「インターネット犯罪に合わないための啓蒙として各国に映画化してほしい題材」SNS 少女たちの10日間 神社エールさんの映画レビュー(感想・評価)
インターネット犯罪に合わないための啓蒙として各国に映画化してほしい題材
ヴィート・クルサーク監督作品は初見。
ほとんどの人に日常として浸透したSNSでの女性への性的被害についてのドキュメンタリーと言うことで、SNSの一利用者として観ておくべき作品だと思ったので観賞してみた。
この作品を観終わった後に思ったのは、各国で制作されるべき内容で、未成年がインターネット全般を使う上で犯罪に合わないための教材として観るべき内容だった。
そのまま12歳を起用すると性的被害や児童虐待になる題材をドキュメンタリーにする為に、成人女性を起用して行ってもらうことで制作出来たのは良いアイデアだと思うけど、事前の同意やアフターケアがあるとは言え、自分の欲求を解消したいが故の悪意の塊をぶつけられる(しかもそれは優しげな声で覆う人間もいる)のは精神的負担が大きいんじゃないかと思った。
自分もネット上で絡まれて暴言を吐かれた経験はあるけれど、性的な被害を受けることはなかったので、女性はこんな下衆なことを通り魔的にネット上でされているのかと気分が悪くなって嫌な動悸がしたし、作品中で言われているようにこんな経験が男性経験の一番最初になるとそれがトラウマになってこの後の男性がまるごとこういうモノだって思うのもしょうがないと思う。
加害者の顔を目と口のみモザイク掛けていないのもニヤニヤした顔や支配してやろうって高圧的な表情が伺えて更に嫌悪感を抱いたし、スタッフロールでSkype着信音を女性合唱にしてたのはまるで通話先の加害者に女性達が泣かされているようで、この作品を端的に表してる気がした。
監督は"悪質な人や行為を完全に無くすことは難しいのです。
社会全体での議論を開始し、ネット上での攻撃者からどう子どもたちを保護するのか、それだけでなく自分たちでどのように守っていくのか、その方法について前向きなアイデアが生み出されることを望みます。子どもたちが危険な状況に遭遇することを忘れないでください。また、この映画が報復を扇動するようなことや、何か子どもたちに危害を与えそうと思われるものを禁ずるような流れにはならないことを願います。
子供たちが身を屈めてタブレット端末をじっと見ているより、もっと楽しいことがあるということを伝えていくべきなのです。私たちから始めましょう。私も常にスマートフォンに目を細めながらメールを打ったりしています。そしてそれが良くないことだと分かっています。私のため、そして私の子供たちのためにも、そんな姿で彼らに記憶されるのは望ましくないのです。"と言ってるのが概ね同意出来るけれど、加害者の動機やそういう犯罪に合わない為に行われていることについては描かれていないように感じた。
この作品が制作されたのは2020年だけど、その頃日本では架空のキャラクターが描かれたポスターが『女性の性的被害を助長する』として規制しようとする"自称フェミニスト"の一部の人たちがいて、そういう人たちにこそ実際に性被害を受けている人にどういうことをされているのか、それを起こさない為に本当にするべきことはなんなのか、日本やその他の国でも各々のインターネットでの犯罪に合わない為の啓蒙活動含めて映画化してほしい題材だと思った。
本当に、教育の一貫として全世界の被害者になりうる少女だけでなく、加害者や傍観者にも、みてほしい映画だと思います。
けれど日本の萌え絵問題と比較するのはまた別の話ではないのかと考えます。(直接的、間接的な影響であれ)どちらも問題であって、改善すべきである。
そんなことよりこっちの方が問題なのだからこっちを優先して考えろというのは、
映画で最後に加害者が言っていた、児童虐待なんかより、ジプシーの生活保護の社会問題の方が問題なんだからそっちを取り上げるべきだと言っていたのと同じではないのだろうか。