「正直、評価は割れそう」THE FIRST SLAM DUNK takoyakiさんの映画レビュー(感想・評価)
正直、評価は割れそう
まずはじめに、私の感想は大衆と異なることもよくあります。楽しんだひとも、そうでなかったひとも、どちらを否定するものではありません。
その上で結論から述べると、何ヶ月も前から期待し、ムビチケで前売りも買って漫画も買って、号泣覚悟ですごく楽しみにしていたにも関わらず、個人的には全くハマらなすぎてあろうことかウトウトしてしまいました。評価が高い人が多数派のようですが、自分と同じように原作を愛していて評価の低い人も少なくないんじゃないかな。
事前の炎上とかは興味がなく、マニアやオタクの類ではないため、声優が変わることも大して気にしてなかったのですが、実際観るとアニメでも観ていたこともあり、違和感がありました。
スラムダンクで最高のシーンのひとつとも言われる、何度も泣いた桜木と流川の最高のシーンも、さらっとしていて全く泣けず、最後のシーンもすごく褒めてる人もいましたが、蛇足のように感じました。
スラムダンクは大好きです。ケチをつけて注目を集めたいわけでもありません。でもコレジャナイ感が否めない。
スラムダンクは、ちょっとクスッと笑える若さゆえのユーモアがあって、若さゆえに突っ走るところもありつつ、絶対に譲れない想いもあって、感情がボロボロになったり、やりきれない思いや悔しさに泣いたり、歓喜の雄叫びをあげたり、感動で鳥肌が立ったり、そういう魅力があった。
でも、本作は、はじまり方も終わりかたも、色に例えるならグレーみたいな、少し暗い雰囲気ではじまり寂しい感じで終わる。出だしの、スケッチから始まり、The birthdayの音楽から始めるシーンは最高で鳥肌もの。でもそれ以降の描写は全体的に浅めで、リョータの成長過程も浅く広く描かれていて、他の登場人物の描写はほぼなく、どのキャラにも感情移入がしにくい。
やはり主役にするなら花道か、もしそれ以外を主役にするなら、ゴリ、三井、もしくは木暮、あたりが良かったな。そして、今回、オリジナル半分、新ストーリー半分みたいな感じだけど、全部オリジナルでも良かったな。
リョータ主役なら徹底的にリョータを、もっと狭く深く掘り下げて、例えば最初の40〜50分で観客みんながリョータにどっぷり感情移入した状態にしてから、試合の描写の方が良かった。試合の合間合間のカットインだとテンポが良くない。
サプライズで、最後にmanishかZARDで泣かせて欲しかった。