100日間生きたワニのレビュー・感想・評価
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欠点を超えてくる魅力と、原作を深化させる新たな視点がある。
正直、前半には退屈さを感じたし、描かれている凡庸な日常がテーマとして必要なものだとは頭でわかっていても、どうにも入り込めず「でも退屈なんですごめんなさい」という気持ちで観ていた。
ところが、映画オリジナルの「ワニの死の後」を描く後半の展開になって、凡庸な退屈さに、大きな膨らみが生じていることに気付かされる。身近な誰かを亡くしても、劇的なドラマもないまま日常は続いていくが、凡庸な日常は、もはや永遠に同じものではなくなってしまう。その差異を、繊細に映し出す映画になっている。
ウザキャラのカエルくんの孤独、というのも、映画で加わった重要な要素であり、個人的にはカエルくんは苦手でお近づきになりたくないが、そういう人にも等しい重みの人生があるという視点は、原作にさらなる奥行きを与えていると思う。
とはいえ、不満な点もある。カエルくんが同じ悲劇を体験しているという設定はご都合主義がすぎるし、同じ悲しみを共有することで繋がれるというのは、人と人との可能性を狭めることになってはしまわないか。そういうことも含めて、ちゃんと評価されて欲しい作品だし、原作にない「101点」というセリフにつなげる流れは、脚本としても「おみごとです」というほかない。
とても残念なことだが、完全に犯罪レベルの嫌がらせや誹謗中傷に近い公開前の酷評レビューで騒ぎになったせいで、この映画をフラットに観ることはいささか難しい状況になってしまった(もちろん原作終了後に起きた炎上騒ぎも大きな影響を及ぼしている)。
ただ、これが駄作であれば、「どんな映画もこんな酷い扱いを受けるいわれはない!」で済む話なのだが、観てみたらまったく駄作などではなかった。興行としても作品としても、とても不当なそしりを受けていると感じた。
絵柄のシンプルさゆえに紙芝居と揶揄されることもあるようだが、アニメーション表現としても優れていると感じたし、なんなら心の機微を救う素晴らしいアニメを作ったふくだみゆき監督が共同監督、共同脚本を務めていること、また伝説の御大、湖川友謙がアニメーションディレクターがであることも頭に入れて、すき間に込められた表現の妙を味わう仲間が増えてくれたらと思っている。
暇つぶしに見るにはいいのかも
漫画は少しだけ見たことがある程度で、細かいことは(炎上も含めて)知らずに鑑賞。キャラクターに思い入れがあれば見え方が違ったのか…この緩さは漫画だから良かったんだろうなと思った。
正直、退屈で映画だけに集中することはできず、洗濯物を畳みながら見ていた。
カエルに対して結構残酷じゃない?と思う。
後ろ姿をワニに重ねられてたけど、別人の代わりにされるのってすごく可哀想。目が合わないとかの拒否具合も何だかリアルで辛かった。
距離を取ってたキャラクター達が悪いわけではなくて、こういう立ち位置のキャラクターを作ることが残酷だなと思った。
人間が1人も出てこないアニメのエンドロールに豪華俳優の名前がずらずら並んでいたのは面白かった。
やっぱりラーメンの煮卵は丸ごとじゃなくて半分にしてほしい
原作はきくちゆうきの4コマ漫画
ちょっとだけ観た
原作のタイトルと映画のタイトルは微妙に違う
監督と脚本は『お米とおっぱい。』『恋する小説家』『テイク8』『ナポリタン』『カメラを止めるな!』『イソップの思うツボ』『スペシャルアクターズ』の上田慎一郎
監督と脚本は他に『こんぷれっくす×コンプレックス』のふくだみゆき
ごく一部に過ぎないだろうけどあの人たちはなぜ映画化に抗議したのだろうか
炎上の原因について説明する記事を読んだが全く理解できなかった
漫画は作者のものであり読者のものではない
根本的に価値観が違うせいだろう
怒りの原因の殆どは理解不足らしい
いい勝負だな
主要なキャラの声当ては声当て専門以外の人たちで固めた
あの人たちにとって今回ばかりは映画化そのものに比べたら小さなことかもしれない
なぜか主人公は普段上半身裸だ
バイトのときとバイクに乗ったときは着てるけど
だいたい動物は裸なんだがこの世界観では不自然だった
自宅で寛いでいるときなら100歩譲れるがデートでいきなり上半身裸はないだろう
よりわかりやすくするためセンパイとの差別化だろうか
オリジナルキャラにカエル登場
こいつだけ絵のタッチが違う
リアルに涙丘?書き込まないでいい
映画館で観ようと思ったが観れなかった
U-NEXTで観ようと思ったが扱ってなかった
宮城岩手のTSUTAYAでも扱ってなかった(SHIBUYA TSUTAYAでは扱っているようだ)
ゲオで久々に借りて鑑賞した
TSUTAYA限定の対抗策かな
日々大切に生きなければ。。。
一時期世間を賑わせていた作品なのは知っていましたが未見、アマプラに上がったタイミングで思い出し時間も短かったので観てみました。
絵もシンプルで観やすく、話も淡々と進む感じで、あっという間の1時間でした。
映画を観終わった後に原作を読んでみた上での感想ですが、賛否のある映画版後半のカエルくんのお話は個人的にはアリだと思います。
カエルくんのお話が加わることでワニくんの人生が際立つ感じがしてより切なく感じました。
ただタイトルはやはり『100日後に死ぬワニ』のままのほうが良かったとは思います。
ほとんどの人が原作のタイトルを知っている上で鑑賞されるでしょうが、もし仮に全く知らない人が『100日間生きたワニ』のタイトルで本作を観たとしたら間違いなく「ん?なんで?」となるのでないでしょうか?
