「アス、アス、アス・・・」僕が跳びはねる理由 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
アス、アス、アス・・・
健常人ならまず全体像を見るのに対し、自閉症の子は部分から見る。このことがもっとも理解しやすかった。過去の記憶も現在の記憶も同列で、いろんな引き出しから時系列関係なく記憶を探り出すこと。う~む、納得。
作家・東田直樹がわずか13歳の時に執筆したエッセイをもとにしたドキュメンタリーであり、理解されにくかった自閉症者の内面や思考、記憶を教えてくれる。彼らから見たら「普通」の意味すらわからない。そう言われると、自分自身も普通なのかな?などと深い溝に落ちてしまいそうになりました。口からスピーディに言葉が出てくる人なんてのは、自分から見ても才能を感じてしまう。同じかもなぁ・・・
印象に残るのは文字盤を使えば意思を伝えることができることや、女の子が車窓の風景を見ているだけで恐怖心がわいてくるということ。会話でのコミュニケーションだけではなく、見えている世界が違うのだ。それを理解してあげれば一緒に生活することもできる。症状を個性だとしてとらえれば、自閉症者にかぎらず、人の心をわかってあげたい気持ちになれるのだと思います。
ドキュメンタリーとしても優れているけど、それ以上に映像が綺麗だったことに驚きました。
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