仕掛人・藤枝梅安のレビュー・感想・評価
全164件中、41~60件目を表示
もうひと頑張りなんだよ。
このTVシリーズは子供の頃見ていた。
停滞していたTV時代劇に風穴を開けた傑作だったと思う。
本作も役者達の良さもさることながら、撮影部、照明部、美術、合成、映像美に関してはまあまあ楽しめたが、過去作を超える程では、、いや足元にも及ばない。オリジナルの映像は今見てもぶっ飛んでる。さらに子供時代の回想が今ひとつの出来である事とエロいシーンがエロくなかった。
でも今作は役者達が活躍している。
豊悦と愛之助の関係が新鮮で素晴らしく、お互いの小さな心遣いが沁みる。あと天海祐希の生き残る悪女っぷりが抜群に美しく、悲壮で、力強くてカッコよかった。演じてて楽しかっただろうなぁ。
なんだかんだ言ってるけど後編も観ますよ。
王道時代劇の進化版
生きているが故の哀しみ そして 掟
ロードショーで邦画を観るのは久しぶりだったが
観て良かったと心から思える映画だった
豊川悦司さん、片岡愛之助さんをはじめキャストの皆さんの演技の素晴らしさ
その雰囲気、言葉遣い、声色、所作全てが映像と物語にマッチして
素晴らしかった
池波正太郎さんの作品に見られる
市井の人々の暮らし、そのなかで生きることの哀しさ、喜びがあり
そうしなくては生きられなかった運命が非情な巡り合わせを用意して、心ならずも手にかける相手への思いを豊川悦司さん演じる梅安がみせてくれる
仕掛人として生きる主人公の深い哀しみと優しさが
片岡愛之助さん演じる彦さんへの仕草に見事に表現されていたように思う
殺しを裏稼業とする、悪党ではあるが今現代にもいてくれたらと
思わせる物語は見応えがあった
ぜひ第2部も観たいと思う
全体的には好きだけど
キャストはみんな素晴らしいし、セットも悪くないと思います。
ただ、説明過剰、セリフもナレーションもお肉が付きすぎています。
昔の仕掛人のイメージをひきずってるせいかもしれないけど、もっと観る人を信じて、スタイリッシュに作ってほしかったです。
あと、画面が小さいです。せっかく映画なのに映像に広がりがなくて、時代劇専門チャンネルの力なくしてはこういう映画を作れないのかもしれないけど、テレビで放送することを前提に作ってませんか?
豊川悦司は大好きだけど、やはりあまり喋らせないほうがいいです。緒形拳と比べてしまう私もいけませんが。表情、立ち姿は抜群です。
柳葉敏郎がよかったです。早乙女太一は殺陣も素晴らしく、むさい浪人姿なのに清廉な武士の輝きが眩しい。高畑淳子、小林薫、ほかベテランのみなさま流石でした。
最後の字幕が流れ始めたところで梅安の悲しみが急に押し寄せてきて涙が止まりませんでした。
出演者がフィットしてない感じ
かつてのプログラムピクチャーのように、スクリーンに時代劇を復活させようとする連作の第一部。
出だしの中村ゆりのアップから、水中での殺しまで、ダークなトーンとアクションで惹きつけられる。
しかし、本編に入って、菅野美穂、天海祐希が出てきてからは、出演者と作品の雰囲気がフィットしてない感じが気になってくる。梅安と彦さんとのバディものとしての面白さはあるが、クールなトヨエツと歌舞伎顔の愛之助では合っていない感じも。
ストーリー展開は、狭い因縁話に収まって、広がりを欠く気がしたが、原作どおりなのだろうか。後半の回想シーンの入れ方とか、テレビ的な感じ。悪役が全然魅力的じゃなかったし。
江戸の町中が舞台だったので、屋内シーンが多かったが、ラストの第二部の予告編では、地方が舞台で屋外ロケが結構ありそうなので、また違った面白さが期待できるかも。
新作時代劇をスクリーンで観られる至福
冒頭から江戸の夜の闇の濃さに魅了される。
