劇場公開日 2022年12月3日

「スラムダンクの世界が広がった」THE FIRST SLAM DUNK 電気猫さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0スラムダンクの世界が広がった

2022年12月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

声優交代にCG……正直、不安な気持ちを抱きつつ映画館に行きました。
しかし、湘北の5人が走り出した瞬間、その不安も一瞬で吹き飛びました。
それからラストまで、あっという間の2時間でした。

CGは想像していたより遥かによかったです。
予告編を観た段階は、アニメ的な誇張、彩度を抑えたCGにやや地味な印象も持ちました。
でも、映画を通して観ていると、CGならではのリアルなバスケ描写の積み重ねとCGのメリットを生かしたカメラワークで、自分も試合に参加してかのような臨場感がありました。
一方で、リアルなだけではなく原作の絵の魅力もしっかりとあり、特にアップの表情は素晴らしかったです。
試合が進むほど表情が熱気を帯び、鬼気迫っていき、スラムダンクらしい熱量がありました。

作画も丁寧で見応えがありました。
CGと同じく作画もアニメ的な誇張は抑え気味に、比較的リアルな芝居で描かれてます。
こちらもリアルなだけでなく、熱のある芝居が多く、リアルでありつつも熱量があるのが、スラムダンクらしくてよかったです。

ストーリーは作者が監督したからこその濃さが出てました。
単なる原作のアニメ化・リメイクではないし、まったくのオリジナルストーリーでもない、新たな視点のスラムダンクになっています。
スラムダンクの世界がさらに広がるストーリーで、漫画版を活かしつつも補い、巧みにまとめています。

それにしても、プロモーションで何かと失敗していたのはなんだったのか?
事前の期待をいい意味で見事に裏切ってくれる熱い映画でした。

電気猫