私自身、人生の折り返しは過ぎているはずですが、東日本大震災からちょうど12年後にこの作品に出会えたことの意味を含めて、何気ない日常を送れることにもっともっと感謝しなくてはとあらためて感じることができました。
想像してたほど酷くない笑
完結後の唐突なメディア展開で炎上して、映画爆死したのを知ってる程度です。原作は未読。
映画公開後のレビューが紙芝居だの無駄な間が多いだの散々だったので、どんだけ酷いんだろ!?と逆にワクワクしてたくらいなんですが、見てみたら想像より動いてたし、間はそんなに気にならなかったというか許容範囲かなと思いました。
淡々と平凡なワニくんと友達や好きな相手との日常を見るのもほっこりしたし、こんな平和に楽しく過ごしてて「帰ろうと思えばいつでも実家に帰れる」なんて言っちゃってても「こいつ死ぬんだよなぁ…」と分かってると、くるものがありましたね。
声優さんも悪くなかったですよね。神木隆之介はもちろん他の俳優さんもキャラの雰囲気に合ってたと思います。
ただ、カエルが空気読まずにグイグイ行きすぎで、みんなにやんわり拒否られて、唐突に泣き出して友人の事を話し出したのを見たときは痛すぎて気分悪くなった。メソメソ泣いて「ありがと、ありがと」とか、かまちょな悲劇のヒロインみたいできっつー…ってなった。可哀想とは思うけどももっと別のアプローチの仕方ってか普通に接しろよ!
ちなみに私はアマプラで見たので無料だし、酷評されてるのを知った上でハードル低くして見たので、そこまで酷い作品とは思わなかったのかもしれません…。
63分1900円でほぼ盛り上がりのない内容の上、情報量の少ない簡素な作画(作画崩壊はしてないよ)では…割高だと思うし、劇場で見てガッカリした人の気持ちは察せます。
追記
わりと気になってたんですが何でワニくんだけ服着てないの??
45点
映画評価:45点
想定の100倍良かったです!
あえて特別感を出さず、
しっかりワニくんの日常を淡々と映像化していました。でも、その1場面1場面にワニくんの生き様が投影ました。
あれだけ淡々としていたら、
普通飽きると思うのですが、終始飽きずに見られました。そこもグッド。
ワニくんのフェードアウト後に、
見知らぬカエルが登場してくるのだけど、
そこは賛否両論あって良いと思います。
視聴者にも、
受け入れられ辛い陽キャすぎるカエルくん。
だけど彼だったからこそ
ワニくんを失った仲間たちの止まった時間を
また動かす事が出来たのだろうと納得できます。
総じて1時間でしっかりまとまっていたし、
炎上する程の欠点も無かった。
斜に構えず、しっかり向き合っても損はありませんよ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~
ここからは、
作品外の感想となります。
私の場合、アマプラで無料で見たので
満足いく内容だと判断しましたが、
正直、映画館に行ってお金を払いたいレベルではなかったとは思います。
第一タイトル変更が悪い。
あの作品は100日後に死ぬから良い訳ですよ、
誰が【100日間生きたワニ】を見たいんだって話しです。ニュアンスが大幅に違ってしまいます。
闘病生活か何かですか?違いますよね?