闇の世界に生きる仕掛人の持つ善と悪が、江戸の夜を照らす灯りのように
曖昧ではかなく、美しい。
豊川悦司の肉体から放たれる色気もはりつめた世界ととてもマッチしていると思う。
説明しすぎない演出も好みで、こちらが余韻を十分味うことができる。むごいことが横行する世界で闇に生きる仕掛人こそが果たせる正義、この暗殺と正義のバランス感が押し付けがましくなくさすが池波正太郎の世界だなと。実は藤枝梅安シリーズは全く手を付けてないのだけど、2の前に読むか悩む。そのくらいこの映画は素晴らしかった。スクリーンで観ることができてよかったと思う。江戸の世界観の美と余韻に当分浸っていたい。
原作・ドラマ観たことないけど、全く問題なし
時代劇いいですねェ。
孤独を抱えた梅安と彦次郎が食べる「飯のうまさ」。
とてもインパクトのある「時代劇」であり、楽しませてもらった。法で裁くことができない悪人を闇で始末する「仕掛人」は、我々の勧善懲悪本能を刺激して愉快である。現実世界でも、殺したい相手がいる人は珍しくないと思う(心の中で思っているだけにしても)。そんな願望をフィクションで叶えてくれている。しかしこの作品の主人公は、表向きは正義のスーパーヒーローではなく、ただの暗殺者に過ぎない。高い報酬を得て非情な殺しをやりながら、当人は道理を弁え、人の道を大切にしているように思える。そんな人間の裏表、二面性が「仕掛人シリーズ」の魅力かもしれない。
返り討ちに合うかもしれないし、正体が知れたら殺されるかもしれない危険な稼業をなぜ続けているのかは分からない。しかしその死と隣り合わせの孤独感や悲しみのようなものはしっかり伝わってくる。梅安と彦次郎は、その思いを共有できる無二の朋友である。何も言わなくても分かり合える二人が、うまそうに飯を食う姿は何とも味がある。豊川悦司と片岡愛之助の絶妙なコンビと言えるだろう。
トヨエツ梅安
「時代劇だから」と敬遠する人にこそ観て欲しい一作。
時代を代表する様々な俳優が演じてきた藤枝梅安役を、豊川悦司が務めた二部作の第一作にあたる本作。池波正太郎の代表的作品だけに、様々に錯綜しながらもそれぞれ味わい深い人間関係、そして池波作品ではおなじみの、ひたすら美味しそうな料理が印象的な一作です。
豊川悦司は還暦を迎えてますます表情に渋さが加わり、また演技も円熟味を増していて、寡黙だがどこか優しさと愛嬌が漂う梅安を好演しています。むしろちょっと美声過ぎるところが目立つほど。
東映京都撮影所が手がけたという映像は隅々まで丹念に描かれていて、陰影を効かせた一つひとつの場面の美しさに圧倒されます。人間ドラマとしてももちろん楽しめる作品ですが、この映像の質感は特筆に値します。前述したように、映像の多くは陰影を強調しているため、場合によっては人物の表情も判別困難な程です。しかし、特に片岡愛之助は、視線の使い方が絶妙で、さすが歌舞伎役者としての圧倒的な存在感を放っていました。
池波正太郎と言えば料理、特に鶏鍋がお約束ですが、本作で登場する料理もどれも非常に美味しそうで、かつ梅安(豊川悦司)と彦次郎(片岡愛之助)の分かちがたい絆を象徴する存在として描かれており、この点でも感心させられます。いわゆる「悪女」の描き方もまた、池波正太郎作品の風味を十二分に再現していますが、現代の視点から見ればやや時代がかった印象を与えてしまうことも事実。ここはもう少し工夫があれば、と感じました(生い立ちを描写するなどの脚本上の配慮は見られたのですが)。
ともあれ劇場で十二分に堪能できる極めて上質の時代劇である事は間違いないし、次作の公開もと今から楽しみです。「時代劇」だから古くさいんじゃないの?と思っている人にこそ観て欲しい作品です。
