劇場公開日 2021年4月2日

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「映像が豊かで美しい。」僕が跳びはねる理由 はるたろうさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0映像が豊かで美しい。

2021年4月17日
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鑑賞方法:映画館

東田直樹さんのことは今作で知りました。自閉症スペクトラムを抱える5人の若者と家族を通して、その繊細で鋭い感性の一端を少しだけ共有することができたように思います。しっかりとしたドキュメンタリー映画でした。

社会は「じっとしていられない」「コミュニケーションが苦手」というイメージでひと括りにして彼らの居場所を奪ってきてしまったのかもしれない。

私が小学生の頃なのでもう30年近く前になりますが、まさにいつも跳びはねているクラスメイトがいた。プリントを食べたり、椅子ごとひっくり返って頭を切ったり四六時中目が離せなかった。その頃は今ほど発達障害や自閉症という言葉に馴染みがなく彼は当然のように「障がい者」として“優しくしてあげなければならない存在”だった。なんて無知で失礼な考えなんだと今更ながら恥ずかしく思う。

知らないということは簡単で、知ろうとしないことは愚かだと改めて思い知らされました。障害か個性か。当事者でない私が軽々しく口にすることは難しい。

でも彼らは私たちとは違う感覚で世界を見ている。つまり私たちには見えていないものがきっと沢山見えている。一緒にいて学ぶことはきっと多いと思う。

はるたろう