クライ・マッチョのレビュー・感想・評価
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歳重ねたなりの良作。
イーストウッドのカーテンコールみたいな作品
クリント・イーストウッドは偉大な俳優であり
映画人だと思います。それは揺るぎないです。
監督した作品で大好きなものも多数です。
ですが、本作は正直がっかりしました。
期待が大きすぎたのかもしれません。
俳優、クリント・イーストウッドにはこの役は
ミスマッチにしか見えないのです。年齢的な
ズレを感じざるを得ませんでした。
西部劇テイスト十分わかります。
イーストウッドが過去に演じたタフでかっこいい
ヒーロー像が見え隠れする主人公、わかります。
けど、ちょっと厳しかったなぁ。
あの歩き方の人間が華麗に馬を調教する・・・
難しいでしょう・・・・哀しくなってきちゃいました。
無理を感じてしまって・・・。
企画の意図はわかりますが、もっと敵役が
ある気がしますよ。
「コレジャナイ感」が・・・・・。
お話は悪くないのですが良くも悪くも、
チープなウェスタン。お話も展開も軽い。
メキシコ舞台ってのも嫌いじゃないのですが、
なんていうんだろうなぁ、シビアさも緊張感も
敵役のレベルもぜーんぶ「シルバー世代レベル」で・・・・。
話の内容も感動、爽やかさも全てにおいて
「シルバー世代」感が・・・・。悲し。
ですから、本作はあくまで多大なる功績を
重ねてきたイーストウッドのカーテンコール作品と
認識することにしました。そうでも思わないと
気持ちのバランスが保てません。
けどね、イーストウッドが時折見せる微笑みには
胸撃ち抜かれます。ドキューン!って。
ずるいなぁ。チックショー、かっこいいじゃぁねぇかよ。
この監督の作品を昔から見ている人には何かしらわかる仕掛けがあったり...
イーストウッド好きでもきついかもな映画
よくある筋立ての話なのにこれ程心を揺さぶられる映画に仕立て上げる演出は正に名人技。メキシコの田舎町での疑似家族の様に食卓を囲むシーンの温かさ・美しさに涙が溢れる。
①久しぶりに“上手い”演出の映画を見せてもらった気分。昔のハリウッドにはとにかく演出(映画の語り方)の“上手い”監督が本当に多かった。ウィリアム・ワイラー、ビリー・ワイルダー、ヒッチコック、ジンネマン、キャプラ等々。『アメリカン・スパイナー』ではさほど感じなかったが、本作ではイーストウッドはそういったアメリカ映画の名監督たちの系譜に繋がっていることが良く分かった。②イーストウッドとは『荒野の用心棒』『ダーティー・ハリー』『ガントレット』の頃からのお付き合いですが、本当にお爺ちゃんになっちゃいましたねぇ。やや猫背になっちゃってるし。でも乗馬シーン(荒馬を乗りこなすシーンはさすがにスタントでしょうけれど)や未亡人やその孫娘達との交流シーンでは爺様感はなくまだ現役感を醸し出しているのは流石にスター。
メキシコ人少年をアメリカの家族のもとに届ける作品です。あれ、最近どっかで見たな・・
淡々としたロードムービー
エンドロールのあとから・・・
1 かつてのロデオスタ--が依頼により、一人の少年を母親から連れ出し父親に送り届けるまでのロ−ドム−ビ−。
2 カントリー音楽が流れるなか、主人公が登場するファ−ストシ−ンから依頼を受け旅立つまでは簡潔で良かった。
しかし、少年を連れ去り逃避行するメインスト−リ−は全然食い足りなかった。
豪勢な暮らしをする毒親の母と家を出て闘鶏する少年の人物造形が雑であること、主人公と住所不定の少年とが街なかで遭遇する場面や少年を連れて町を出る場面には何ら緊迫感がない。逃避行にあっても母親側の追っては実力不足。父親が息子に会いたいとする真意を少年が知ったあとの描写は中途半端。
3 その代わり、サイドストーリーとして、逃避行の最中、車が故障し、止むなく滞在した田舎町での生活描写は、しみじみして良かった。主人公と少年は町の食堂の未亡人家族と仲良くなり、主人公はかつての経歴を活かし住民の中に入っていき、少年は人との触れ合いの中で安らぎを得る。ラストシーンと照らし合わせれば、この町での描写がメインなのかもしれない。エンドロールのあともこの町で残された人生を謳歌する主人公の姿が頭に浮かぶ。そして少年もいずれ父から離れてこの町に戻ってくるのではないだろうか。そんな想像をしてしまう。
4 イ−ストウッドの監督作品としては、出来栄えは良いとは思わない。グラントリノの厳しさはなく、運び屋の緊迫感もなく、枯れてきた感じがする。俳優としては佇まいに味わい深いものはあるが、動けなくなってきている。老境をあるがままの自然体で演じきった。
