クライ・マッチョのレビュー・感想・評価
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「Sabor a mi」だけが強烈に印象に残っている
70年代の映画みたいだ。
前情報を何も入れずに観たが故に、この映画がロードムービーであることに気づいたのは上映開始からだいぶ経ってから。まぁそれも良い。イーストウッド映画には、いい意味で、もはや何も期待していない。イーストウッドの映画はとりあえず観る。それだけだ。
シンプル。物語もオーソドックスで、なーんの飾り気も捻りもない。でもね。アメリカとメキシコの荒野、そして、メキシコの名もなき村に滞在している間にかかる曲「Sabor a mi」だけが強烈に印象に残っている。
最近考えが変わった。
映画には「目的」も「意味」も「うんちく」も必要ないと思うんだ。観ている間にそれらの余計なことを全て忘れることのできる映画こそが、その人にとっての本当に良い映画だと思う。本作は、全て忘れて観れました。結構こういう経験は珍しい(余計なうんちくばかりが日々溜まっていくからにゃあ)。映画の最初から最後まで、スクリーンをただただぼーっと眺めていただけだ。でも眠くなったりはしなかった。
イーストウッドもそろそろお迎えが来る歳だ。彼の新作が観れなくなるのは寂しい。
ラストスタンドの漢
お疲れ様です。
おじさんのロードムービー
クリント・イーストウッドが監督・製作・主演を務め、落ちぶれた元ロデ...
クリント・イーストウッドが監督・製作・主演を務め、落ちぶれた元ロデオスターの男が、親の愛を知らない少年とともにメキシコを旅する中で「本当の強さ」の新たな価値観に目覚めていく姿を描いたヒューマンドラマ。
永遠のカウボーイ、尊敬を込めて
かつて日本のテレビでも、アメリカの西部劇番組が人気で、そこにはタフで正義感が強く、だけど弱い者には優しいカウボーイが居た。ローハイド、ララミー牧場、拳銃無宿。
彼らは死んではいなかった、この映画の中に居た。たとえ老いてはしても、西部の大牧場の中ではなくとも。
少年の父親が実は嘘をついていたのを知った後も、主人公は少年を連れて行く。それは、理屈よりも自分の人生を生きろ、世の中悪いことばかりじゃない、というクリント・イーストウッドのメッセージだろう。最後の「Find new home」の歌には泣けた。
とても良い映画を観てしまった感じ。
こんなイーストウッド見たくない
イーストウッドらしい人間交差系映画
まだまだ、現役?
退屈と言われるかもしれない、でも、悪くない
元カウボーイ
旧友の義理
旅と出会い
少年との友情
そんな、クリントイーストウッド臭の漂うアイテムで飾られるも、そこには緊迫や衝撃の展開もなければ、意表を突いたラストも用意されていません。
退屈だと評価されるのも仕方ないけど、私は嫌いじゃなかった。
夕陽を背に鶏を間に挟んだシルエット、心を開きふざける少年を眺める老人の表情、小屋のような教会の佇まい、朝日とともに届けられた朝食、レストランの陽だまりの中でのダンス。ゆっくりと、美しい絵画の連なりと温かく深みのある台詞を追う、心地のよい作品です。
そしてもう一つ。老いることも悪くない、楽しみが増えるかも、とも思わせてくれる作品。90歳で監督と主演を務めることのできる唯一無二の存在ゆえの、説得力なんだろうなぁと思います。
生涯現役の姿は見事ですが
かつてマッチョだった男の再生劇
最近の映画は2時間30分声は当たり前になってきた。多くの娯楽映画がアトラクションの要素を増やしてきてもちろんそれは十分見ているものを楽しませてくれるし映画館の大スクリーンで見るそれは面白いのだがやはり長く感じる。しかしそんな中でこの作品は昔ながらの空気感やプロットを今の我々にも伝えてくれる。それは言い換えれば「古臭い」と言われてしまうかもしれない。派手なシーンもなければ、敵も武装はしていないし相手は1人で追いかけてくる。普通は何十人も連れて来るかもしれないがそこはお約束で正々堂々と向かってくる。イーストウッドは見るからに年季がこもっており、彼の振るうパンチは少し弱っちく見えてしまう。その老人のパンチ一発で沈む若者は側からみて違和感を覚える人は多いと思う。しかしこの映画はそんな昔気質で、イーストウッドという人物が好きならば楽しめる作品だとは思う。
この映画を見終わって思ったのは、「ただひたすらのんびりできた」と思ったのが印象的だった。簡潔に言えばメキシコにいる若造をただ連れてくるだけの物語なのだが、メキシコの広大な風景、馬の躍動感、人と人との文字では言い表せない感触の美しさ、そこに生きる人々の絆、よそ者であるイーストウッドたちを受け入れてくれる現地の人々の優しさ、太陽の照具合、遠くに見える荒野の熱気、建物がほとんど出てこない広々とした空間、余計なシーンがないからこそ物語に惹かれるし、その時間はゆっくり静かに流れる。そんなゆったりとした風景を見たときに忙しなく物語に集中して見れたことがこの作品の最大の魅力なのだと思った。
ニワトリが大活躍するのも愛しいです
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