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愛と闇の物語

自宅で、旅先で、移動中に…、
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「愛と闇の物語」が配信されているサービスは見つかりませんでした。

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愛と闇の物語

解説・あらすじ

「ブラック・スワン」のナタリー・ポートマンが監督・脚本・主演を務め、イスラエルの作家でジャーナリストのアモス・オズの自伝的小説を映画化。イスラエル建国前夜、幼少期のアモスが両親とともに過ごしていた英国統治下のエルサレムで体験した日々を描いた。1945年、英国統治下のエルサレムで父アリー、母ファニアとともに暮らす少年アモス。一家は、ほかの多くのユダヤ人同様に、迫害から逃れるためヨーロッパから移住してきた。しかし母のファニアは、戦争の恐怖と、その後に続く日々の退屈さによって心に影を落としていた。さまざまな不安や不満が鬱積する中、ファニアは持ち前の想像力を生かして冒険物語を創作しては、息子のアモスに語って聞かせていた。そしてアモスにとっては、母から物語を聞かされたことや詩を詠んでもらったこと、言葉や言語を教えてもらったことが、後の人生に大きな影響を与えていく。ナタリー・ポートマンが母ファニアを演じた。
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ワンコ
ワンコさん
4.0
投稿日:2021-02-21
この物語は、原作者アモス・オズの母親の苦悩を描いたものであり、また、アモス自身の苦悩の物語でもあり、更に、ナタリー・ポートマンの苦悩でもあるのだと思う。

アイデンティティとは何かを問う苦悩なのではないか。

迫害から逃れてたどり着いたエルサレム。
戦争が終われば、生まれ育った故郷に帰れると信じていたのが、イスラエル建国で、そこにとどまることを余儀なくされる。

希望が叶うと熱狂は冷める。

だが、それだけではないだろう。

イスラエル建国は長年のユダヤ人の夢のように考えられがちだが、イスラエルの地に多くのユダヤ人を押し込めて、厄介払いする方が良いと考えたヨーロッパ人が少なくなかったのも事実だ。

イスラエル建国によって、それまでの自身のヒストリーと、それを背景にしたアイデンティティを失ってしまったファニア。

その苦悩を受け継ぐアモス。

アモスは自由を求めても、所詮、それは不自由な世界で与えられた自由なのだと感じたのではないだろうか。

ポートマンという姓からも想像できるように、ナタリー・.ポートマンはアメリカ育ちのユダヤ人だ。
生まれはエルサレム。
ポートマンは、祖母の名前から取った芸名らしいが、〇〇マンは、ユダヤ人の典型的な姓だ。

彼女は、エルサレム生まれであることをアイデンティティのように語っていた時代もあったが、今は、イスラエルとは距離を置いている。

おそらく、パレスチナへの対応など様々な問題が背景にあるのだろう。

信じていたものが、実は、想像とはかけ離れていた。

宗教が特定の人を救うことはある。
しかし、宗教が全ての人を救うわけではない。
人に苦痛を強いて得られるものとはなんだろうか。

本当は、希望こそが人の生きる糧ではないのか。
宗教が人の希望を妨げるものであって良いはずがないのだ。

しかし、これは、ユダヤ教というスコープを通して見た僕達の世界そのものではないのか。

宗教も、政治も、〇〇主義も、特定の断面からしか見てないのであれば、盲目と同じだったりする。

作品の暗さは、そんな意味もあるのではないだろうか。

※ なんか、評価低いだろうなと思いながら観てしまったけど、考えさせられる。
鑑賞日:2021年2月21日 で鑑賞