優しいクリントぱぱ
国境とマッチョ
こんぐらいで良い
クライマッチョってなんとなく男泣きみたいな意味かと思ってましたが、そうでなく一応テーマ的な事を語らせるけれど、それも別に聞き流しても良いぐらいの暖かさ。昔世話してやったことを掘り返させるだけで、物語を進ませてしまうのが楽しい。すいすい進ませていき、たまに小石ぐらいのトラブルもあるけれど、それもビックリしないぐらいのソリューションで乗り越えていく。映画なんてこれぐらいで良いんだよという余裕が楽しい。みんなメッセージ過多じゃないかい。という軽い感覚が気持ちいい。今でもジャンル映画は作られているが、イーストウッドみたいに評価されていない。大作で流されてしまい上映が減ってしまっているがリーアム・ニーソンの映画も観に行こう。
調教師
落馬事故で落ちぶれ老いた元ロデオスターと親の愛を受けずに育ったやさぐれ少年と旅するロードムービー。
テキサスの牧場で働く主人公が、メキシコで暮らす元妻のもとから息子を連れてくる様友人で雇い主の男に頼まれて巻き起こるストーリー。
父親には捨てられて、母親には見捨てられて、やさぐれ独りで生きてる13歳のマッチョに憧れる少年が、爺さんと共に旅する中で、一進一退ながら成長する姿をみせる展開は、ありがちだけど良い感じ。
逃避行そのものが、巻き込まれた訳ではないけれど、まるで巻き込まれたかの様な感じだったり、馬のケガからの完全な巻き込まれ?はなかなかユニークだし、そして何より、かなり都合が良いけれど、人との交流が温かくとても面白かった。
更に深化する娯楽映画の英雄
いろんな感想があがる前に観たかった『クライマッチョ』。大好きな『センチメンタルアドベンチャー』の時は親子で旅するロードムービーだったけど、今や孫とじいさんとなってメキシコ国境を目指す。と、言っても才気ばしった若手なら狙うべきアメリカ南部の絵柄も車のショットもあるだろうに、もはや撮るべきあらゆるものは撮ってるんで、と言わんばかりの省略でそんなものは映らない。必要最低限のショットでじいさんのミッション劇がはじまる。
途中立ち寄ってしばし居付くことになるメキシコの未亡人一家のシークエンスがキャスティング含めて素晴らしい。この時のイーストウッドの顔がまたよくて、じんわり涙がでる。映画の中で山ほど拳銃をぶっ放してきた人と思えない老境の天使の眼差したるや。ワンショットでアップで抜かれたらおそらく泣いているだろうが監督でもある自分がそんなことするわけはない。
『許されざる者』から30年か。もういつでも遺作とか言われつつ、ひとえに「老い」と言っても3段階も4段階もあるんだなっていうグラデーションの30年。段々と立ち姿も曲がってきて、この年齢の主人公の映画が観れるのは、もうイーストウッド以外いないんだなぁって思った。
しかし一言言うと、CMはことごとくポイントを掴んでおらず、ワーナーの宣伝の人間はこの映画の何をどう観たらああいったものがつけれるのか毎回謎
マッチョでカッチョ良い爺さん
いろいろと無理が…
毎回よい作品を世に送り出してくれているクリント・イーストウッドが、今度はどんなテーマを投げかけてくれるのかと期待して鑑賞してきました。しかし、本作のテーマは「本当の強さ」とか「生き方」とかになるのかもしれませんが、どちらも今ひとつピンときませんでした。率直に言うと、ただただクリント・イーストウッドの姿を見続ける作品といった感じです。
ストーリーは、かつてはロデオスターとして一世を風靡したものの、落馬事故を機に落ちぶれ、老いさらばえた男・マイクが、恩ある知人からメキシコにいる彼の息子・ラフォを連れ帰ってほしいと頼まれ、メキシコからアメリカ国境に戻る旅路での二人の交流を描くというもの。ロードムービー的であり、バディムービー的でもありますが、どちらも徹底した描かれ方はしていません。というのも、道中のある町に長く留まったり、二人が相互に強く影響し合ったと思える描写も少なく感じたからです。というわけで、冒頭で述べたような、クリント・イーストウッドを鑑賞する作品という印象になるわけです。
では、つまらなかったかというと、そうでもないです。少年との交流、滞在した町での暮らしぶり、ノスタルジックな風景などを味わい、ほっこりと心温まる時間を過ごすことができました。警察相手に「運び屋じゃない!」と悪づくシーンも笑えました。また、老いてなお監督、主演を務めるクリント・イーストウッドには、驚異的なバイタリティと貫禄を感じました。名優、名監督として名を馳せた彼もすでに91歳。年齢を考えると、本当によくやっています。