ワニは何気なく普通に生きているのに、
我々だけは、そのワニが100日後に死んでしまう事を知っている。そこが味噌なんですよ。
ワニが死んだ後に落ち込んだ仲間たちが立ち直るまでの話しなんかには更々興味ないんですわ。
その世界観を勝手に追加されたら、そらぁ誰だって怒りますよ。
だからカエルが悪いのでもなく、
ストーリー(内容)が悪いのでもなく、
勝手にワニの死後を描いたのが悪い。
個人的に言わせてもらえば、
最近流行りの5分アニメ枠にでもしていれば
同じ内容でも皆さん満足したと思います。
それくらいに情緒がありましたし、良かったです。
無理やり流行っていたからと映画化した事が失敗だったと思います。残念です。
【2023.2.28観賞】
理不尽な風評を押し返すだけのパワーはなかった
映画というものは文芸であるより先にまず投機の対象だ。紙とペンさえあれば最悪どうにかなる小説や漫画とは異なり、映画は適量の資本が投下されない限りそもそも制作することができない。ゆえに風評の良し悪しというものがきわめて重要になってくる。批評ではなく、風評。批評はカネにならないが、風評はカネになる。ユリイカだの現代思想だので批評家や研究者が知性を尽くして紡ぎ上げた評論より、インフルエンサーがパッと呟いた無責任な毀誉褒貶のほうがよっぽど消費奨励のアジテーションになる。すなわち「興行収入」という数字になる。いや、別にインフルエンサーじゃなくたっていい。なんjだのTwitterだの映画.comだのの片隅に書き捨てられた一口コメントだってそれなりの力を持つ。俺もネットの走り書きを見て映画館に駆け込んだことがないわけではない。
ただ、だからこそ、もうちょっと我々は慎重にならないといけないんじゃないかと思う。我々の無責任な言葉の一つ一つが、「わかりやすさ」を至上の価値とするインターネットという土俵においては専門家のそれを軽々と凌駕してしまうことについて、ひいてはそれによって当該の映画を取り巻く経済的状況が大きく変動してしまうことについて、もっと深く考えてみたほうがいいんじゃないか。
少なくとも、観てもいないのに星0をつけるなんてのは言語道断だ。「観る」という代償を支払うことなく「評価する」という武器を振り回すことほど傲慢で卑怯なことはない。確かに、電通と結託してるとか死に対する思慮が浅いとかいった「100ワニ」というコンテンツに漠然と抱く嫌悪感を『100日間生きたワニ』という一本の映画作品にも同様に向けたくなる気持ちはわかるが、作品そのものを通過しない以上、それらは単なる偏見の域を出ない。偏見の集積が風評となって映画関係者たちを必要以上に苦しめる、というのはどう考えても不条理だろう。大して面白くもない露悪に手を染める前に今一度考えてみてほしい。
さて、そろそろ本編について語ろう。
これだけ良心ヅラで長々と説教に及んだ手前申し訳ないのだが、本作に罵詈雑言にまみれた前評判を押し返すだけのパワーは感じられなかった、というのが正直なところ。確かに、あえて空白の多い空間・時間構成を演出することで原作のシュールレアリスティックな空気感を再現した点や、原作の再演を早々に切り上げ、新キャラのカエルくんを中心とした「事故遺族」らの相互ケアに物語の焦点が移っていく点には、『カメラを止めるな!』の上田慎一郎らしいトリッキーで構成主義的な作家性を感じたし、なおかつそれが「100ワニ」というベースとうまいこと調和していた。
ただ、それ以上に瞠目すべき点は見つからなかった。前半は言ってしまえばほとんど実直に(しかし所々を端折りながら)原作をなぞっているだけだし、死の悲しみからの回復に焦点を定めた後半も、その回復の過程の描き方が凡庸で独善的だった。死の悲しみは同じ死の悲しみを味わった者との間でしか共有しえないという「当事者性」至上主義は安直だし、そのためだけに「辛い過去」を背負わされたカエルくんの存在は、それ自体がどこか人形遊びの人形のような虚ろさを湛えている。
またカエルくん本人の口から不幸エピソードが語られてしまったことによって、それ以降彼に心を開きはじめるネズミくんが、あたかも彼の不幸性に自らの不幸性を見出せたがゆえに心を開いた打算的人物かのように見えてしまっていたのも惜しい。ネズミくんはそうと言われなくても他者の痛みに気がつくことのできる優しく繊細な人だと思う。
概して脚本のトリッキーさや物語の構成のために登場人物の人格が犠牲になっている、そういう印象を免れ得ない作品だったと思う。かといって技術と編集で勝負!といえるほど極端に振り切れているわけでもない。何にせよ上映時間が短すぎて、これでは深まりそうなものも深まらない。いっそのこと2時間尺にするか1クールのテレビアニメにするかしたほうがよかったんじゃないかと思う。
ワニとその後
原作を見ずのこの作品が初めて見ました。話題になっていた事もあって気になる作品。
内容は、ワニの主人公が死ぬ事から始まり、それを100日前まで遡ってワニが生きていた時間を物語る作品でした。どこかほのぼのした感じでどこでもある様な風景がいいなと感じました。好きなバイトの先輩と仲良くなる為に色んな試行をめぐらしたり、友達と些細な言い合いでぶつかりながらも仲良くなったりと。
そんなワニが居なくなってからネズミというキャラクターが登場するのだが、なんとも言えないくらいのウザキャラという設定で見ていて悲しくなりました。笑
そんな彼をうまく受け入れる事が出来ずにいる主人公の友達達が徐々に打ち解けていく姿が良かったです。
予想以上のものを期待してみるとそうではないと感じてしまうけど、なんでもないものってこれくらいの感じじゃないのかなぁって思いました。
さらに面白くするにはよっぽど外連味がないと
何故か面白い原作の雰囲気は生きていました。手法は違えど何故か面白い。
さらに面白くするには、やり取りの間とかよっぽど外連味がないといけないんでしょうね。
アニメーションが必要最低限すぎて、映画としてはしんどいんですが、ヌルヌル動かすクオリティでやってもしかたない物語なので、これはこれで良さなんでしょうね。
絵本みたいだけど、内容は大人。 アニメになっているから、それほどリ...
