秘密の森の、その向こうのレビュー・感想・評価
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この詩的で芸術的な感じ、セリーヌ・シアマ監督ならでは
この詩的で芸術的な感じ、これはセリーヌ・シアマ監督ならでは。そして、フランス映画ならではだなぁ~という感じ。
映像もアート的だし、音楽を使わないのもいい。
不思議な余韻が、残りました。
ネリーとマリオンを演じた子役の双子姉妹の演技も自然で素晴らしかったです。ただネリーとマリオンが似すぎてて見分けがつかないので、青い服=ネリー、赤い服=マリオンと覚えておくといいですね。
不思議な魅力のある作品
“もう一度だけ見てみたかったの”…観終わった後、何とも形容し難いものが胸に込み上げてくる時を映画的瞬間と呼ぶのなら…ラスト「二人」の再会に胸に染々と暖かい何かが溢れてくる紛れもなく正に映画…
なんかジブリ的な。
独特な感慨に浸れます
なーるほどこういう話か。まったく予備知識なしで観に行ったので、まず、あれ、子役が似てんな〜なんでわざわざ似てんの選んでんのかな〜と思ったりしたが、な〜るほど、のまさかのファンタジーだった。
シアマ監督といえば〜ではないが、なるほど女同士をこういうことでやるという目の付け所はさすが。娘と母。さらに言うと親子三代か。わかった瞬間からいろんなことがこんがらがりつつ思い巡らせつつ、そしてラスト、さすがにああいったツーショットは見たことのない感慨を覚える。
このような話は、たぶんもっともったいぶって作り込んでもいいところ、この簡素&あっけなさで、ぶっちゃけ途中うとうとしてもいたけど子役の魅力で見せてける。
軽やかなステップでジワッときた。
パズル問題漏洩事件
ドラえもん
74分という上映時間が良い
セリフではおばあちゃん好きということになっているがオープニングでの表現が足りてない感じ。
役者が似てないから長尺で出したくなかったのかもしれないが
シリアルとトーストという貧相な朝食、文化がよくわからないので何とも言えないが・・・
お父さんは特に変な人ではないが、最初妙によそよそしい
車のなかで主人公がとてもいい子なのは伝わってくるが、お父さんとは別の車(逆に夫婦仲が悪いと想像できるのはここぐらい)
おばあちゃんの家に着いた直後のお母さんの闇を感じるホラーのような演出が謎
若いお母さんの父を見る目が燃ゆる女の肖像を彷彿させるものの、燃ゆる女の肖像のような耽美的な映像はなく意味が分かると怖い話的なやつなのかな?
考察系の作品なので短い上映時間はありがたい。
日曜の午前中に観たい一本
『燃ゆる女の肖像』を初めて見た時、派手なシーンはないし、台詞もそんなにない。なのに強烈な印象を持ってしまい、セリーヌ・シアマの新作だと知って観に行きました。
前作は海や浜辺とゴシックな城を行ったり来たりで、今回は森と家を行ったり来たりでこれまたシンプルかと思いきや、母と娘の絆を丁寧に美しく描いた映画でした。
祖母が亡くなった病院から始まり、祖母が住んでいた家の整理に来ていたネリーは近くの森で同じ8歳の実母マリオンと出会う。子供時代の母親と数日間遊ぶうちに母の秘密を知ることになる。
ネリーとマリアンを演じた双子が素晴らしかった。赤と青を中心とした衣装でしぐさも男女の特徴を表していた。ネリーは歩き方やポケットに手を突っ込むしぐさは男性的で無骨な印象を持ちました。一方マリアンは年相応の女の子ですが、森に落ちてある木の幹で小屋を作るタフな女の子。
この監督の特長がカットが切り替わる瞬間の1秒に演技力を爆発させていて、だんだんキャラクターがカットが切り替わるまで目が離せない時間でした。
確約された未来
おばあちゃんの遺品を整理しにおばあちゃんの家に滞在中のネリーが、森の中で幼い時の母親と出会い、仲を深める話。
完全にこれはフランス版『思い出のマーニー』。話の内容だけでなく、なんとなくマーニーを連想させるなぁってシーンがあって、2人でボート的なものに乗るシーンやくるっくるの髪をクシで雑にとかす(マーニーがお手伝いさんに無理やり髪とかされてたシーンあった気がする)シーンなど。
でも今作はより明確にネリーが母親の支えになっていて良かった。一人っ子で近々手術を控えた幼い頃の母親にとって、自分と似ていて同じ感覚を持ってる女の子の存在ってめっちゃ嬉しいだろうなぁ。自分も一人っ子なのでどれほど兄妹いる友達が羨ましかったことか(いや、今もまだ羨ましい)。
ネリーの存在だけじゃなくて、ネリーから教えてもらう確約された未来羨ましすぎる。母親は早くに亡くなるけど、ネリーという存在に必ず会える人生勝ち確じゃねえか。。
『燃える肖像』ではオルフェウス伝説になぞらえて、相手を思って振り返ってしまったが故に2人は引き裂かれるけど、今作は全く娘の方を振り返らない母親の後ろ姿でタイトルバックが表示されるので2人はもう1度巡り会える。ほっこりする。
とはいえやっぱりこの監督の作品眠い(笑)73分でも眠い(笑)
不思議な物語でかつ静かに淡々と展開する作品なのに飽きさせない芸術性
宮崎アニメの実写版という感じでした
