とその直前の邦画の違いを探りたかったのですが、それが教えていただいたこれでした。
ありがとうございました。

R41