絵本みたいだけど、内容は大人。
アニメになっているから、それほどリアルに見えず、けれどほのぼの伝わるからいいのかな。
あのカエルのキャラはそれまでの映画の雰囲気が変わってしまったので、ちょっと違和感でした。
この映画に関わった全ての方々に敬意を払いたい
日本中で話題になった4コマ漫画ですが、僕自身TwitterといったSNSを全くやってない身なので、原作は見てません。今思い返しても「アニメ映画化決定」と世間に公表されたとき、なぜあそこまで嫌がらせや誹謗中傷が飛び交ったのか、いまだに分からないですね。しかも公開前からですよ。この映画.comのレビューでも度々悪口や誹謗コメントを目にしました。正直僕も観る前は大丈夫だろうかと心配になる部分もありました。でも、63分という短尺の中に質の高いアニメーション技術を詰めるだけ詰めてストーリーもよくある心温まる系ではあるんですが、お見事といえる脚本構成の場面もあり、酷い始末に遭うような映画では絶対にないです。
ワニくんたちを中心にいろんなキャラクターが普通の日常を過ごすだけ、ではなくその中でほっこりできるアニメ特有の演出やキャラクターたちのやり取りがたくさん使われていて、万人受けしにくいのはなんとなくわかる気もするけど一つのアニメーション映画としては十分出来上がってるのではないかと思います。いつもの日常がどれだけ幸せでありがたいものなのかがよく分かりますね。そういう意味ではこの作品は人間の生活の中でも大切にされるような映画だと思います。でもワニくんがいなくなった後半は随分ストーリーのテンポが落ちた感じがしました。周りとキャラクター性が全然違うカエルくんもいきなり出てきて、ちょっと話に亀裂を入れられた感は否めないです。それでもカエルくんは必要なポジションでした(そもそも映画でいらないキャラなんていない)
結論を言えば、駄作と呼ばれるには程遠い作品でした。原作が駄作なら映画にしたら駄作だったかもしれませんが、あれだけTwitterで話題になって日本中が感動したんだから、叩かれる理由がありません。色々な意味で気の毒に思えた100ワニですが、この映画の製作に携わった監督をはじめスタッフ一同の方々、そして神木隆之介くん、中村倫也さん、木村昴さんといった出演者の方々、僕は映画ファンの一人として皆さんに感謝と敬意の言葉を送りたいと思います。これからも素晴らしい映画をたくさん世に送り出してください。
カエルの登場に意見分かれるが
Twitterで話題になっているということで、書籍版購入。映画館に行くほどではないだろうと思っていたらすぐに上映終わっていたようですね。
DVDレンタルになって観てみると、前半は淡々と進んで思っているより早い段階で終了となり呆気に取られていたら映画版オリジナルの後半スタート。
カエルの空気の読めないキャラにこれまたあっけにとられていましたが、見終わってみるとこのカエルも頑張ってキャラ作っているんだと、なんだか切なくなりました。
後半にワニの存在感はどんどん薄れていってしまったけど、批評や炎上になるほど悪い作品ではなかった(私的には)。
ワニで泣かなかったのになぜかカエルで不覚にも泣いてしまった。
4コマ漫画の世界観が上手く表現できてると思います。
4コマ漫画はコマとコマの間を読者が想像力を働かせて感じ観るもんだと思います。
その観点から言えば、この映画よくできてると思います。
特に、虚無感と喪失感、とめどない世の無常も感じました。
人生はドラマチックのようでドラマチックじゃなく、悲劇のようで喜劇であり、なんとなくもの悲しい・・
そういう心の機微が個人的には読み取れました。
100時間も無いワニ
内容は色々言われているので、あえて期待しては見なかったけど
それでも、評価を上げられない。
それよりも、正味1時間ちょっと。
これに1800円払わせてはいけない…
それが一番批判されるべき事実。
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