しかし、観客に「よくやっている」と思わせるところに、彼の限界を感じてしまいました。ほとんどゆっくり歩くか車を運転しているだけで、ダンスのステップもおぼつかない姿には、さすがに主演には無理があったのではないかと感じます。ストーリー的にも、そもそもこんなおじいちゃんに頼まないし、おじいちゃんにやられる追手が弱すぎ&アホすぎに見えるし、おじいちゃんモテすぎだし、馬の調教シーンは顔が映らないし…って感じで、無理がありすぎです。クリント・イーストウッドじゃなかったら許されませんよ!でも、逆に彼だから許されるわけで、そういう意味ではやはり偉大な存在だと言わざるを得ません。
のんびり逃走劇
2022年劇場鑑賞15本目。
メキシコで母親に虐待されている昔手放した息子を連れてきて欲しいと頼まれたクリント・イーストウッドが、追手から逃れつつアメリカに向かう話。
と聞くと手に汗握るアクションや子供との交流によって生まれる絆、みたいなのを想像すると思います。まあ後半はあるっちゃあるんですが、どちらかというと90すぎのおじいさんがモテモテなのと、ちょっと気に入らないシーンがありまして評価は大分低いです。
ストーリーの展開上割と序盤で車を拝借するシーンがあって、ボロ車なのですが、車ってボロければボロいほどその人の総資産のほとんどを占めていると思うんですよ。それを考えるともう盗まれて困っている人の事しか考えられなくなってしまって全然登場人物に共感できなくなってしまいました。
後はもう追われている割にはすごくゆったりとした時間が流れちゃっているのも眠気を誘う・・・。
唯一良かったのはニワトリってこんなに演技できるの!?というところでしょうか。動物初のアカデミー助演男優賞(雄鶏なので)受賞して欲しいですね。
良いぬるま湯加減。なんと、ニワトリじゃあないか。
※ネタバレをしているような感じもありますが、絶対に初見でこの感想を映画館で受け取る人はいないと信じて、ネタバレあり制限はかけません。
公開日、「ハウスオブグッチ」とどっちを先に行こうか悩んで今日行ってきました「クライマッチョ」。
感想を一言で言うなら、まさに表題のような感じです。なんといいましょう。普段は40℃とかのお湯なんだけど、ちょっとお湯が冷たくなってて、「あ、まぁ悪くないかも」みたいな感じ。
しかしですね。これがなんとビックリ。実はこの映画、おじいちゃんが頑張る映画の皮を被っていますが、実はニワトリが主役なのです。近年稀に見るニワトリ映画なのです(そんなジャンルがあるのかは定かではない...)。
とにかく、あらゆる場面で頑張るニワトリ、寝ると起こしてくれるニワトリ、見事なクライマッチョを飾るニワトリ。こんなにもニワトリに奉仕された映画がかつてあったのでしょうか?私は「チキンラン」しか知りません。
この映画を傑作「グラントリノ」と同種のものとして考えると、かなり違ってきてしまうと思います。どっちの方が好きかは、まぁ置いといて...。
しかし、イーストウッドが自身の集大成として、ニワトリを描いた今作を、私は愉快な作品だったなぁと思いました。全体としても、「男らしさ」というよりは可愛らしい映画だったなぁと思いました。まさか自身のマッチョ性を、ニワトリを手に入れるで取り戻すなんて、誰が予想できようか...。
本当の強さ、それは、ニワトリだった。
嘘か真か、是非劇場でお確かめ下さい。
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さて、ここからは余談というかある意味個人的に本題ですが、今作は元々アーノルド・シュワルツェネッガーを主演として考えられていた作品だったそうですね。そう考えると「マッチョ」にも納得のいく所があります。そこで思ったのが、おそらくそのままシュワちゃんでやってた場合、パート・レイノルズの遺作「ラストムービースター」のようなセルフ自伝作品としての意味深い映画として完成されたのかなぁとか、思ったりもしましたね。
「マッチョを信じて、マッチョに生きてきた男が、今日そうでなくなった事で虚無感に襲われて、人生を自堕落に過ごしてきちまった」
みたいな?まぁ本人がそうかは別の話ですがね...。で、子供への継承は、なんていうか「ローガン」な感じで?そうなら、シュワちゃん版も結構観たかったなぁとか思ったりしますね。シュワちゃんだと、ニワトリうっかり殺しちゃいそうですがね....。
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