「王道ハートフル親子愛ムービー」とんび ミニ映画野郎さんの映画レビュー(感想・評価)
王道ハートフル親子愛ムービー
(原作は未読だが)良くも悪くもどストレート過ぎて、しっかりお涙頂戴された部分もあったが、物足りない気分にもなった。
瀬々監督は直球を投げさせたらずっしりと重みがあるが、変化球もほしいところ。
子を持つ親ならどうしても感情移入はしてしまうが、少し出来過ぎた展開だった。
母親を亡くし街のみんなに育てられたというテーマなのに、そのシーンや積み重ねた年月の厚みが見られなかった。139分ある割に描き方が薄かった印象。
特におじいちゃんになった時代のシーンは必要だったのかと思わせるぐらい老いメイクが低クオリティでコントみたいだった…あと少年時代の坊主もヅラ感満載で見ていられなかった…
また世代を超えて年月が行き来する構成になっているが、阿部寛が変わらなさ過ぎて若干違いが分かりづらかった。
ただ昭和の時代や田舎の人情感は懐かしくなったし、帰る場所があるっていいなって改めて思った。
阿部寛の演技はどんどん年季が入り厚みが増している。(直近で同じく瀬々監督の『護られなかった者たちへ』など)その渋い顔で堪える目からこぼれ落ちる涙に何度もやられた。
他はなんだか全体的にふわっとした芝居に感じてしまった。安田顕と濱田岳には笑わせられたけど。
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