8歳の少女が、亡くなった祖母の家の片付けを手伝う傍ら、家の周辺に広がる森に入り込んで行くと、自分とほぼ同じ年恰好の少女に出会うというお話でした。実はその少女、その日の朝から姿を消してしまった自分の母親の子供時代という設定。紅葉が映えるフランスの田舎の風景と可愛い少女が登場し、非常にふんわりした雰囲気の映画でしたが、実はSFなんですね。
端的に言えば、少女が主人公、森を通ると母親の少女時代にタイムスリップする、少女時代の母親と交流する、そして直前に亡くなった祖母の若い頃にも出会う、という構図なんですが、「となりのトトロ」や「千と千尋の神隠し」と言った宮崎アニメを実写にしたような印象でした。
そして驚いたのは、主役であるネリー、そして母親のマリオンの子供時代を演じたジョゼフィーヌ・サンスとガブリエル・サンスが双子らしく、見分けが付かないくらい似ていたこと。そして二人とも実に演技が上手い!(フランス語がサッパリなので、実際せりふ回しがどうなのかは分かりませんが。)ただあまりに似ており、最初は髪形が違っていたのでそれで判別出来るかと思っていたものの、シーンが替わる毎に髪形も変わるので、かなり注意深く真剣に観ていないと判別するのに迷ってしまいました(笑)
本作が素晴らしいのは、単に可愛い子役を使った映画というのに留まらず、登場人物たちの心の機微を役者たちが見事に描いていたことでした。そして物語的にも、現在の出来事とタイムスリップした過去の出来事が見事にリンクして、それらが終盤に向けてアウフヘーベンされていく創りは非常に印象深いものでした。
先月観た「デリシュ!」に引き続いてのフランス映画でしたが、いずれも景色が綺麗な上、物語もしっかりと創られていて、今後も要注目したいと思わせられました。
クレープのひっくり返し方
静謐な映像世界の中へ……
鋭敏な感覚で描き出された、謎めいた物語。
小品ながら、輝きを放っていました。上質な絵本のような作品だとも感じました。
登場人物は数人だけ。音楽もほとんどなく、静謐な映像世界が展開されます。
その世界はいつの間にか私たちの中に入りこみ、私たちもその世界の中に静かに足を踏み入れていきます。秘密の森の、その向こうに……。
「母と娘の絆」と、言葉で表わせば、いささか陳腐に感じられるかもしれないものを、いや、そんな言葉では簡単に言い表わせない強く深いなにかを、セリーヌ・シアマ監督は、この映画で見事に表現しているように思います。
前作『燃ゆる女の肖像』もそうだったけれど、すべてのシーンが美しいと言ってもいいほど本作の映像も素晴らしい。気品あふれる画面に魅了されました。
『燃ゆる~』と本作を観て、僕はすっかりシアマ監督のファンになってしまいました。次の作品も楽しみです(また「女性」を描くのでしょうか?)。
それはそうと、あの女の子たち、やっぱり双子の姉妹だったんですね。可愛すぎます~。
もう1回観たい。
秘密の森の秘密基地
いいですねこれ
上映時間の短さといい、クレジットといい、フロントのみのステレオ音声といい
これはアチラのTVムービーなのでしょうか?
それはともかく
冒頭の数分でハートをわしづかみにされました。
あー・・・いい演出する監督だなあ・・・これはきっと当たりだなあ・・・
この気持ちよさが最後まで持続しました。
嬉しい。
8歳の女の子が、お母さんの実家近くの森で、同じ8歳の頃のお母さんに出会うという不思議なお話がデリケートなタッチで淡々と語られます。
謎やその答えの提示の仕方がアメリカ映画や日本映画でよく見る手法ではありませんしドラマチックな盛り上がりも殆どありません。
子役の絶叫も泣きもありません。
日本映画で監督がこんな風に撮って行ったらプロデューサーからクソミソにダメ出しを食らうことでしょう。
「ここはもっと盛り上げんかい!」「誕生日の場面は泣かせどころやろ!こんなんで泣けるか!〇〇〇〇の主題歌流せ!」とかね。
ヨーロッパの映画に馴染んでいる観客には心地よく受け入れられる作風ではないでしょうか。
もっと上映時間が長くてもよかったかなあ。ずーっと観ていたかったですねえ。
何度も観たくなりそうだから円盤出たら買いますか。
いい映画でした。
抽象的な表現が好きな人向け?
決して難解ではないけど、説明もセリフも少なくて、あ、という感じで終わってしまう。7歳の子どもなら、森で出会った女の子の自宅が自分のおばあちゃんの家と同じなら、その時にそれを言うと思うんだけど、黙っている。 3世代の女性、と宣伝されているが、祖母とのコミュニケーションは殆どなくて(恐らく「オーヴォワール」と言えた、ということ)予告編を見ている者にはそこで説明されている感じがした。要は子ども目線で繊細な心情を描いた作品。
祖母の死により森の中の実家の片付けに行くが、途中で31歳の母親は身勝手にも出て行ってしまう。父親と2人になった主人公は、ボールを探しに行った森で母親と同じ名前の自分と瓜二つの同い年の女の子と会う。その子の家は祖母の実家の昔の状態の家で、祖母と同じく足の悪い母親と暮らしていた。女の子は3日後に足の手術をすると言う。自分の家にも連れてきて父親(将来の結婚相手)と3人で過ごしたりして、手術まで2人は出来るだけ遊ぶことにする。
子どもは親の行動を静かに見て感じ取っている、ということ。
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