「新しきを知るリミックス」THE FIRST SLAM DUNK 室木雄太さんの映画レビュー(感想・評価)
新しきを知るリミックス
公開日まで保たれていた静かなる期待感には、満点解答で応えてみせる。そんな雄彦氏の心意気がしっかりと胸に響き渡る。かの時代、そのアニメーションとは表現が異なる、正に“漫画の世界が躍動”する姿が映し出された、渾身の長編だろう。台詞や擬音も無くした“あの”ゲームセットに向かうラストシーンが、脳裏からスクリーンへ表現されたのだ。新鮮な視点からの新しいエピソードは、キャラクターの個性に一層深みを加えている。そして、楽曲依頼も“そうくるか”の嬉しい方向性で、甘さを押さえられたビターな内容を引き立たせていた。臆病で、だからこそ挑戦し、成長していく、男達とその友情に、改めて青春の息吹きを注入された。
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