時代劇好きなら観ておくべき作品
「鬼平犯科帳」や「剣客商売」と並ぶ池波正太郎の代表的な時代小説「仕掛人・藤枝梅安」を原作とした作品でした。鬼平などもそうですが、梅安先生シリーズもこれまで何度もテレビドラマ化、映画化されており、今回は梅安役を豊川悦司が、相棒の彦次郎役を片岡愛之助が演じており、その他のキャストも天海祐希、柳葉敏郎らが起用されており、近年製作された創作物の時代劇映画としては、異例と言ってもいいほどの豪華な作りでした。(そもそも戦国時代と幕末物以外の時代劇が、映画・テレビを問わず新しく作られることすら少ないのが現状ですが。。。)
本作のストーリーは、原作でも最初の作品となった「おんなごろし」を土台にしたものでした。金で殺しを請け負う仕掛人の梅安や彦次郎ですが、相手が女性だと躊躇いがあるのか、はたまた請け負った仕掛けの裏に納得できないものを感じたのか、しきりに「女は怖い」というセリフを発していたところが印象的でした。ミソジニーやジェンダーフリーに対する考え方が急激に変化し、数十年前の時代劇なら普通に発せられていたこの類のセリフですが、最近は時代劇の再放送以外では殆ど耳にしなくなっていました。
そもそも時代劇が新たに作られることが少ないこともありますが、新作の時代劇が作られても、現代的な思考回路をもとに製作しているため、この手のセリフはご法度になっている感があります。だからこそ新作時代劇映画でこのセリフを耳にした私は、ちょっとビクッとしてしまいました。まあ池波正太郎の原作にもこのセリフはある訳だし、本作は不特定多数が観るテレビではなく、劇場公開される映画なので、原作の世界を再現するという意味では何ら問題はないものと思いますが、時代が時代だけに時代劇ファンの私ですら、妙な違和感を覚えてしまったのが、実に不思議な感覚でした。
違和感と言えば、梅安が住む品川台町の街並みのバックに、実際の距離からすればあまりにもデカ過ぎる富士山が描かれたのも、ちょっと笑ってしまいました。確かに月夜の晩に富士山をバックにした街並みの夜景は実に綺麗なのですが、この画面を観て、ふと昨年公開されたブラッド・ピット主演の「ブレット・トレイン」で描かれた、西洋人が思い浮かべそうな日本の風景を思い浮かべてしまいました。エンドロールでも、役者の名前が日本語とともにアルファベット表記も併記されていましたので、海外での上映も視野に入れているのかも知れませんね。そのための富士山だとしたら、ちょっと複雑な気分ではあります。
あまり内容に触れないままに総括したいと思いますが、本作は豊川梅安の一作目らしく、今年4月に二作目が上映されるとか。そちらも観た上で最終的な評価をすべきなのかも知れませんが、とりあえず本作については、最近稀な創作物の時代劇映画であり、かつキャストも豪華であり、何よりも原作が池波正太郎作品と言うこともあって安定感があるので、ちょっとした違和感はあったものの、星4の評価としたいと思います。
時代劇だからこそ味わえるエンターテイメント
私がわざわざお金を払って映画館へ行く理由は、現実とは離れた別世界へ連れて行ってもらうためなのです!現代の人がリモートでの生活に慣れてきた中、顔と顔を突き合わせて話をする、体温が感じるほどの距離感で人の温かさを感じます。江戸の風景もほんとうにそこにいるかのような美しい町並み。見たことない景色なはずなのに懐かしい気持ち。仕掛人という未知のダークなキャラクターにもゾクゾクさせられる。キャストは大御所揃いで期待を超える迫力、映画の世界にグングン引き込まれました!池波正太郎さんならではの美味しそうな江戸料理の数々にお腹減りますが、生きてるってことです!
全164件中、41~60件目を表示